「レッドクリフ Part1」を見てきたぞな… で、感想とか
ネタバレはほとんどないですよ。
と、いいますか、予告編や各種映画サイトのほうがよっぽどネタバレしています。
むしろ公式サイトのネタバレがないと映画の意味がわからない。
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最初に全体のざっくりとした感想をば。
個人の「批判的な」レビューサイトでいわれてることは、だいたいマジです…
各キャラの登場シーンもイマイチだし字幕で説明しちゃうのもどうかと。戦闘シーンも、うーんもうちょっとどうにかならんのか…。
音楽はいいが、カメラワークは良くない。編集にシロウトくささがあって勿体無い。シナリオは史実でもファンタジーでもなく、人間ドラマでも戦術ものでもない中途半端さ。キャスティングは、外見的に言えば孔明は意外とアリだったが関羽や張飛がやりすぎ(笑) 演技の巧さで言うと孔明が巧すぎて外見だけで選ばれたんじゃないかと思われる他の役者がけっこう食われてる。
ようつべのトレイラーコメントで中国人が怒っていたように、孔明と周瑜がホモくさいのもガチ。あんな語らいネーヨ。なんだよあの見つめあいシーンの多さ。
と、いうわけで、この映画は三國志ものの大作としては不備が多いと思います。
ただし、
三國志ではないナニカとしてはアリ です。
オープニングのえらい手抜きかつ大変親切なCG説明を見た瞬間、「これはきっとPS2あたりで出されてる三國志風の戦略シミュレーションゲーム的な映画に違いない!」とスイッチを切り替えたのが巧くいきました。
場面が切れ切れなのは、ゲームだからです。戦闘マップがあり、勝敗条件が設定され、その陣地で使える武将が決まっています。「ミッション1:劉備の息子を救い出せ!」とか、「ミッション2:人民を逃がせ!」とか、そんなノリ。
戦闘シーンと戦闘シーンの間に入るのは、イベントモード。音楽が盛り上がってきて各キャラが語りだしたらムービーシーンです。プレイヤーは軍師となって陣形や出陣武将を選択。武将には友好度パラメータが設定されており、イベント時の選択肢でそれらが変動。友好度によって戦場での働きが異なります。
このようなゲーム脳を持って観れば「レッドクリフ」は良映画です。
ゲーム会社が大々的に売り出す大作クラス。
(決して、重たい歴史モノやカッコいい三國志映画だと思って見てはいけません。)
まずこの映画の失敗は、上記に書いたように個々のシーンのつながりがイマイチだということ。
見せ場見せ場は頑張っているのですが、そのつなぎの部分が出来ていないのです。ストーリーに緩急つけるなら、もっと緩の部分で説明をするべき。各キャラクタの立ち位置や、そのとき考えていることなんかをさあ… 陣形の説明とかさあ…。
三國志予習してる人向け、といわれるのは映画の中で人物関係がほとんど説明されないことにも因るんだと思うけど、予習しててもそもそもわからない。甘興と呼ばれていた人は甘寧なの? とか、孔明が周瑜の陣を見て「古い」と言った理由とか、華佗が曹操の治療をしようとしていた理由とか。(そもそもあれ病気なんか…?)
なんていうか、史実としての三國志に三國志演義と京劇の三國志も混ぜて良いとこ取りしようとして全部中途半端な感があります。孫尚香の必殺パンチとか、あれ要らなくないか(笑) 彼女がいるお陰で私などは大喜びなんだが(まあ、もうちょっと若くてもいいよなとは思ったけど)、正史としての三國志好きからするとイラネーって話になりそう。
しかも異様に強いし孫尚香。彼女の現実離れした強さも、雰囲気をゲームっぽくしているなあという感じ。
それから、映画は視覚情報が重要なので、各武将の視覚的なキャラ立ちを、もう少し頑張ってほしかった。
混戦状態になったるときに引き気味のカメラワークが多いこと、キャラの衣裳が全員地味(よく言えばリアル嗜好なのだが…)なので、パッと見て誰と誰が戦っているのか解らない。
つーか周瑜が急所一撃に近い状態で助けた相手は誰なんだ。あれ趙雲なん??
