ボブ・バラッドと行くビザンチンの船探検 -黒海の海底では船が腐らない-

ナショジオで放映していた「黒海の幽霊」、Ghostゆーても地上に出る幽霊の話ではなくどっちかっていうと「幽霊船」のお話。ナビゲーターはBob Ballard博士、タイタニック号を発見した海洋考古学者の人。



こういう自分が全く知らないジャンルの話は、何も考えずに見られるので楽しい。
黒海というのは、水面下にほとんど生物の住まない無酸素層があり、硫化水素も混じっているため木材を処理する微生物なども居ないんだそうだ。

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無酸素層は水面下183mから海底まで広がっていて、ここには腐食生物は何も住んでいない…。
だから沈没船がとてもキレイに残っているんだと。
何も住まない暗い海底に突然あらわれる、全く形の崩れていない1500年前の船。昨日作られたかのような壷。確かにそれは幽霊船と呼ぶに相応しいのかもしれない。

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まあ、これってぶっちゃけ、古代船のサルベージにに興味があったらスポンサーになってお金だしてね(はあと)っていうCM番組なんだなぁと思いはしたんですが。(笑)
ビザンツ時代の船なのに、柱に刻まれた造船所のマークまで読み取れるっていうのはスゴいよなあ、と。個人的にはコンスタンチノープルに出稼ぎにいったヴァイキングの船とか発見してほしいなあ。現存するヴァイキング船ってほんと少ないんだ。それが完璧な姿で黒海の奥底から見つかったりしたら最高だよね。黒海にはその可能性がある。


ちなみに今回の番組で取り上げられていた船が見つかったのは、オデッサのあたり。黒海の北側に突き出した岬になっている部分だ。そこから直線でコンスタンチノープルに向かうと、最速で荷物を届けられたらしい。ただし黒海は気候が荒れることもあり、地中海同様、なかなか航海の難しい海であったと。


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番組でも言っていたが、「誰も本物を見たことが無い」「絵しか資料がない」ものが、立体として残っているというのは、すごい話なんだろうなあ。何しろ、万物は時とともに朽ちてゆく。修復すればもつかもしれないけど、直すたびにオリジナルからは少しずつ違っていってしまうわけだし。

…しかし、我々の毎日毎分吸い込んでいる「酸素」こそ、あらゆるものを朽ちさせる最大の敵だというのは、何とも皮肉な話だ。呼吸するたびに人は死に近づき、物質は1秒ごとに崩壊に近づいていくわけなんだから。

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