ナショジオチャンネル:ツタンカーメンのおくりびと

久々の本格エジプト特番です。


今回の番組のメインは、ツタンカーメン王ではなくその周囲にいた人々、「埋葬者」の物語。

番組はツタンカーメンが死んだ報せがあったところからスタート。宗教上、70日という定められた期間に埋葬準備を終えなくてはいけませんが、王が突然亡くなったため準備が何も出来てません。おまけにツタンカーメンには跡継ぎの子供がいない。

ミイラの話もあるので、やっぱりサリマ・イクラム博士の登場です。

画像


ツタンカーメンのミイラが王に相応しくなく乱暴に作られた、というのは2006年のCTスキャン以降出てきていた話ですが、予想以上にテキトーだったらしく、「乾燥がうまくいっていない 防腐処理を出来ない場所で亡くなって応急処置だけで運ばれてきたんじゃないのか」「樹脂を塗ったくってあるのは乾燥失敗で遺体が痛んでいたのを隠すためかも」「左脇の内臓を取り出すための切り込みが手荒」とか、むちゃくちゃ言われてました…。


ツタン様、フルボッコ。

いや本人のせいでは全然ないんですが。



あと墓が、いやにちっさいのは、実は神官アイ(ツタンカーメンの後を継いでファラオになる人)の墓だったからで、本当のツタンカーメンの墓はそのアイにとられちゃった話とか。

棺は、普通に作ると半年はかかるシロモノで、とても王の死から埋葬までに作れるものではないのだけれど、実はよーーく見ると足側の目立たないほうは掘りが適当。女神のネックレスが掘り込みではなく塗料の線で書かれていたり。模様の4人の女神たちにも実は秘密があって、描きかけて消した碑文を隠すために翼を広げているらしい。そりゃ近くでよく見ないとわかんないですな。

画像


副葬品についても、実は8割が別人のものの転用。
アクエンアテンやネフェルティティの副葬品が、かなりの数転用されているらしい。よーく見ると、修正し忘れた名前や、修正したけどうっすら透けて見えるもとも持ち主の碑文なんかがあるそうです。棺の蓋の1つが兄ちゃんのものの転用だという話は昔からありましたが、有名な黄金の狩りの像やアラバスタの内臓壷まで他人のものだとすると… 

今、世にツタン様の財宝として知られているもののほとんどは… 他人の… も(ry



まあ…
出てくる学者さんたちが、みんなして「大したことない無名の王の財宝がこれほどならば」「他人からかりることの出来なかった墓の壁画だけはツタンカーメン専用」とか言ってるのは事実なんだよな…

ツタンカーメンであれなら、ラムセス2世とかたぶん、時価総額にして今の国家予算くらいは副葬品があったと思うんだ。



******

さて、この番組で面白かったところ。
DELLのノートパソコンを駆使して墓の3D画像をいじってくれる素敵な叔父様博士いわく、

 「ツタンカーメン王墓は通路のつき方が当時の王墓の常識と違う」

ツタン様の墓はこうなんだけど

画像


通路を90度つけかえて、こうすると王家の墓のスタンダードに。

画像



通路から玄室まで直線なのが、第18王朝の王墓の条件なのか…。
言われてみると確かに他の王様の墓そんなかんじだなぁ。


あともう一つ

画像


エジプト帝国という文字が見える。

エジプトに「empire」使うんだ! 初めて見たかもしれない。
ちなみに緑色のところはヒッタイト帝国です。



***

そんなこんなで、この番組は、一言でいうと

 ツタン様の埋葬に科学的にダメ出しする番組

ですた。いやほんと本人のせいじゃ全然ないんだけど、あちこちに残るヤッツケ仕事の跡が次々と暴露されていくのを見て、ああエジプト人ってキッチリ仕事やってそうに見えてやっぱどっか適当なんだよなあ… と思ってしまった。
ミスしたら必死で隠せ。
石彫りなおせばきっとバレない。四千年くらいは。

この記事へのトラックバック