古代エジプトのビール検証(1) データ集め

>>まえ

よくよく考えたらこれも作治ネタじゃないですか。
おのれ安菜め図ったなー!

というのはおいといて、前回のpostをした後、何故キリンのサイトでやってる古代エジプトのビール再現方法が胡散くさく感じるのかを考えてみたのです。
その一番の理由が、

 元ソースが十分に明記されていない

つまり再検証を想定していないか、言い方悪くすれば故意に再検証やツッコミを回避しているんですね。

「既存説は否定された」というのであれば、その既存説とは何処の誰が言ったことなのか、何を見て判断したのかを教えてもらわないと。そもそも既存説が既存説じゃないとか、正確に記載されていないとか、既存説とされたのは昔であって今はそんな説は信じられていないとかでは、まず発端からして違ってきます。

と、いうわけなので、まず作治ソースではない「世界の考古学者たち」は、古代ビールについて何と言ってるのかを探しにいってみることにしました。




・多分これが既存代表説

Ancient Egyptian Alcohol

キリンのサイトで「既存説ではパンをどろどろにするだけのものだった、アルコール分は5%程度とされていた」と書かれているのは、この辺りがソース?


・古代エジプトビールの作り方レシピ

EGYPTIAN BEER EXPERIMENT

The beer was reported to have an alcoholic content of between 5 and 6 percent and was to be produced in April, 1996. They were sold at Harrods for £50 per bottle, the proceeds going towards further research into Egyptian beer making.

だ、そーなので、過去に、古代エジプトのビールを再現して販売するプロジェクトはよそでもやってたってことですね。

で、前回リンクした吉村作治のインタビューで、

世に言う古代ビールの復元は、ギリシャ人が古代エジプト人から教わったと称して伝えられたものが唯一の手引き書であった。


と、あるんですが、「EGYPTIAN BEER EXPERIMENT」で参考にしているのは Diodorus Siculus、つまりディオドロスなので、吉村氏が言ってるのはディオドロスのことなのだろうと推測。


尚、ディオドロスの著作の以下の部分に記述あるようです。

book IV, chap. 2
book V,chap. 26

ここに書かれた方法を実際に実験してみたところ、パンを水に浸して発酵させただけでは、「すっぱかった」とされている。
どうやらこの方法は違うんじゃね? と、いう結論に達したようです。


で、まだ続くんだなこれが。

>>つづき

この記事へのトラックバック