聖杯伝説(1978) /エリック・ロメール
コレです。
北欧神話オフ会でのいただきもの。かなり古い映画です。
当時はまだベルリンの壁が壊れていなかったため、タイトル字幕に「仏・西独・伊」と入っています。ただしキャラの喋っている言葉はフランス語。
原作となっているのは、クレティアン・ド・トロワの「ペレスヴァル、または聖杯の騎士」。ペレスヴァルは英語読みだとパーシヴァルのこと。原作は未完成で、欠けている部分を補って完成させたのが、ドイツの詩人ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハです。
物語は、アーサー王の円卓の騎士の一員として有名なパーシヴァルを主人公とした聖杯をめぐる伝説の1つ。
フランス・ドイツで書かれた元々の物語では、聖杯を手にするのはガラハッドではなくパーシヴァルでした。パーシヴァルの父と兄たちは既に戦いで亡くなっており、母は息子を騎士にするまいと森の奥に隠して育てますが、ある日息子は騎士と出会ってしまい、己の血と宿命に目覚めることになります。
愛と冒険、騎士の本分と信仰とは。旅の中で主人公は成長し、聖杯を守る王としての役目を受け継ぐことになります。なりますっていうか、なる予定なんですが、クレティアン版は未完なので旅の途中までです^^;
映画ではあるのですが、どちらかというと舞台芸術。生演奏の人たちあり。撮影はすべて室内。再現できないところは、何とそこだけアニメーション。馬が本物なとこにコダワリを感じます。ていうか城のセットの中を馬が歩くのはどうよ。
セリフや登場人物の行動は原典にほぼ忠実、「~と著者は考える」の部分まで忠実に、ミュージカル風に歌ってくれるのには少し笑ってしまう。カメラワークは映画なんですが、作り方は映画という範疇からは少し外れているかもしれません。
ストーリーは淡々としていて、文章を映像化することだけに集中したという感じ。
登場人物の衣裳はすばらしく美しく、ポーズにいたるまですべて、当時のイラストを再現してくれます。
ただ、この映画、あまりにも原点に忠実すぎました…。
原典が未完なのに忠実に再現しようとしたためか、映画自体も最後はバッサリ終わります。映画から見始めた人は、一体何がどうなっているのかきっと分からない(笑)
完結してるんだからヴォルフラム版でやりゃ良かったんじゃないのかなあ… とか、少し思わなくもない。ヴォルフラム版だとドイツ語ですが。
個人的に、ゴーヴァン(ガウェイン)の配役はバッチリなんですが、ペルスヴァルがイマイチ格好よく無かった気がする。ゴーヴァンに比べて声が甲高いのはいいとして、ちょっと更け顔すぎかなあ。演技は巧いんですが。もうちょっと若々しくて「坊や」って感じのイメージだったんですが。
そもそも、髪の生え際が後退しすぎなのが問題だと思…げふんげふん。
画面は豪華なわりに淡々として非常に地味であるということが特徴のひとつであるこの映画。
騎士叙事詩スキーの方は、目の保養にいかがですかね。
と言いつつ原典を勧める自分。
こっちが映画の原典となっているクレティアンの作品が収録されている本。
こっちが、クレティアンの物語を下敷きに、未完部分を補って完成させたヴォルフラム版。
北欧神話オフ会でのいただきもの。かなり古い映画です。
当時はまだベルリンの壁が壊れていなかったため、タイトル字幕に「仏・西独・伊」と入っています。ただしキャラの喋っている言葉はフランス語。
原作となっているのは、クレティアン・ド・トロワの「ペレスヴァル、または聖杯の騎士」。ペレスヴァルは英語読みだとパーシヴァルのこと。原作は未完成で、欠けている部分を補って完成させたのが、ドイツの詩人ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハです。
物語は、アーサー王の円卓の騎士の一員として有名なパーシヴァルを主人公とした聖杯をめぐる伝説の1つ。
フランス・ドイツで書かれた元々の物語では、聖杯を手にするのはガラハッドではなくパーシヴァルでした。パーシヴァルの父と兄たちは既に戦いで亡くなっており、母は息子を騎士にするまいと森の奥に隠して育てますが、ある日息子は騎士と出会ってしまい、己の血と宿命に目覚めることになります。
愛と冒険、騎士の本分と信仰とは。旅の中で主人公は成長し、聖杯を守る王としての役目を受け継ぐことになります。なりますっていうか、なる予定なんですが、クレティアン版は未完なので旅の途中までです^^;
映画ではあるのですが、どちらかというと舞台芸術。生演奏の人たちあり。撮影はすべて室内。再現できないところは、何とそこだけアニメーション。馬が本物なとこにコダワリを感じます。ていうか城のセットの中を馬が歩くのはどうよ。
セリフや登場人物の行動は原典にほぼ忠実、「~と著者は考える」の部分まで忠実に、ミュージカル風に歌ってくれるのには少し笑ってしまう。カメラワークは映画なんですが、作り方は映画という範疇からは少し外れているかもしれません。
ストーリーは淡々としていて、文章を映像化することだけに集中したという感じ。
登場人物の衣裳はすばらしく美しく、ポーズにいたるまですべて、当時のイラストを再現してくれます。
ただ、この映画、あまりにも原点に忠実すぎました…。
原典が未完なのに忠実に再現しようとしたためか、映画自体も最後はバッサリ終わります。映画から見始めた人は、一体何がどうなっているのかきっと分からない(笑)
完結してるんだからヴォルフラム版でやりゃ良かったんじゃないのかなあ… とか、少し思わなくもない。ヴォルフラム版だとドイツ語ですが。
個人的に、ゴーヴァン(ガウェイン)の配役はバッチリなんですが、ペルスヴァルがイマイチ格好よく無かった気がする。ゴーヴァンに比べて声が甲高いのはいいとして、ちょっと更け顔すぎかなあ。演技は巧いんですが。もうちょっと若々しくて「坊や」って感じのイメージだったんですが。
そもそも、髪の生え際が後退しすぎなのが問題だと思…げふんげふん。
画面は豪華なわりに淡々として非常に地味であるということが特徴のひとつであるこの映画。
騎士叙事詩スキーの方は、目の保養にいかがですかね。
と言いつつ原典を勧める自分。
こっちが映画の原典となっているクレティアンの作品が収録されている本。
こっちが、クレティアンの物語を下敷きに、未完部分を補って完成させたヴォルフラム版。