逆に良いところは、見せ場(ゲームでいうとムービーシーン)を頑張っているということ。
武将はカッコいい。とにかくカッコいい。一人一回は見せ場がもらえます。マンガのワンシーンだろコレ的なありえない動きで無双します。趙雲のアクロバット、敵陣に一人で突っ込んで旗バッサァ振り回す関羽、お前ロードオブザリングのドワーフだろと突っ込みたくなる張飛の素手雄たけびアタック。
空中飛んでる矢も手づかみできる周瑜が何で味方を庇うときだけ矢に当たるのかとか、八卦陣狭すぎだろとか、そういうツッコみもなくはないですが、まあ、まあ。基本、武将たちは人間じゃないと思いねえ。歴史モノとして観れば「もっとリアルに描け!」と言いたくなるでしょうが、ゲーム脳で見れば、あれはアリ。
コーエーの三國志Onlineをプレイしてた身としては、唐突にPOPした武将に薙ぎ倒される雑兵のほうに感情移入してしまいますが…。
…厳畯さんとか華佗さん、客将で戦場でこねーかなー…(おい!
と、いうわけで、この映画は脳内で自分好みのフィルタをかけて変換できる人向け。
三國志を忠実に再現したとか、歴史超大作だとかいう船団文句に釣られて期待してしまった人からは良い評価は出てこないかもしれません。いつも思うんだけど映画の配給会社はもっと真剣に宣伝文句を考えるべき。
<以下は映画を見た人むけのオマケ>
○蜀の食卓
このシーンはめっちゃ笑った。
なんでみんなでちゃぶ台囲んでゴハンよそって食ってんだよ(笑 しかも武将ズ、フツーにおあずけ食らったお兄さん状態。ごはんのよそい具合が若干汚くて妙にリアルなのが余計に笑えた。
○馬から落ちる人
大迫力の合戦!! の、はずが、カメラワークのせいでギャグシーンに。
馬から放り出されて「あーーー」とか言いながら空中飛ぶ人を映したり、画面から「べちゃっ」てなるのをマトモに映しちゃだめです。それはバカ殿とかギャグ系の画面の動きです…。
と、いいますか、予告編や各種映画サイトのほうがよっぽどネタバレしています。
むしろ公式サイトのネタバレがないと映画の意味がわからない。
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最初に全体のざっくりとした感想をば。
個人の「批判的な」レビューサイトでいわれてることは、だいたいマジです…
各キャラの登場シーンもイマイチだし字幕で説明しちゃうのもどうかと。戦闘シーンも、うーんもうちょっとどうにかならんのか…。
音楽はいいが、カメラワークは良くない。編集にシロウトくささがあって勿体無い。シナリオは史実でもファンタジーでもなく、人間ドラマでも戦術ものでもない中途半端さ。キャスティングは、外見的に言えば孔明は意外とアリだったが関羽や張飛がやりすぎ(笑) 演技の巧さで言うと孔明が巧すぎて外見だけで選ばれたんじゃないかと思われる他の役者がけっこう食われてる。
ようつべのトレイラーコメントで中国人が怒っていたように、孔明と周瑜がホモくさいのもガチ。あんな語らいネーヨ。なんだよあの見つめあいシーンの多さ。
と、いうわけで、この映画は三國志ものの大作としては不備が多いと思います。
ただし、
三國志ではないナニカとしてはアリ です。
オープニングのえらい手抜きかつ大変親切なCG説明を見た瞬間、「これはきっとPS2あたりで出されてる三國志風の戦略シミュレーションゲーム的な映画に違いない!」とスイッチを切り替えたのが巧くいきました。
場面が切れ切れなのは、ゲームだからです。戦闘マップがあり、勝敗条件が設定され、その陣地で使える武将が決まっています。「ミッション1:劉備の息子を救い出せ!」とか、「ミッション2:人民を逃がせ!」とか、そんなノリ。
戦闘シーンと戦闘シーンの間に入るのは、イベントモード。音楽が盛り上がってきて各キャラが語りだしたらムービーシーンです。プレイヤーは軍師となって陣形や出陣武将を選択。武将には友好度パラメータが設定されており、イベント時の選択肢でそれらが変動。友好度によって戦場での働きが異なります。
このようなゲーム脳を持って観れば「レッドクリフ」は良映画です。
ゲーム会社が大々的に売り出す大作クラス。
(決して、重たい歴史モノやカッコいい三國志映画だと思って見てはいけません。)
まずこの映画の失敗は、上記に書いたように個々のシーンのつながりがイマイチだということ。
見せ場見せ場は頑張っているのですが、そのつなぎの部分が出来ていないのです。ストーリーに緩急つけるなら、もっと緩の部分で説明をするべき。各キャラクタの立ち位置や、そのとき考えていることなんかをさあ… 陣形の説明とかさあ…。
三國志予習してる人向け、といわれるのは映画の中で人物関係がほとんど説明されないことにも因るんだと思うけど、予習しててもそもそもわからない。甘興と呼ばれていた人は甘寧なの? とか、孔明が周瑜の陣を見て「古い」と言った理由とか、華佗が曹操の治療をしようとしていた理由とか。(そもそもあれ病気なんか…?)
