征服者ウィリアムとその奥方 ~ノルマン人の感性がちょっと意味わかんない

わはは、よーやく追いついたぞウィリアーーーム!

と、いうわけでノルマン・コンクェスト参加中。
フランスからー ドーバー海峡こーえてー。イングラーンド征服おー。ぼっくらっは ヴァイキングの(自称)子孫…

フランスはノルマンディに定着したヴァイキングたち、とはいうものの、ヴァイキング行にでた北欧の人々は男性に限られたから、現地で妻を迎えて生まれた二世以降の子孫たちはほとんどヴァイキングと関係ない。数世代でフランス人の一部になってしまっていた。

そんな中、時のフランス王から領地を授かり定着した、初代ノルマンディー公ことヴァイキング出身のロロの子孫に当たる「庶子王」ウィリアム(ギヨーム)さんが今回の主役。ノルマン地方からイングランド制服に出かけて、見事イングランド王として戴冠する方である。

父ロベールは愛人との間にウィリアムをもうけ、ほかに息子を残さずに聖地巡礼の途中で客死してしまったらしい。なので一般市民の息子だけどウィリアムさんが後を継いだ。庶子だけど行動力のある人だったらしく、時代が味方したこともありノルマン地方の平定成功。さらにイングランドへと勢力を拡大していくことになる。


問題は、そんなウィリアムさんの求婚のエピソードが どう考えてもおかしい ということで…。




前述したとおり、母親は一般人だったウィリアムさん。
勢力拡大のため有力者の娘に求婚するのだか、相手は、ウィリアムが庶出であることを理由に最初は嫌がる。
そこでウィリアムさんがとった行動とは。


まず、かんじんの相手であるマティルドがいやがった。なめし皮職人の娘の息子で庶子である人物に嫁ぐぐらいなら、修道女になるというのである。これに対して、ウィリアムは実力行使あるのみとばかり、馬にまたがり全速力でフランドル伯の城に向かった。そこで、ウィリアムはマティルドをひっつかみ、部屋中をひきずりまわし足蹴にした。そして、あっけにとられているマティルドを後に残し、風のように立ち去った。




婚前DV????

しかもである。
このあとマティルドは、なぜかウィリアムとの結婚に承諾、政略結婚あたりまえの時代において珍しいラブラブ夫婦になってしまうのである。


  わけが… わからないよ…。


一体何がどうしたら、蹴り倒されて結婚する気になるんですか。
ていうかフランドル伯の城はどんだけ手薄ですか。ウィリアムさん単騎で乗り込んで来てるの誰も止めないんですか。
このあとマティルドさんは何故か結婚にノリ気になったのみならず、周囲は反対してるの押し切ってまで結婚に応じることになるので暴力振るった花婿が相当お気にめしたらしい…。

可能性としては

・実は暴力ふるったというのは後世のつくり話で、実際は熱烈に口説いていた
・結婚を断っていた時はウィリアムに会ったことがなかったが、実際に会ってみると「アラいい男…v」だったので惚れた
・マティルドがドMだった


…どれだろう。
なんとなく全部の合わせ技のような気がする。(笑)



そんな奥方マティルドが自ら針をとって作ったと言われているのが、ノルマン・コンクェスト成功を記念する、有名な「バイユー・タペストリ」。蹴倒されながらも夫と30年以上に渡り生涯を共にした彼女は9人の子供をもうけ、夫ウィリアムは生涯にただひとりの妻しかもたなかったという。

幸せだったみたいだから外野は何も文句は言えませんが、しかしあれだ、ノルマン人の恋愛感性がよく判らない…。



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ウィリアム<ボクと契約して、イングランド王妃になってよ!

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