アンクという象徴

アンク、といえば、古代エジプトのシンボルの中では最も有名で、知らない人はめったに居ないのではないかと思う。現代でもアクセサリーとして人気があり、あちこちで見かける。

「アンク」は生命の象徴。ヒエログリフとしてもアンクという文字は使われていたし、漢字でいうところの「寿」のような、縁起ものとして、文脈とは関係ないところで飾りとして使われることもあった。

それだけ露出の高いものでありながら、実はアンクの「正体」は、いまだに分かっていない。


画像




ヒエログリフの元になっている図形には、ほぼ全てについて、元となっている実在の物体が存在する。(空想動物は除く)
デフォルメされて形が単純化されてしまうと分からないが、詳細な、リアルに描かれた図を見ると原型が分かる。

しかしアンクの場合、似ている実物がないのと、あっても、それが生命の象徴と結びつくとは思えないのが、様々な説を生み出す原因となっているのだと思う。

聞いた/見たことのある説としては、

 ・サンダルの緒

画像


 ・イシスの結び目と同じく、紐で作った護符

画像


 ・性器に結びつく道具、古代の豊穣のお守りの単純化

画像


 ・鏡と同じく太陽の光を元にして作られた形

<画像


などがある。

それぞれ、なるほどと思わせる部分がありながら、決定的な説にはなっていない。



で、この「アンク」について、エジプトのガイドさんが聞いたことの無い説を言っていた。


 アンクは上下エジプトの統一を示す象徴でもある。(象徴として使われた?)


下エジプトと上エジプトを真ん中でリボンで結んでいる形なんだという。
どういうことかというと、

エジプトの航空写真 緑色の部分が緑地。
画像


緑色の部分が人の住める土地と考えて ↓こう見る。


画像




「上エジプト」(上の国)=デルタ地帯 を楕円の部分に、「下エジプト」(下の国)=渓谷に挟まれた川の沿岸 を某の部分に見立て、二つの統一を示すために真ん中にリボンを結んだ形、ということだ。


水道も給水車も無い時代、川沿いの緑のあるところしか、実質、人は住めなかった。
古代のエジプトの国土は、確かにアンクのような形として認識されていたかもしれない。

この説だと、アンクは「生命」の象徴よりは王権や力の象徴になってしまいそうだし、アンクという象徴が二つの国の統一以降に使われ始めたかというとそうとも言い切れないので、アンクが国土を象徴した形から生まれたとは結論付けられそうも無い。

しかし、起源の問題は別として、この見立ては面白い発想だ。これだと、アンクはまさにエジプトの象徴ということになる。


:***************************************************

おまけ 「魂の平安セット」

アンクに、ジェド、ウアスという縁起のいい小物を組み合わせた三点セット。
家内安全、勉学、健康祈願、死後の平穏に。サイズは大・中・小、カラーは無彩色・ファイアンスのニ色となります。
追加オプションとして、所有者のネーム入れ承ります。

画像

この記事へのトラックバック