エジプト・タニスで新たに17基のピラミッドを発見→ザヒ・ハワス博士「飛ばし記事書くなBBC」
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こちらが更新版。現在の公式なピラミッドカウントは118基となっております。
エジプト ピラミッドリスト
http://www.moonover.jp/bekkan/mania/pira.htm
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エジプトの下流、タニス(エジプト後期の首都)にて、新たにピラミッド17基が見つかったというニュースが流れました。発見者はアメリカのエジプト学者のサラ・パーカク(Sarah Parcak)博士。
Egyptian pyramids found by infra-red satellite images
http://www.bbc.co.uk/news/world-13522957
これについて、何となくいつもと違うなぁと思っていたんですよ。。
いつもなら、ピラミッドであることが「確定」してから、ピラミッドの写真などと一緒に公開するはず。(シェシェティ王妃のピラミッドの時はそうでした)
で、辞職すると言いつつ結局は復職したザヒ・ハワス博士が出てこないのも妙に思っていました。
エジプト関連の発見があった時の報道にやたらとザヒ博士が出てくるので、「鬱陶しい」「手柄の横取りではないのか」と思っている人もいると思うんです。たしかにちょっと出しゃばり過ぎに見える時もあるわけですが、理由は、発見情報をまずエジプトの考古学庁がチェックして、確定してから全世界に流す許可を出す、という手順が踏まれていたから。
これには、過去になんども発生している、メディアの暴走による誤情報の発信を防止するという意味があると思われます。
たとえばツタンカーメンの発見の時など、発見者が勝手にロンドン・タイムズと独占契約を結んでしまい、地元エジプトに一切ニュースが流れなかったり、何か発見されるたびに世界中のマスメディアが押し寄せて情報合戦になったり、果ては情報を流してもらえなかったメディアが勝手に事実とは違う記事を捏造し始めたりといった無茶苦茶な状態になってしまいました。(その結果、現在まで「ツタンカーメンの呪いで死んだ人がいる」という誤解が残ることに…)
今回も、ピラミッドらしき遺構と集落が見つかった段階で、まだ何も確定はしていない状態なので、本来は情報はまだ流されるべきではなかった…ということのようです。
お怒りのザヒ・ハワス博士からのメッセージ。
The BBC Satellite Project
http://www.drhawass.com/blog/bbc-satellite-project
まだ発見された遺構はピラミッドかどうかはっきりしてないんだから、掘ってみるまで待てよ! ということと、BBCは「過去20年、新しいピラミッドは発見されていない」と言ったけど、実際はクフ王のピラミッド付近のちっこいのと、ついこの前のシェシェティ王妃のピラミッド発見の件があるやんけ。と仰ってます。
ピラミッドじゃなくてベンベン(太陽信仰のための柱のようなもの。基盤部分はピラミッドによく似ている)の可能性もあるもんなあ、確かに。
※ちなみに、上記の記事中の写真はシェシェティ王妃のピラミッドで、今回のものではありません。
と、いうわけで、ウチとしてはピラミッドと確定してから改めてピラミッドカウントに加える方針でいこうと思います。
現時点でのカウントは118。
先走りすぎてしまったBBC、果たして見つかったものは本当にピラミッドだったのか…? 今後、続報を待て!
******
ちなみに、衛星から古代の遺構を探す試みはそう新しいものではなく、昔からあった手法でして。*
現在では、一般公開されているグーグルアースの画像だけで知られざる隕石落下跡を捜すクレーターハンターなるものがいたりして、数年前には実際にエジプト南部に隕石落下跡が新たに発見されたこともあります。
https://55096962.seesaa.net/article/201007article_26.html
* かつては早稲田の元教授とかが「ハイテク考古学がどーたら」とか言ってたくらい。その見つけたものって地上から存在が確認されていたものだk(ry
日干しレンガで家を作ってるから見つけやすいと記事には書かれていますが、エジプトの場合、町や村がだいたいナイル川の周辺にあって、遺跡のある場所が川から少し離れていることや、基本砂地なので下にうもれている遺跡の痕跡が上から確認しやすいことなんかも挙げられるのではないかと思います。ちなみにピラミッドの見つけ方は「きれいな正方形の底面」。長方形ならマスタバ墓。(ただし、下図のようにピラミッドに酷似していながら異なる構造の建造物も存在します。過去レプシウスという学者さんがピラミッドをカウントした時には、誤ってこれもカウントに入れてしまっていました。)
***
なお、このニュースについて、 「考古学はアームチェアに座ったまま発見ができるようになった」などということを言っている人もいましたが、 そんなわけがねぇ です。衛星から判別できる遺構はあくまで「見た目」であり、遺跡のある可能性の高い場所に過ぎません。現物を見たことがない人に、遺構と近代の人工物の区別はつけられません。見つかったものがピラミッドかマスタバか、はたまたローマ時代の駐屯基地かサラディンの要塞か、素人には分かりません。専門家であっても、現地にいかなければ、それが何なのかを確定することは出来ません。(今回も「試しに掘ってみて2基は多分ピラミッドだろうと分かった」となってます)
過信は禁物。
確かに衛星から土中の構造体を見つけられる技術はすごいのですが、情報を処理するのは「あくまで人間」であることは忘れないで欲しいです。
#データは変化しませんが
#受け取る人間が変われば解釈が180度異なることもあり得るということ
#また人間がデータ処理する以上、必ずエラーは起こります。