なんていうか、史実としての三國志に三國志演義と京劇の三國志も混ぜて良いとこ取りしようとして全部中途半端な感があります。孫尚香の必殺パンチとか、あれ要らなくないか(笑) 彼女がいるお陰で私などは大喜びなんだが(まあ、もうちょっと若くてもいいよなとは思ったけど)、正史としての三國志好きからするとイラネーって話になりそう。
しかも異様に強いし孫尚香。彼女の現実離れした強さも、雰囲気をゲームっぽくしているなあという感じ。
それから、映画は視覚情報が重要なので、各武将の視覚的なキャラ立ちを、もう少し頑張ってほしかった。
混戦状態になったるときに引き気味のカメラワークが多いこと、キャラの衣裳が全員地味(よく言えばリアル嗜好なのだが…)なので、パッと見て誰と誰が戦っているのか解らない。
つーか周瑜が急所一撃に近い状態で助けた相手は誰なんだ。あれ趙雲なん??
逆に良いところは、見せ場(ゲームでいうとムービーシーン)を頑張っているということ。
武将はカッコいい。とにかくカッコいい。一人一回は見せ場がもらえます。マンガのワンシーンだろコレ的なありえない動きで無双します。趙雲のアクロバット、敵陣に一人で突っ込んで旗バッサァ振り回す関羽、お前ロードオブザリングのドワーフだろと突っ込みたくなる張飛の素手雄たけびアタック。
空中飛んでる矢も手づかみできる周瑜が何で味方を庇うときだけ矢に当たるのかとか、八卦陣狭すぎだろとか、そういうツッコみもなくはないですが、まあ、まあ。基本、武将たちは人間じゃないと思いねえ。歴史モノとして観れば「もっとリアルに描け!」と言いたくなるでしょうが、ゲーム脳で見れば、あれはアリ。
コーエーの三國志Onlineをプレイしてた身としては、唐突にPOPした武将に薙ぎ倒される雑兵のほうに感情移入してしまいますが…。
…厳畯さんとか華佗さん、客将で戦場でこねーかなー…(おい!
と、いうわけで、この映画は脳内で自分好みのフィルタをかけて変換できる人向け。
三國志を忠実に再現したとか、歴史超大作だとかいう船団文句に釣られて期待してしまった人からは良い評価は出てこないかもしれません。いつも思うんだけど映画の配給会社はもっと真剣に宣伝文句を考えるべき。
<以下は映画を見た人むけのオマケ>
○蜀の食卓
このシーンはめっちゃ笑った。
なんでみんなでちゃぶ台囲んでゴハンよそって食ってんだよ(笑 しかも武将ズ、フツーにおあずけ食らったお兄さん状態。ごはんのよそい具合が若干汚くて妙にリアルなのが余計に笑えた。
○馬から落ちる人
大迫力の合戦!! の、はずが、カメラワークのせいでギャグシーンに。
馬から放り出されて「あーーー」とか言いながら空中飛ぶ人を映したり、画面から「べちゃっ」てなるのをマトモに映しちゃだめです。それはバカ殿とかギャグ系の画面の動きです…。