タイタニック沈没とミイラの呪い伝説 その真相
どこからともなく、「タイタニック号はミイラの呪いで沈んだ」という都市伝説が流れてきた。
そんな話を昔どこかで聞いた覚えがある。
都市伝説らしく細部のバリエーションは色々あるのだが、いわく大英博物館からニューヨークのメトロポリタン美術館へと送られる予定だったミイラがタイタニックに積まれており、その呪いで船は沈んでしまったのだと。
この伝説に登場するミイラは、エジプトのルクソールで、とあるイギリス人探検家が購入したアメン・ラー神の巫女のものだという。購入したイギリス人たちのグループには様々な災難が降りかかり、イギリスに運ばれ大英博物館に収められて以降も警備員の死など不幸を引き起こし、結局ニューヨークへ売り飛ばされるハメになったのだとか。
――しかし、タイタニック号には ミイラという積荷はなかった。
これは記録上、はっきりしている事実であり、ゆえに伝説には「ミイラを正規のルートで送れなかったバイヤーが、船に積んだ車のトランクに隠していた。」という最もらしい尾ひれがつけられている。車といえば、ディカプリオ出演の「タイタニック」でディカプリオ演じるイケメンとヒロインのローズがイチャイチャしていたあの車を思い出すわけだが、もしあの車の中に本当にミイラがあったら、思わず リア充爆発しろ と本気で呪ったとしても誰も責められまい。
もっとも、車のトランクであれ、ミイラがニューヨークへ送られたという事実はない。
この伝説は、実は前半と後半が別々の物語なのである。
イギリスの探検家がエジプトで購入したという、通称「不幸のミイラ」(実際は蓋だけ)は、現在も大英博物館にあり、アメリカに送られたことは一度もないのがわかっている。モノとしては現在も展示されており、21-22王朝(末期王朝)の頃のものだという。
コレ↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Unlucky_Mummy
このミイラ(というか、ミイラボードというミイラの上に載せる木の蓋)にまつわる、所有者たちの不幸の伝説がどこまで真実かは今となっては謎だ。イギリス人はどうも、妖精さんを見ちゃうノリで古代エジプトのミイラといえば呪い! と、条件反射的な反応をしている気がしなくもない。
では、なぜアメリカに送られたという説が生まれたのか?
それはタイタニック号の乗客にイギリスのジャーナリストでオカルト好きな William Thomas Stead という人物がいて、船が沈没する前に他の乗客たちにこの「不幸のミイラ」の話を面白おかしく語ったうえに、船にミイラが乗っていることをほのめかしたからだとされる。
言ってみれば長い船旅の間の暇つぶしのゴシップ談義。修学旅行の夜にやる怖い話みたいなもんなのだが、本当に船が沈んでしまったとあっては話は別。実際は船にミイラは乗っておらず、Steadが客たちを怖がらせるために仄めかしただけだった「不幸のミイラがこの船に乗っているんですよ」という話は、生き残った乗客たちによって語られ宣伝され、その後、現在まで伝わる壮大な呪いの物語へと成長してしまったというわけ。
まとめると、前半の、「エジプトで購入されたミイラが大英博物館に送られた」までは事実、後半の「そのミイラがタイタニック号でニューヨークへ送られた」は全くの嘘、ということになる。
尚、問題の「不幸のミイラ」は、わりと簡単に大英博物館のサイトで見ることが出来る。
http://www.britishmuseum.org/research/search_the_collection_database/search_object_details.aspx?objectid=117233&partid=1
何が不幸かって、静かに寝てたのに掘り起こされて売り飛ばされてイギリスなんぞという遠方に送られて、わけわからんまま「オマエのせいで人しんでんねんで!」とか言われちゃった、この棺の持ち主が一番不幸だと思うんだ・・・。
そんな話を昔どこかで聞いた覚えがある。
都市伝説らしく細部のバリエーションは色々あるのだが、いわく大英博物館からニューヨークのメトロポリタン美術館へと送られる予定だったミイラがタイタニックに積まれており、その呪いで船は沈んでしまったのだと。
この伝説に登場するミイラは、エジプトのルクソールで、とあるイギリス人探検家が購入したアメン・ラー神の巫女のものだという。購入したイギリス人たちのグループには様々な災難が降りかかり、イギリスに運ばれ大英博物館に収められて以降も警備員の死など不幸を引き起こし、結局ニューヨークへ売り飛ばされるハメになったのだとか。
――しかし、タイタニック号には ミイラという積荷はなかった。
これは記録上、はっきりしている事実であり、ゆえに伝説には「ミイラを正規のルートで送れなかったバイヤーが、船に積んだ車のトランクに隠していた。」という最もらしい尾ひれがつけられている。車といえば、ディカプリオ出演の「タイタニック」でディカプリオ演じるイケメンとヒロインのローズがイチャイチャしていたあの車を思い出すわけだが、もしあの車の中に本当にミイラがあったら、思わず リア充爆発しろ と本気で呪ったとしても誰も責められまい。
もっとも、車のトランクであれ、ミイラがニューヨークへ送られたという事実はない。
この伝説は、実は前半と後半が別々の物語なのである。
イギリスの探検家がエジプトで購入したという、通称「不幸のミイラ」(実際は蓋だけ)は、現在も大英博物館にあり、アメリカに送られたことは一度もないのがわかっている。モノとしては現在も展示されており、21-22王朝(末期王朝)の頃のものだという。
コレ↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Unlucky_Mummy
このミイラ(というか、ミイラボードというミイラの上に載せる木の蓋)にまつわる、所有者たちの不幸の伝説がどこまで真実かは今となっては謎だ。イギリス人はどうも、妖精さんを見ちゃうノリで古代エジプトのミイラといえば呪い! と、条件反射的な反応をしている気がしなくもない。
では、なぜアメリカに送られたという説が生まれたのか?
それはタイタニック号の乗客にイギリスのジャーナリストでオカルト好きな William Thomas Stead という人物がいて、船が沈没する前に他の乗客たちにこの「不幸のミイラ」の話を面白おかしく語ったうえに、船にミイラが乗っていることをほのめかしたからだとされる。
言ってみれば長い船旅の間の暇つぶしのゴシップ談義。修学旅行の夜にやる怖い話みたいなもんなのだが、本当に船が沈んでしまったとあっては話は別。実際は船にミイラは乗っておらず、Steadが客たちを怖がらせるために仄めかしただけだった「不幸のミイラがこの船に乗っているんですよ」という話は、生き残った乗客たちによって語られ宣伝され、その後、現在まで伝わる壮大な呪いの物語へと成長してしまったというわけ。
まとめると、前半の、「エジプトで購入されたミイラが大英博物館に送られた」までは事実、後半の「そのミイラがタイタニック号でニューヨークへ送られた」は全くの嘘、ということになる。
尚、問題の「不幸のミイラ」は、わりと簡単に大英博物館のサイトで見ることが出来る。
http://www.britishmuseum.org/research/search_the_collection_database/search_object_details.aspx?objectid=117233&partid=1
何が不幸かって、静かに寝てたのに掘り起こされて売り飛ばされてイギリスなんぞという遠方に送られて、わけわからんまま「オマエのせいで人しんでんねんで!」とか言われちゃった、この棺の持ち主が一番不幸だと思うんだ・・・。