王家の谷; 動物ミイラ専用墓

今月のナショジオの特集にエジプト動物ミイラ。



あんま面白くなかったんでスルーしようかと思ってたんですが、なんかネタ振られたみたいなので… とはいえページ数も少なくて記事もいまいちだったので、追加情報みたいなのでも出しときます。



テーベ西岸、王家の谷にある墓の中には実は「動物ミイラの墓」というものもありまして。
KV50、KV51、KV52の三つで、発見は1906年、発見者はEdward R. Ayrton。

 KV50からは、犬1 猿1
 KV51からは、猿3 ヒヒ1 あひる3 トキ1
 KV52からは 猿1

が、からっぽのカノポス壷などと一緒に発見されているようです。
墓自体は動物専用に作られたものらしく、質素で浅い。当時はまだ動物のミイラにほとんど関心がもたれなかった時代でもあり、資料はそんなに多くないです。

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人間と同じように作られ、なかなか保存状態のよいヒヒ。

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発掘の人が犬とサルのミイラを並べて会話してるように見せかけて遊んだ跡。(写真ではなくスケッチ)


動物ミイラについての資料って、日本語だとあんまない気がします。英語圏だと死ぬほど転がってるんだけどなー…。(つかキリスト教徒だからなのか? 不死の肉体とか好きなの?)







ちなみに、一番面白いのはスカラベのミイラだと思う。
一度だけ、どこかのエジプト展で見たことがある。完全に粉になっている中に、かすかに虫のカケラっぽいものが混じっている… 子供の頃の昆虫標本を大人になって久しぶりに掘り出してみた、的な、物悲しさと胸にこみ上げるしょっぱさのある逸品であった。そしてミイラケースはまんまフンコロガシの形をしていた。

そのとき図録を買い損ねて、いらいカラー写真はないものかと探しているのだけれど、なかなか見つからないのである…。いいネタになりそうなんだけどな。

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