「ザヒ・ハワス博士、ピラミッドの著作権を主張」の、追加考察

少し前に話題になった、ピラミッドの著作権 について。


日本語記事で「まもなく成立の見通し」などと報じられており、その後どうなったんだろうと、ひそかにワクテカ 気にしていたのですが、今のところ続報は見つからず。

その代わり、海外記事ほか、興味深い指摘を幾つか見つけました。

どうやらこの話、単に ”著作権を主張している” のではなく、”エジプトの遺跡をモチーフにした観光地(コピー品)に課税することで、エジプトの遺跡(オリジナル)を保全する資金を工面したい”と、いうのが、そもそもの主張だったらしいです。

なぜラスヴェガスにやたら言及するのかと思ったら、「ラスヴェガスを訪れる裕福な観光客には、ピラミッド保全のためのチップを払っていただきたい」というようなことを、ザヒ・ハワス博士が仰ったから、だそうで。

確かにラスヴェガスにはピラミッドとスフィンクスのパチもんがありますが… ラスヴェガスに行く観光客はピラミッドが見たくて行ってる訳じゃないんですから、「パチもんを見に行くならオリジナルを見に来るか、オリジナルを守る金を出してくれ」と言われてもピンとこない話なんでしょうね。^^; 目の付け所は悪くないので、ラスヴェガスでピラミッド観光推進運動をするとか、遺跡の維持費用を募金するとかはアリかもしれません。


それにしても、なぜ遺跡を保全する資金を工面したいという話になったのか。

昔、「エジプトはミイラが出すぎるので全部保存しようとしたら東京ドームくらいの冷蔵庫が必要かもしれない」というジョークを言ってた人がいましたが、遺物・遺跡が多すぎて、全部を保存・管理するのにとても手が回らないのが現状らしいです。
詳細な収支などの情報は得られなかったのですが、年々、遺跡や遺物の数が増えつづけているのは事実ですから、まじめに保存しようとしたら維持管理費用も増えていくことになりますよね。

エジプトに数多ある遺跡、毎年出てくる何がしかの中には、アクセスの悪い場所にあって観光地化しにくい遺跡や、重要だが派手さのない遺跡など、収入に結びつかないものも、当然あるでしょう。
しかしお金にならないからといって放置するわけにも行かない。
となると、「発見があればあるほど貧乏になっていく」という状況を打開するために、ドル箱な遺物・遺跡で稼いで、そのお金で他の地味な遺物・遺跡を維持していくしかない。


たとえば、カイロ博物館には先王朝時代のツボのコーナー(直火焼きのため口が黒くなっているのが特徴)もあるわけですが、地味なツボ部屋をじっくり観察する人は滅多に居ないでしょう。それでも、そのツボが重要な遺物であることに変わりは無く、維持管理していかなくてはならない。ツボ単体で生み出す利益は殆ど無いのに、置いておくにもお金がかかる… 

そうした地味な発見物を保存するために、二階に燦然と輝くミイラ室とツタンカーメン室が頑張ってくれている、という状況と同じことではないかと…。


観光産業で稼ぐためには、テロ対策やインフラ設備など観光客を守ることにも資金と人員を割かなくてはならないので、過去の遺産で悠悠自適に左団扇~ とはいかないんですよね。

人類の遺産を自らの国のものとして守っていく、というのは、当事者からすると、お金がかかるばかりで辛いことなのかもしれません。

(裕福な国にお金を貰うと何か権利とか主張して来そうでイヤだ! なんていう駆け引きもありそう。)

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