フクロウといえば、ギリシャ神話では女神アテナのお使いとされ、知恵の象徴として扱われることの多い鳥である。
しかし現実世界では、「賢い鳥」といえばカラスやオウムの仲間で、フクロウがランキングに上がることはない。かの鳥が「賢い」とされるのは、主に神話伝承の世界なのだ。
先に内容をまとめてしまうと、以下のような内容になる。
●フ…
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ツタンカーメン王墓発掘から100周年ということで色々出版物があったり報道が出たりなのだが、一つ気になっていることがある。
この王の在位年を「わずか9年」とか「短い」と表現しているのを見かけることだ。
9年は全然短くない。
他の王たちの在位年を見てみれば、短い人はたくさんいる。
前後で近い時代だと以下のような感じになってい…
もしもクレオパトラやアレキサンダーが現代にタイムスリップしてきたとしても、寄港すべきアレキサンドリアの港がどこにあるか分からないだろう。
――そのくらい、現代のエジプト沿岸部は古代と風景が違っている、という話なのだが、なんとなく調べていたアレキサンドリア南側のマレオティス湖についての歴史についてメモしておく。
マレオティ…
メキシコ高地に栄えた都市、テオティワカンでは、その地域には生息していないはずの動物が見つかっていて、マヤ低地の諸都市からの貢物ではないかと考えられている。
その貢物の一つがクモザルで、どうも人気のある動物だったらしく多数の遺骨が神殿内から見つかっている。犠牲獣でもあったらしい。
これは古代の「パンダ外交」みたいな感じだったのではない…
そういや古代エジプトの星座って、時代ごとにちょっとずつ変わっていってる(バリエーション増えてる)んだよなー、最古の星座って何だったっけな? ってちょっと出来心で調べてみたら、なんか意外なのが出てきたぞ。
まさかの。
牛のもも肉座が最古事例だった。
正確に言うと、「南天の星座2つ」「北天の星座2つ」の4つセットが現存する最古…
英語で「Paddle Doll(パドル・ドール)」と呼ばれる古代エジプトの遺物がある。
古王国時代の末期から、中王国時代(主に第12王朝)にかけて作られ、墓に納められた木製の平たい女性像である。
女体というにはかなりシンプルで、一見してオモチャのようにも見えるが、実はこれ、れっきとした大人用品、いわば宗教的なアダルトグッズなのである…
忘年会のシーズンですね。焼肉たべたい。
さて、ふと古代エジプトの葬送ステラとか眺めていたら、うまそうな牛肉が描かれているわけですよ。
こちらアメンエムハトさんのステラ
いい牛肉ですねー!
真ん中あたりにあるのはリブ、あばらつきのバラ肉つまりカルビでございます。
ちなみにこのバラ肉、専用ヒエログリフもあります。
…
古代メソポタミアの人々がどこから来たのか、シュメル人は宇宙人だったとか安っぽい説がウケたのもすでに昔、今や大昔の人骨からでもDNA引っこ抜いて分析できてしまう時代でございます。
シュメルが栄えたのはティグリス・ユーフラテス川の下流だが、農耕の技術が誕生したのはもっと上流の「肥沃な三日月地帯」。そこから川を下って人と技術が伝播した結…
世の中には色んな性癖があるもので、雌のドラゴンに乳房がついている絵が多々ある。いわゆるケモナー界隈ではよくあるやつだ。
しかし、それに対して、「ドラゴンは爬虫類なのにおっぱいついてるのは、おかしくね?」とイチャモンをいける人もいる。そもそも哺乳類だったとして、犬や猫を擬人化したレディが副乳でなく大きな乳房2つだけなのだっておかしいだろ…
「民族大移動の時代」については、ヨーロッパ史に関連する本でよく出てくるので前提となる説明は省く。
大きな流れとして、フン族がアジア方面から流入、玉突きでゴート族など元からいた蛮族集団も移動しはじめ、ローマ領内に混乱をもたらし、それが帝国の破滅につながっていく…みたいな定説である。
↓こういう感じの図。見たことある人もいると思う
…
開館準備の進む第エジプト博物館とは別に、古くからあるタハリール広場のカイロ博物館のほうもリニューアルして120周年記念イベントを開催。
1902年にこの場所に移ってきて開館した中東地域で最古の、歴史ある博物館…なのだが、歴史がありすぎて建物も設備も古いしアクセシビリティもよくない、建物そのものが考古学遺物みたいな場所なのだ。
E…
古代エジプトの私人像(王や貴族ではない一般庶民の作らせた像)には、美術的にすぐれたものが少なくないのだが、その中でも書紀坐像は特に目を引く存在だ。こういう↓やつなのだが、書紀という職業の人が、自分の仕事中の姿を永遠に留めたものである。
古代世界における書紀は高給取りのいい職業で、現代でいえば、医者・弁護士・代議士と…
古代エジプトでは、主に女性について入れ墨を入れる習慣があったことが知られている。
⇨前の記事「古代エジプトと入れ墨の呪術:職人村のミイラ分析から」を参照
一方で、戦争捕虜らしき外国人に入れ墨? を入れているシーンがメディネト・ハブの神殿の壁画にあり、これは入れ墨なのか、それとも後の時代では一般的な、奴隷に入れる焼印のようなもの…
床絵、というと無条件にモザイク画を思い浮かべる人も多いと思うが、ガラスの小片を埋め込むモザイク画の大画面は、当然ながら、狙った色のガラスを大量生産できるようにならなければ登場しない。
それ以前の世界では、「床絵」=床に漆喰塗った上に絵の具で絵を描く、という手法になる。
遺物の残りのいい古代エジプトではいくつかの実例が発見されてい…