エジプトに上陸したミトラス秘儀の痕跡についての覚書き

ミトラス秘儀、またはミトラ教という名前で呼ばれるものは、古代ローマで1世紀以降に隆盛を誇った宗教である。秘儀って名前ついてることから分かるとおり神秘的な儀式や謎めいた言い回しを特徴とする宗教で、現代でもオカルト主義者にも人気。(?) ローマがキリスト教を国教とするにあたり地下に潜ったあとは消えてしまうため、信仰された期間はそれほど長く…

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エジプト・サッカラから第5王朝の王子の墓が見つかる。(後世に再利用済み)

エジプト・サッカラの発掘現場から、第5王朝さいしょの王ウセルカフの王子の墓が出てきたとのこと。 発掘監督がザヒ・ハワス博士ということで、エジプトさん速攻で大々的に宣伝してきてます。ちなみに外国人が発掘監督だった場合はエジプト政府が適当な時に発表するので、他に発表したいことがある場合はしばらく塩漬けにされてタイムラグが出ます。独裁国家あ…

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そろそろGWだね。というわけで、オススメの歴史ミステリー・謎解き小説を紹介しておくぞ!

タイトルどおり、「これは歴史とか知識・教養ものの謎解きが好きな人には絶対ぶっ刺さる、読んでないなら人生損してるくらいの勢いだ。読め」というオススメ本を紹介しておきたいと思う。 今年のGWは自宅で過ごす人も多いらしいので! ぜひ! ●「時の娘」 ジャンルでいうと安楽椅子探偵もの。 悪名高い15世紀のイングランド王リ…

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「緑のサハラ」に暮らした7,000年前の人骨のゲノム調査から、サハラ北部への外部影響が限定的だったことが明らかに

サハラ北部のリビア南西部、リビア砂漠のはじっこのほうにあるタカルコリ遺跡(The Takarkori rock shelter)で発見された、約7,000年~6000年前の女性2人の人骨からフルゲノムを採取することに成功、遺伝情報を調べてみたところ、 ・サハラ南部とのつながりがほとんど見られず、サハラ砂漠をはさんだ人の移動はほぼ無…

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砂漠が緑に変わる時。インド-パキスタン間のタール砂漠、気候変動と人為的原因より緑化が進む

気候変動と人為的な地下水の組み上げによって、インド・パキスタン国境に広がるタール砂漠の緑化が、ここ二十年ほどの間に急速に進みつつあるという。この地域はインダス文明の栄えた場所であり、インダス文明衰退の原因は雨量の減少によって川の流れが変化したことではと言われていることを踏まえると、なかなか面白い話だなと思う。 Monsoons a…

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エジプト地中海沿岸の遺跡から新王国時代の層が発見される。アクエンアテン時代やラメセス王朝の遺物も

エジプトの北端、地中海に面した遺跡 Kom el-Nugus の発掘で新王国時代の遺物が出たという報告が上がっていた。 この遺跡はアレキサンドリアの43kmほど西にあり、もともと前7世紀(末期王朝時代)までしか遡れない、比較的新しい遺跡だと思われていたのだが、意外にも古い歴史があった、という話である。 A new Ramessi…

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本の読み方:最初にタイトルと「流れ」を理解してから頭にいれると楽という話

若者の読書離れ、とか言われて久しいが、本一冊を通読することが難しい人は多いらしい。本の内容にもよると思うんだけど、難しい本とか専門書は途中で力尽きるという話も聞く。 そこで自分がやっている読み方のコツみたいなものを書いて置こうと思う。 まずは本のタイトルと各章の見出しを確認する。 簡単だが、これがコツになる。 タイト…

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エジプト・ギザのピラミッド、エコ電気自動車でぼったくり送迎を排除しようとして大混雑に。

エジプトに旅行に行った人なら誰しも「ボッタクリ」被害に会ったことは二度や三度や四度はあるだろう。基本ボッタであり、観光客からはむしり取れるだけむしり取るお国柄である。あと客引きとかナンパがしつこい。マジであれどうにかしろよと思っている。というかエジプト政府も、治安の悪いのはなんとかしようと若干気にしてはいるらしい。 旅行者が最初に…

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猫は人間の言葉が分かる!→分かるわけないでしょ…という話。言葉が分からなくても雰囲気コミュニケーションは出来る

最近ではSNSでペットを自分の子どものように扱う人が増えたせいもあってか、「猫は人間の言葉が分かる! うちの子は私の言うことを理解してくれている」みたいな言説が増えてきたが、常識的に考えて、人間と同等の知能を持たない猫に、人間の言葉は理解出来ない。 ざっくり現実を突きつけるようで申し訳ないが、どんなにかわいかろうと、飼い主は家族扱…

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学術文庫のしおりのトト神、よくよく見たら説明文が謎すぎる。「勤勉」…?

講談社学術文庫を買うと中に挟まってる「しおり」。 中の人の記憶にある限り、ずっとこのデザインだったと思う。古代エジプトの知恵・書記の神、言葉の発明者であるトトが使われている。 だが、読みながらふと裏面をじっくり見て気がついた… 説明文の後半は分かるが、前半の意味が分からない。 「トキはその長いくちばしで勤…

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「海の守護者」としてのイシス女神:変容したエジプト神の一つの形について

以前ベネチアに行った時、昔の船のパーツなどを展示する博物館に聖母マリアのイコンが船乗りたちのお守りとして多数展示されていたのを見た。 神話上の聖母マリアは陸路でエジプトに逃げたことはあっても、べつに海に出ていない。ぜんぜん掠りもしないのに何でマリアが船の守り神なんだよ、と不思議に思っていたのだが、その後、「エジプト女神のイシスが船の守…

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色んなパワーワード・パワー概念が飛び交う比較文化学「インドの宗教とキリスト教」

おそらく神学と比較文化学の中間くらいのジャンルになると思われる本。お花見飲み会の帰りにふわっふわの足取りで何故かこれを手にして帰宅していた。ほんとに何故これを読もうと思ったのか分からないw 読みはじめてから、思ってたのとだいぶ違う内容に「???」ってなっていた。 インドの宗教とキリスト教 (講談社学術文庫) - ルードルフ・オット…

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ラメセス2世の葬祭殿「ラメセウム」から「生命の家」が見つかる。要するに古代の”大学”。

エジプトのテーベ対岸にあるラメセウムから「生命の家」が見つかったよというニュースが流れていた。 生命の家ってなんだよ…という話しから説明すると、古代エジプトにおける「大学」である。「生命の家」という言葉は、古代エジプト語の名称「ペル・アンク」の直訳。神殿に付随する施設で、天文学、薬学、古典、地理、倫理など高度専門領域の知識を学ぶための…

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200万年前に絶滅した小型人類パラントロプス・ロブストゥス、ヒョウに食べられていた可能性が明らかに

元論文と要約記事で内容変わってて珍しいなと思ったパターン。 元論文では→ 南アフリカに200万年前まで生息していたパラントロプス・ロブストゥス(P. robustus)という小型の人類の股関節の部分的な骨と、ほぼ完全な大腿骨、完全な脛骨が見つかり、この小型人類がどのように二足歩行していたのかが明らかに出来るかもしれない。という部…

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