王家の谷以前の古代エジプトの王族の遺体まとめ

だいぶ前に「古代エジプトのファラオのミイラで最古のものってどれ?」という質問が来たことがあるので、ついでにまとめ。

首都がテーベ(現在のルクソール)に移動し、対岸に「王家の谷」という王族専用の墓地が作られる以前は、王族たちはピラミッドやマスタバと呼ばれる目立つ墓を各地に築いていた。王家の谷からは沢山のミイラが見つかっているが、それ以前のピラミッドやマスタバから発見された遺体については、あまり知られていない。―数が少ない&状態が悪い、からなのだが。

エジプトのミイラ作りの歴史は古く、ピラミッドなどの巨大モニュメントを作り始めるより前から遺体の保存を研究していたが、最初は石膏で固めるとか塩づけにしてみるとか、今からすると無茶な試行錯誤も多い。
というわけで、最初の頃のミイラは、盗掘されていなくても、保存技術の未熟さゆえかほとんど残っていない。まぁそれでも5000年も残れば十分すぎるだろうとは思う。


ちなみに、古代エジプト人にとっては、「魂が戻ってくるときに自分の体を見分けられる」ことが大切だったらしく、肉体が保存されても、顔もわからない状態になるのはNGだったようだ。万が一に備えて、自分の似姿の像を墓に収めるのも常套手段。お陰で、ミイラが生々しく生きた人間として認識されるという結果に…。

生身の肉体をもってこの世に復活することは出来なかったが、現代人の心の中に「再び生きる」という点においては、古代エジプト人の蘇りへの執念は成就されたといえる。


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・第三王朝 ジェセル王 -左足と金のサンダル(本人のものかどうかは不明)

防腐処理の痕跡はあるが、王のものかどうかは不明。

・第四王朝 スネフェル王 - 燃えたミイラの片足

王のものかは不明。

・第四王朝 クフ王の母 ヘテプヘレス王妃 - カノポス壷セット

・第五王朝 ウニス(ウナス)王 -右腕、頚骨、頭蓋骨の断片、肋骨数本

・第六王朝 テティ王 -片方の肩と腕一本

・第六王朝 テティ王の母 セシェシェト(シェシェティ)王妃 -頭蓋骨、足、骨盤の骨

・第六王朝 テティ王の王妃イプト ★ミイラ本体

・第六王朝 ペピ1世 - カノポス壷1つ(中身の内臓についての検証はなされていない)


というわけで、「現存する最古の王族のミイラ」の答えは、第六王朝の王妃イプト(1935-36年発見)ということになるのかなあ。写真とか見つからないので、どんな状態かわからんのだけども…。


メモ

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