映画「アデル ファラオと復活の秘薬」を見てきた。

公式こちら。
http://adele.asmik-ace.co.jp/

本を通販しようとして検索してたらでてきて、「おぉ今日が公開日じゃん」てなわけで本屋いくついでに映画館に寄って見てきた。前情報一切ナシ。完全にタイトルに釣られた。

映画館の入り口でようやくフランス映画だということを知り。
フランス映画ならハリウッドみたくアクション三昧ではずれたりしないだろう、と期待した、まさにその通りの出来。



 全編のうち8割がナンセンスギャグ

 1.5割が(フランス映画流の)エスプリ

 のこり0.5割がアクションとシリアス




フランス映画にハリウッドのような高予算のド派手なアクションや壮大な仕掛けなど期待してはいけない。濃い登場人物とテンポの速い掛け合い漫才、無駄にロマンチックなラブシーン(?)、バカバカしいことをやるときは全力でやれ。


 エッフェル塔でゴハン中に恐竜が襲ってきてもいいじゃない。
 ミイラにタキシード着せたっていいじゃない。
 テニスの剛速球で死にかけてもいいじゃない。


蘇ったミイラのギャグに、主人公が「そのギャグは古代エジプトなら面白かったかもしれないけど、20世紀には通用しないわね!」と切り返すところや、「セーヌ川にぶち込むわよ!」「ところでナイル川はどちらですか…」とか、一人で大爆笑っす。
いやあ客が少なくて本当にヨカタ。(←迷惑)

登場人物がみんなアクがあって、やたらとキャラが立ってる。実在の元ネタがいるんだろうな、と思わせる人物も何人かいるんだけど、元ネタがわからん… まあ最後おいしいところはエジプトの皆さんが全部持ってくんですが。
いちオシは、なぜかフランス語堪能で、燕尾服もバッチリ着こなすミイラ(ラメセス2世の部下らしい、ミイラのポーズは王族なんだが)… 極道くん漫遊記の外伝にこんな感じの陽気な死人いたよな、恋に落ちそうだぜフフフ。


ちなみにパリってコンコルド広場にオベリスクが建ってるんですよ。まさにラメセス2世のね。 オープニングがそのオベリスクから始まるのは、監督が分かってて狙ったんだと思う。だから、ミイラたちが「この広場はなかなかイイじゃん。ピラミッドでも建てたらいいのに。」と言ってるのは、分かってる地元民なら「そういうことかい! HAHAHA」って笑うとこだ多分。ちなみに、ルーブル美術館の入り口も ピラミッド型です。

「建物のセンスはいいね」って、そりゃパリジャン・パリジェンヌは昔からエジプト美術大好きで町中にオマージュした建物あるからな。
観光したあと、彼らちゃんと国に帰れたんかねえ。



こんな調子で、笑いどころは「ネタが分かったらより爆笑できる」つくりなんですが、問題は分かるかどうか。フランスの地元ネタやや多め。そして、ところどころに見える低予算ぶりに目をつぶれるか。やたらうっすいミイラの棺とか、えらいペラペラしたミイラの包帯とか、東急ハンズに売ってそうな古代文明の遺産シリーズとか出てくるけど、まぁそこらへんはアレだ。それも含めてのギャグだ。

ハリウッド映画のような分かりやすさはないので、ある意味、玄人むけ。派手なアクションはない。壊れるのはルーブルの天井と教授の家と、主人公の家の戸棚のガラスくらいかね…。




#四人も人が死んでるのに、最後までギャグ映画として通した
#二十人くらい生き返ってるからチャラ…?
#ミイラ的に「人は死んだり生き返ったりするものだから問題ない」らしい

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