オアシス都市パルミラの「名の知られていない神」、匿名ではなく二つ名で呼ぶシステムだった

シリアにある都市遺跡パルミラは、オアシスの都市、かつ多種多様な人々が行き交う国際的な交易都市でもあった。 かつてISによって遺跡の目立つ部分は破壊されてしまったが、過去の発掘で回収された遺物や記録などは世界各地に残されている。そのうちの一部、碑文の解読による報告が今回のものと思われる。 Polish researcher sol…

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「絵に描いたモチ」ならぬ「深海の財宝」。サン・ホセ号の財宝とその行方

2015年あたりに騒いでいた、超高額なお宝を積んだ沈没船の帰属の行方がまだ争われている、とニュースになっていた。 カリブ海に沈んだサン・ホセ号という300年以上前の難破船。かつての所属はスペイン。現在沈んでいる場所はカリブ海。そして積まれている財宝はカリブ沿岸のかつてのスペイン植民地から奪われたもの――。(さらに、最初に発見したのは自…

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創作物によく見る「お嬢様=電車に乗ったこと無い」のテンプレとその実際、日米の違い等

巷に溢れるマンガや小説、アニメなどで、「お嬢様」というステータスを持つキャラクターは人気である。 キャラづけしやすいからなのか、特にラブコメではしょっちゅう見かける。 世の中そんなにお嬢様っているものなのか? という話だが、まぁ、いる。中の人も小学生のときお嬢様の友達がいた。毎日送り迎えしてもらい、一緒に遊びに行くときはあらかじ…

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ある意味で「戦後」との決別。「天皇の歴史 神話から歴史へ」

映画をハシゴする合間の時間で本屋に入って、なんとなーく手にとってみた本。何も期待せず、あとがきだけ見て「うん、変なこと書いてないな」って感じで読み始めたのだが、これが意外にアタリだった。 天皇の歴史1 神話から歴史へ (講談社学術文庫) - 大津 透 タイトルのとおり、シリーズものの最初の1巻で、「神代」から「歴史期」へ移り…

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「ケルト」という言葉にまつわる諸々。あの記事から約5年が経ち…

この記事を書いてから、早いものでおよそ5年が経った。 「島のケルト」は「大陸のケルト」とは別モノだった。というかケルトじゃなかったという話 https://55096962.seesaa.net/article/201705article_21.html 当時はこの問題についてそれほど頭の中で整理が出来ているわけでもなかっ…

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日本語の「民草」に該当する言葉、古代エジプト語ではタゲリ(鳥)を意味する「レキト」になる

日本語では一般民衆を表すのに「民草」という言葉があるが、古代エジプト語ではレキト鳥という鳥で表現する。 レキト鳥はタゲリ(学名 Vanellus vanellus)で、エジプトには渡り鳥として冬になる前に地中海を越えて大量に渡ってくる。現代でも、ナイル川沿いの緑地に多数集まっているのを見ることができる。 つまり、古代エジプトにおいて…

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ミイラ薬は「なぜ」ヨーロッパで流行したか。→「医者にかかりたくなかったから」

古代エジプトのミイラが、かつてヨーロッパでミイラ薬として持て囃されていたことを、知識として知っている人は多いと思う。 しかし、「なぜ」ミイラ薬が持て囃されたのか、という話まで知識をもっている人は少ないのではないだろうか。 簡単に結論から書いておくと、以下のようになる。 ---------------------- ●…

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ニワトリの家畜化は3,500年前で決着か。飼いならしたのはコメどころの可能性

ニワトリの家畜化の時期や場所は、長らく不明の状態が続いてきた。 アジアの密林に住むヤケイが原種というところまでは突き止められていても、インドから東南アジアまで幅広く様々な亜種が分布しており、しかも現代のヤケイと人間の飼育している家畜としての鶏が交雑を繰り返しているため、DNAだけからだと判別しづらい。 家畜化された時代についても…

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室町の京で琵琶ロックを。映画「犬王」はボヘミアン・ラプソディのオマージュ作品だった

平家物語のスピンオフものみたいなノリで宣伝されていた「犬王」。 平家物語 犬王の巻 (河出文庫) - 古川日出男 映画公式 https://inuoh-anime.com/ 舞台は室町時代。平家が滅びてから約200年が経過し、平家物語は琵琶法師たちによって語り継がれている。また、猿楽のネタとしても使われている…

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古代エジプトのオリーブ絞りは現代とほぼ同じ、ただし手作業なので結構な力技だった

古代エジプトでは、古王国時代のピラミッドを作ってた時代からオリーブオイルが使われていた。 もともとはギリシャから渡ってきたもののようだが、どこか果樹園のようなところで栽培し、王家など地位のある人々がほぼ独占していたらしい。物証としてゴミ捨て場から炭化したオリーブが見つかっていたりするが、それ以外では、墓の壁面に描かれた「オリーブ絞り」…

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古代エジプト人は、どのような悪臭に悩まされていたか。記録に残りづらい民衆の暮らしの実態とは

古代エジプトの香り、というと、「クレオパトラの愛した香水」のような、良い香りを想像する人が多いと思う。 過去の博物館のイベントでも実際、香水や、乳香あたりの体験がほとんどで、変わったところで「ネコのミイラの香り」なんていうのもあったが、それも樟脳っぽい防腐剤の香りだったので、悪臭ではなかった。 しかし実際の古代人の生活はひどい悪…

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電子書籍は紙の本に比べてどう優れているか。「読みかえしても劣化しない」と「更新による維持」

なんだかんだ言われつつ、もはや電子書籍は一般的となり、「紙の本じゃなきゃイヤ!」という人のほうが少なくなってきた体感がある。 そんな中、ふと、電子書籍って読み返しても傷まない、ということに気づいてしまった。 いや、最初から分かってるだろって話なんだけど。 マンガでも小説でも、一回読むとページに折り目がついて紙の束がぶわっとなる…

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古代エジプトの「河馬牙」工芸品について

古代エジプトの工芸品には、象牙ならぬ河馬牙のものが沢山ある。本物の象牙はアフリカ南部の奥地から輸入するしか無いため高価で数も少ないが、河馬はナイル川にそれなりの数が暮らしており、入手しやすかったのだ。 ちなみに象牙はivoryというが、河馬牙の場合は Hippopotamus ivory とか Hippo ivory と呼ばれ、i…

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イカの持つ意外な知性と、「それでもやっぱりイカは美味しい」

イカは体に見合わない巨大な脳を持ち、社会性があり、一部の動物にしか確認されていない自己認識すら機能として持っている―― そんな内容なのに本の帯が「それでもやっぱり、イカは美味しい」になっているあたり、イカ食いまくってきた日本人ならではの胃袋の呪縛を感じてちょっと笑ってしまう。そんな本である。 イカの心を探る 知の世界に生きる海の…

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