トリノ・エジプト展でオシリス像破損。 オシリス「冠割れたら、プタハとキャラ被るんですけど…」

このニュースを見て真っ先に思ったことは

「オシリス様って頭のあの特徴的な帽子が破損したら、ミイラスタイルだしシルエットがプタハ神と被ってて間違われまくりそうだよね」

…でした。

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まぁでも冠なくなっても手に持ってるモノとかで判別できるんですけどね。マニアの人たちは。


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日本を巡回していたトリノ・エジプト展がようやく終幕。
で、おうちに帰ろうとしたところがオシリス様が転倒して、このざまだよ!!

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主催者によると、破損したのは紀元前1500年ごろに制作されたとされる石像「オシリス神をかたどった王の巨像頭部」(高さ149センチ、幅48センチ、奥行き60センチ)で、エジプト史を知る上での貴重な遺品とされている。顔面部分は無事だったが、冠部分が破損した。撤収を担当した「日本通運関東美術品支店」の作業員が、この石像を降ろす作業中、石像を乗せた昇降装置がバランスを崩して倒れ、破損したという。



オシリス様、頭の部分なげーからバランス悪いんだよね…。
あのイカみたいな部分がネックだったか、ネック(首)じゃなくてヘッドだけどなHAHAHA!


 … はい 流してください。



もともとこの頭部は完璧なものではなく、数個のパーツに割れていたのを修復でつないで戻しているものなので、そのつなぎ目が再度イカれたんじゃないかと思うんですが、ま、だとしても落っことして破損させちゃぁいけません。高い保険金をかけているとはいえ… 運送会社の責任は問われそうです。






で、今回はトリノ・エジプト博物館から美術品を借りているわけですが、以前 某オフで学芸員に聞いたところによると、美術品を貸してくれるかどうかは、借りる側の「格」とか「設備」とかが重要らしい。

格というのは、借りる側の所有品によるところがあるらしく、たとえば今回だと、トリノ美術館は美術品を貸したかわりに、次に自分とこで何か展示会をやるときに日本の美術館からお返しを借りられるだろうと期待するんだとか。借りたいと思えるいいものを沢山持ってる美術館・博物館ほど、よそからいいものを借りられる可能性が高いそうな。

なので、世界トップレベルの美術館・博物館から品物を借りてくるイベントは、東京の上野博物館などごく限られた場所でしか開催できないんだそうだ。弱小美術館は、交渉のネタすらないんだという話だった。



もうひとつの「設備」というのは、その美術館や博物館が湿度や温度を適切に管理できて専門の学芸員が十分な知識を持っていること、盗難防止策が十分にとられること、など。貸したものが、展示中にきちんと管理されて無事に戻ってくるかどうかの安心度なわけですが、そのランクづけみたいなものが各博物館・美術館にあるらしい。もちろん過去に開いた展示会などのイベントでの実績も含め。

いっぺん不手際で事故を起こしちゃうと、たぶんそのランクが下がるんじゃないかなあ。今回のことで、トリノ・エジプト博物館がもう日本に貸し出しをしなくなる、ということは無いと思うけど、静岡美術館に貸してくれなくなったりするのかもしれない。それか貸し出し内容がショボくなるとか、保険金が跳ね上がるとかあるのかもね。



なんにせよ、美術品は気をつけて運んで欲しいもの。
今回は、お優しいオシリス様なのであれですが、恐ろしいセクメト様の像を破損させたりなんかしようものならそれはもう、太陽の怒りで早明浦ダムが干上がって香川県民がうどんを茹でられず飢え死にしたりするくらい大変なことになるかもしれませんよ…?

#ローカルな災害である

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