古代エジプト人は円周率を知っていたか
たまに、古代エジプトの建築に円周率を使って計算したような痕跡があることがミステリー扱いされていることがあるのですが、いやふつーに円周率使った計算って古代エジプトにあるんですけど。っていうお話。
うーん…
きっと、当たる資料を間違えていたか、単純に見落としたか、なんか勘違いでしょう。(^^;
結論から言うと、古代エジプト人は
それが円周率というものだとは思ってなかったけど
円周率に近い数字を使ってました。
ギリシャの数学でいうところの「パイ」のような抽象的な概念は無かったのですが、 土地管理台帳に記録するのとか、土地の面積に応じて税を徴収するために円形の土地の面積を求めなくてはならない… という実利的な理由から、結果として近い概念を編み出しています。
「リンド数字パピルス」という算数教科書的なパピルスが見つかっているのですが、その中に、円形の土地の面積を求める問題があります。それがこちら、問題50。
上の段はパピルスに書かれているそのまま、下の段は筆記文字をヒエログリフに直したもの。(書記が紙に描くときには、ヒエログリフを崩した筆記体で書きます。そこから現在も使われているコプト文字が派生していくので、パっと見はよく似ている)
この問題は何を言っているかというと。
こんな感じで回答の計算式まで書いています。「ケト」は長さの単位、「セチャト」は面積の単位なので、現代でいうと。それぞれ「m」、「㎡」みたいなもの。 →古代エジプトの単位についての詳細
これだけだと意味が分からないと思いますが、やろうとしていることは、円の面積を求めるのに、直径から1/9を引いて二乗するという計算方法。
騙されたと思って、いっぺん試してみましょうか。
現代の方程式では、円の面積は 半径の二乗 × 円周率。ここでは、円周率は3.14と仮定します。
[例題1]
直径5mの円の面積を求めよ。
現代方程式
( 5 ÷ 2 )の二乗 × 3.14 = 19.625
古代エジプトの方程式
( 5 × 8/9 )の二乗 = 19.753086....
[例題2]
直径10mの円の面積を求めよ。
現代の方程式
( 10 ÷ 2 )の二乗 × 3.14 = 78.5
( 10 × 8/9 )の二乗 = 79.012345....
これが意外と正確なんですよね。
この計算式から導きだすに、 古代エジプト人の想定していた「円周率」は3.16(に近い数字)でした。
※古代エジプト人は小数点を使っておらず、割り切れない数はすべて分数で表現します
ただ、円周率という概念を知っていたわけではなく、パイを使った抽象的な計算が成された証拠はありません。古代エジプト人は、概念的な「数学」よりも、必要に迫られた実用的な計算に興味があったようです。この3.16という数字も、円の面積を出そうとして試行錯誤した結果として、近いものに辿りついたもののようです。ただし、応用として、円筒や円錐の計算もあり、原始的な計算方法を使いながらも、正確さでは驚くべき水準に達していたと言えます。
そんなわけで、古代エジプトの建築に円周率が使われていることが証明されたとしても意外なことでも何でもないです。
「とても信じがたい」ことが、もう一つある。円周率パイの使用だ。円周率パイの数値は、紀元前3世紀にギリシャ人が発見するまで、どの文明にとっても未知のものだったはずだ。
ーグラハム・ハンコック/ロバート・ヴォーバル「創世の守護神」
うーん…
きっと、当たる資料を間違えていたか、単純に見落としたか、なんか勘違いでしょう。(^^;
結論から言うと、古代エジプト人は
それが円周率というものだとは思ってなかったけど
円周率に近い数字を使ってました。
ギリシャの数学でいうところの「パイ」のような抽象的な概念は無かったのですが、 土地管理台帳に記録するのとか、土地の面積に応じて税を徴収するために円形の土地の面積を求めなくてはならない… という実利的な理由から、結果として近い概念を編み出しています。
「リンド数字パピルス」という算数教科書的なパピルスが見つかっているのですが、その中に、円形の土地の面積を求める問題があります。それがこちら、問題50。
上の段はパピルスに書かれているそのまま、下の段は筆記文字をヒエログリフに直したもの。(書記が紙に描くときには、ヒエログリフを崩した筆記体で書きます。そこから現在も使われているコプト文字が派生していくので、パっと見はよく似ている)
この問題は何を言っているかというと。
直径9ケトの丸い土地の面積を計算する問題。それは土地の単位でいくらか。
(回答として)
汝は9から、その1/9である1を引くことになる。残りは8である。汝は8を8倍する計算をすることになる。それは64になる。すなわち64セチャトである。
こんな感じで回答の計算式まで書いています。「ケト」は長さの単位、「セチャト」は面積の単位なので、現代でいうと。それぞれ「m」、「㎡」みたいなもの。 →古代エジプトの単位についての詳細
これだけだと意味が分からないと思いますが、やろうとしていることは、円の面積を求めるのに、直径から1/9を引いて二乗するという計算方法。
古代エジプトの方程式
円の面積 = { 直径 × 8/9 } の二乗
騙されたと思って、いっぺん試してみましょうか。
現代の方程式では、円の面積は 半径の二乗 × 円周率。ここでは、円周率は3.14と仮定します。
[例題1]
直径5mの円の面積を求めよ。
現代方程式
( 5 ÷ 2 )の二乗 × 3.14 = 19.625
古代エジプトの方程式
( 5 × 8/9 )の二乗 = 19.753086....
[例題2]
直径10mの円の面積を求めよ。
現代の方程式
( 10 ÷ 2 )の二乗 × 3.14 = 78.5
( 10 × 8/9 )の二乗 = 79.012345....
これが意外と正確なんですよね。
この計算式から導きだすに、 古代エジプト人の想定していた「円周率」は3.16(に近い数字)でした。
※古代エジプト人は小数点を使っておらず、割り切れない数はすべて分数で表現します
ただ、円周率という概念を知っていたわけではなく、パイを使った抽象的な計算が成された証拠はありません。古代エジプト人は、概念的な「数学」よりも、必要に迫られた実用的な計算に興味があったようです。この3.16という数字も、円の面積を出そうとして試行錯誤した結果として、近いものに辿りついたもののようです。ただし、応用として、円筒や円錐の計算もあり、原始的な計算方法を使いながらも、正確さでは驚くべき水準に達していたと言えます。
そんなわけで、古代エジプトの建築に円周率が使われていることが証明されたとしても意外なことでも何でもないです。