こちらが更新版。現在の公式なピラミッドカウントは118基となっております。
エジプト ピラミッドリスト
http://www.moonover.jp/bekkan/mania/pira.htm
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エジプトの下流、タニス(エジプト後期の首都)にて、新たにピラミッド17基が見つかったというニュースが流れました。発見者はアメリカのエジプト学者のサラ・パーカク(Sarah Parcak)博士。
Egyptian pyramids found by infra-red satellite images
http://www.bbc.co.uk/news/world-13522957
これについて、何となくいつもと違うなぁと思っていたんですよ。。
いつもなら、ピラミッドであることが「確定」してから、ピラミッドの写真などと一緒に公開するはず。(シェシェティ王妃のピラミッドの時はそうでした)
で、辞職すると言いつつ結局は復職したザヒ・ハワス博士が出てこないのも妙に思っていました。
エジプト関連の発見があった時の報道にやたらとザヒ博士が出てくるので、「鬱陶しい」「手柄の横取りではないのか」と思っている人もいると思うんです。たしかにちょっと出しゃばり過ぎに見える時もあるわけですが、理由は、発見情報をまずエジプトの考古学庁がチェックして、確定してから全世界に流す許可を出す、という手順が踏まれていたから。
これには、過去になんども発生している、メディアの暴走による誤情報の発信を防止するという意味があると思われます。
たとえばツタンカーメンの発見の時など、発見者が勝手にロンドン・タイムズと独占契約を結んでしまい、地元エジプトに一切ニュースが流れなかったり、何か発見されるたびに世界中のマスメディアが押し寄せて情報合戦になったり、果ては情報を流してもらえなかったメディアが勝手に事実とは違う記事を捏造し始めたりといった無茶苦茶な状態になってしまいました。(その結果、現在まで「ツタンカーメンの呪いで死んだ人がいる」という誤解が残ることに…)
今回も、ピラミッドらしき遺構と集落が見つかった段階で、まだ何も確定はしていない状態なので、本来は情報はまだ流されるべきではなかった…ということのようです。
お怒りのザヒ・ハワス博士からのメッセージ。
The BBC Satellite Project
http://www.drhawass.com/blog/bbc-satellite-project
まだ発見された遺構はピラミッドかどうかはっきりしてないんだから、掘ってみるまで待てよ! ということと、BBCは「過去20年、新しいピラミッドは発見されていない」と言ったけど、実際はクフ王のピラミッド付近のちっこいのと、ついこの前のシェシェティ王妃のピラミッド発見の件があるやんけ。と仰ってます。
ピラミッドじゃなくてベンベン(太陽信仰のための柱のようなもの。基盤部分はピラミッドによく似ている)の可能性もあるもんなあ、確かに。
※ちなみに、上記の記事中の写真はシェシェティ王妃のピラミッドで、今回のものではありません。
と、いうわけで、ウチとしてはピラミッドと確定してから改めてピラミッドカウントに加える方針でいこうと思います。
現時点でのカウントは118。
先走りすぎてしまったBBC、果たして見つかったものは本当にピラミッドだったのか…? 今後、続報を待て!
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ちなみに、衛星から古代の遺構を探す試みはそう新しいものではなく、昔からあった手法でして。*
現在では、一般公開されているグーグルアースの画像だけで知られざる隕石落下跡を捜すクレーターハンターなるものがいたりして、数年前には実際にエジプト南部に隕石落下跡が新たに発見されたこともあります。
https://55096962.seesaa.net/article/201007article_26.html
* かつては早稲田の元教授とかが「ハイテク考古学がどーたら」とか言ってたくらい。その見つけたものって地上から存在が確認されていたものだk(ry
日干しレンガで家を作ってるから見つけやすいと記事には書かれていますが、エジプトの場合、町や村がだいたいナイル川の周辺にあって、遺跡のある場所が川から少し離れていることや、基本砂地なので下にうもれている遺跡の痕跡が上から確認しやすいことなんかも挙げられるのではないかと思います。ちなみにピラミッドの見つけ方は「きれいな正方形の底面」。長方形ならマスタバ墓。(ただし、下図のようにピラミッドに酷似していながら異なる構造の建造物も存在します。過去レプシウスという学者さんがピラミッドをカウントした時には、誤ってこれもカウントに入れてしまっていました。)
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なお、このニュースについて、 「考古学はアームチェアに座ったまま発見ができるようになった」などということを言っている人もいましたが、 そんなわけがねぇ です。衛星から判別できる遺構はあくまで「見た目」であり、遺跡のある可能性の高い場所に過ぎません。現物を見たことがない人に、遺構と近代の人工物の区別はつけられません。見つかったものがピラミッドかマスタバか、はたまたローマ時代の駐屯基地かサラディンの要塞か、素人には分かりません。専門家であっても、現地にいかなければ、それが何なのかを確定することは出来ません。(今回も「試しに掘ってみて2基は多分ピラミッドだろうと分かった」となってます)
過信は禁物。
確かに衛星から土中の構造体を見つけられる技術はすごいのですが、情報を処理するのは「あくまで人間」であることは忘れないで欲しいです。
#データは変化しませんが
#受け取る人間が変われば解釈が180度異なることもあり得るということ
#また人間がデータ処理する以上、必ずエラーは起こります。