アサシンクリード2 ~15世紀:フィレンツェ・トスカーナ・ヴェネツィア観光~ ※ネタバレなし

はい、というわけで発売直後の「アサシンクリード2」、がっつりプレイして参りましたので、ゲームレビュー&感想とか。


簡単に説明すると、このゲームはDNAに刻まれた祖先(アサシンたち)の記憶をなぞりながら、過去の世界を旅して回るというもの。アサシン=暗殺者 クリード=教義、ということで、「暗殺という罪を犯しながら守ろうとしている正義とは何か」が一応のテーマになっているようです。

前作での物語は、アサシンの子孫であるデズモンド(職業:バーテンダー)が謎の会社に拉致され、十字軍の時代にイスラム教徒とキリスト教徒の間で生きていたアルタイルという祖先の記憶にダイヴし、テンプル騎士団が追い求めていた人の心を操る禁断の力を知るというもの。

今作は、その力のありかがテンプル騎士団の生き残りにバレたのち、謎の会社から逃亡するところからスタート。同じくアサシンの子孫である仲間たちに助けられながら、別の祖先、大航海時代にイタリアで生きたエツィオという人物の記憶にダイヴし話が続いて行きます。




CMでは水の都ヴェネツィアが前面に押し出され、主要舞台がヴェネツィアっぽくなってますが、実はスタートは主人公の実家のあるフィレンツェ。ミラノやトスカーナの登場人物も。ヴェネツィアにたどり着くまで8時間くらいかかりました・・・・・・・。 いや、宝箱あけまくったりエキストラダンジョンにハマってなければもっと早かったかもしれんのですが、どーでもいいところが楽しくてねえ(笑)

前作もそうですが、このゲーム、 暗殺とかミッションとかはどうでもいい。

リアルに作られた過去の世界を楽しむためのゲームです。
ゲーム本編と関係ない、羽集めや写本あつめ、ミニゲームが充実しているので、やりこもうと思えばとことんやり込める。思う存分に走り回れ!


十字軍時代のヤッファ・アッカ・エルサレム… ルネサンスのフィレンツェ・ミラノ・ヴェネツィア…、激動の歴史の影にアサシンアリ、ってことがやりたいんでしょうが、素晴らしくニッチなところを突いてきます。歴史好きなら必ず食いつく舞台チョイスです。地理や景観は、かなり史実にこだわっています。わたしゃ、リアルト橋が崩落する前の木造建築なことに感動しました。道行く人の服装なんかもよく出来ているので、舞台設定に反応した人は迷わず買い求めるがいいよ!



*****


で、今作なのですが、前作にくらべ明らかにヌルくなっています。
死にません。面白いほど死にません。敵にボコボコ殴られてても、多少高いとこから転げ落ちても死にません。

そして、暗殺ミッションの当たり判定がかなりでかい。
建物の上からでもロックオンして隠れてさえいれば外すことはないです。しかも主人公の逃げ足が兵士より早い。前作はテンプル騎士団から逃げ切るのにワザが必要だったのに、ただ走ればなんでもOKてのは…。

そして、今作で娼婦や傭兵を雇えるのですが、こいつがまた強い。強いっていうかほぼ無敵。敵兵は娼婦買収すれば100パー落ちる。これはどうかと^^; 娼婦がお色気を振りまきだすと、真横で仲間を殺してても、堂々と宝箱あけてても何もしてこないっつのは、兵士アホすぎるんじゃないかと。傭兵も、あんなはした金で城の警備兵に命がけの特攻しかけてくれるとか。娼婦か傭兵雇っとくとミッションが色々楽になりすぎるのがこまる。

盗賊は、こっちが屋根の上を走ってたら勝手に足滑らせて死ぬとか、勝手にいらん敵ひきつけてトレイン状態にしてくれるとか、川は泳げないとか、正直使えない子なので、あんまり雇うメリットないかも…。

それでも、NPC雇う金が高ければ、まだバランスがとれてたと思うんですが。それがはした金だから困る。
所持金はガンガン増える。主人公の設定が「貴族」で、自分の領地(?)を持っているので、そこからの上がりだけで楽々暮らせます。しかもすぐ銀行フルになるし。スリの技をあえて使う必要が全くない。そのへんのバランスがちょっと残念。「家族を殺されて復讐のために身を潜める」って設定だったから、もっとジリ貧かつかつの状態で食い扶持稼ぐために暗殺依頼のサブイベントとかやるんだと思ってたのにな。

町での兵士の警戒度も、主人公がそもそも貴族出身でメディチ家とも仲いい設定なので、フィレンツェではほぼやりたい放題。ヴェネツィアではそう自由になりませんが、たとえ兵士におっかけられても運河に飛び込んじゃえばほぼ無敵状態で逃げ切れるのでヌルい。一般人に偽装するスキルがあるのにほとんど使わない。


…と、いうわけで、ライトユーザーにはよさげな仕様ですが、もっと頭ひねってギリギリの緊張感の中で暗殺を楽しみたい人には物足りないかも。町を歩き回って楽しむ要素が前作より強まってる感じです。




高所からの飛び降りは前作よりパワーアップ、高い場所が増えてます。
ヴェネツィアの高楼は海が見えてとても楽しい。

吹き替え言語にイタリア語バージョンがある。

娼婦のボイスがやたら色っぽい(笑)

レオナルド・ダ・ヴィンチがすごい無邪気な性格で、主人公に自分の発明品の話や暗号の話なんかをペラペラやってたり、ハングライダー作れるのに「非力だから」馬車が直せなかったりするところに萌え。


 た だ し

BGMは残念な出来で全く盛り上がりません。前作の音楽もほとんど記憶にないし、このシリーズはもっとBGMを頑張るべきだと思う。

兄ちゃんは出てきた瞬間死亡フラグ。妹はめっさ可愛くない。

日本のRPGと違って、家族が殺されたあとの主人公の決意が素早い。ヒロインに一発ビンタされるまで泣き暮らすとか、そんな女々しさが全くない。ていうか、序盤に出てきた恋人のクリスティーナがてっきりそういう役回りだと思ったら全く絡んでこなかったというオチ。

前作に比べて「正義」とか「暗殺者の理想」みたいなものが薄くて、テンプル騎士団や汚職貴族たちを暗殺して回ってる理由がよーわからん。


*****


まとめると、全般的に、前作のいいところはそのまま残ってるんだけど悪いところもそのまま残ってる。暗殺だけやりたい人は「天誅」でも買っとけ、時代と都市が好きならむしろ買い。一本のゲームとして見た場合、ストーリー面とバランス調整にはやや難アリ、といったところ。
まだEDまでいってないですが、最後のほうに酷いバグがあるというウワサなんで、プレイする方は公式のバグ情報見てから始めるといいかもね^^;

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PS3版/XBOX版があります。

アサシン クリードII【CEROレーティング「Z」】
ユービーアイ ソフト
2009-12-03


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