古代エジプト人の諸記録:アブシール文書 「神殿の財政が赤字でございますファラオ様…」
アブシール文書、というものがある。
概要などは、とりあえずルーブル美術館の日本語ページを見れ。
http://www.louvre.fr/llv/oeuvres/detail_notice_popup.jsp?CONTENT%3C%3Ecnt_id=10134198673225534&CURRENT_LLV_NOTICE%3C%3Ecnt_id=10134198673225534&FOLDER%3C%3Efolder_id=9852723696500775&bmLocale=ja_JP
エジプトの遺跡の中で、ピラミッドや神殿ではなく「葬祭殿」という言葉が出てくることがある。「ハトシェプスト女王葬祭殿」とか。
葬祭殿は、墓ではなく、神をまつる神殿でもない。神格化された、死後にオシリス神と合体して「仏様」になった高貴な故人を祀るための施設で、墓に付随して作られ、そこでは故人をまつる儀式が定期的に行われていた。ちなみに、墓として使われていたピラミッドにも必ず「葬祭殿」がくっついている。(用途が墓ではなかったと考えられるピラミッドにはついていない。)
このパピルス文書は、その「葬祭殿」の書庫から発見されたもので、発見者(盗掘者)がバラバラにして売りさばいたため世界中の美術館、博物館が断片を所有する面倒くさいことになってしまっていた。上記のルーブルのサイトで「作品データ 」の欄に何行も書かれているのは、そのためだ。
そのような事情から、貴重なものにもかかわらず発見から何十年も経つまで全貌が明らかになっていなかったのだが、近年になってようやく、世界中に散らばったジグソーパズルの断片が繋ぎ合わされた。ちなみに現在の断片は、ロンドン、カイロ、ベルリン、パリにあるようだ。
さてこのパピルス、書かれたのは第五王朝のジェドカラー・イセシ王の時代らしい。
ギザの大ピラミッドを造らせたクフ王なんかより少し後の時代の王様だが、まだばりばりピラミッドなんか建てている頃。
内容は、
・神殿の勤務表
・備品目録
・会計文書
と、なっており、何千年も前に書かれたにしちゃ異様に細かい。
ていうか、そのくらい管理されていなければピラミッドなんて作れねーよってことなんだろうか。
勤務表部分は、1ヶ月単位のシフト表になっており、朝夕の神殿のルーチンワークに当てられた人物名が並んでいる。シフトには通常時と、祭礼のある日の特別シフトがあり、さらに、神像に直接奉仕するような高度な作業、神殿の門番や見回りのような警備業務などに別れている。細かく見ていくと、当時の神官のお仕事の内容がよくわかる。
備品目録部分はあまり面白くはないが、神殿の資産としてどんなものがあったのか内容が分かる。
古代エジプトには通貨はないので、資産は家畜や酒、穀物、そして金や宝石でできた装身具などになる。
会計文書は、それら神殿の財産の出納状況を表したもので、赤と黒のインクを使って書かれているのだが、これがまた見た目が現代の出納帳に似ていてなかなか笑える。(最近の会社はどこもExcel使ってるだろうが…昭和的な出納帳の意味で)
差し引き赤字になった場合は、本当に赤インクでその量を書いてあったりする。古代人も「赤字」という言葉を使ったのかどうか…。とても気になる非常に気になる。
このパピルス文書を見る限り、支給品の出納はわりと適当だったようで、納入が遅れているのはザラ。
個人への給与支給らしき内容も書かれているが、給料が遅れたら暴動になると思うんだがそのへんは大丈夫だったのか。エジプト人伝統の「計算ミス」も健在で、見ていて心配になってくる(笑
ジェドカラー・イセシ王が即位したのがだいたい紀元前2400年頃で、残っているのはその前後何十年かの記録とされているから、今から4500年近く前のものなのだが、そんな時代に現代の経理職や人事職みたいなことをチマチマやってた人がいるのだ。文書が残ってるのもすごいが、書いてある内容も生々しくて面白い。
やることがイイ加減なイメージの強いエジプトさんだが、計算ミスとか納品遅れとかは確かにいい加減なのだが、4500年も前に簿記が成立していて、実際に運用されていたっていうのは、凄いよね。
概要などは、とりあえずルーブル美術館の日本語ページを見れ。
http://www.louvre.fr/llv/oeuvres/detail_notice_popup.jsp?CONTENT%3C%3Ecnt_id=10134198673225534&CURRENT_LLV_NOTICE%3C%3Ecnt_id=10134198673225534&FOLDER%3C%3Efolder_id=9852723696500775&bmLocale=ja_JP
エジプトの遺跡の中で、ピラミッドや神殿ではなく「葬祭殿」という言葉が出てくることがある。「ハトシェプスト女王葬祭殿」とか。
葬祭殿は、墓ではなく、神をまつる神殿でもない。神格化された、死後にオシリス神と合体して「仏様」になった高貴な故人を祀るための施設で、墓に付随して作られ、そこでは故人をまつる儀式が定期的に行われていた。ちなみに、墓として使われていたピラミッドにも必ず「葬祭殿」がくっついている。(用途が墓ではなかったと考えられるピラミッドにはついていない。)
このパピルス文書は、その「葬祭殿」の書庫から発見されたもので、発見者(盗掘者)がバラバラにして売りさばいたため世界中の美術館、博物館が断片を所有する面倒くさいことになってしまっていた。上記のルーブルのサイトで「作品データ 」の欄に何行も書かれているのは、そのためだ。
そのような事情から、貴重なものにもかかわらず発見から何十年も経つまで全貌が明らかになっていなかったのだが、近年になってようやく、世界中に散らばったジグソーパズルの断片が繋ぎ合わされた。ちなみに現在の断片は、ロンドン、カイロ、ベルリン、パリにあるようだ。
さてこのパピルス、書かれたのは第五王朝のジェドカラー・イセシ王の時代らしい。
ギザの大ピラミッドを造らせたクフ王なんかより少し後の時代の王様だが、まだばりばりピラミッドなんか建てている頃。
内容は、
・神殿の勤務表
・備品目録
・会計文書
と、なっており、何千年も前に書かれたにしちゃ異様に細かい。
ていうか、そのくらい管理されていなければピラミッドなんて作れねーよってことなんだろうか。
勤務表部分は、1ヶ月単位のシフト表になっており、朝夕の神殿のルーチンワークに当てられた人物名が並んでいる。シフトには通常時と、祭礼のある日の特別シフトがあり、さらに、神像に直接奉仕するような高度な作業、神殿の門番や見回りのような警備業務などに別れている。細かく見ていくと、当時の神官のお仕事の内容がよくわかる。
備品目録部分はあまり面白くはないが、神殿の資産としてどんなものがあったのか内容が分かる。
古代エジプトには通貨はないので、資産は家畜や酒、穀物、そして金や宝石でできた装身具などになる。
会計文書は、それら神殿の財産の出納状況を表したもので、赤と黒のインクを使って書かれているのだが、これがまた見た目が現代の出納帳に似ていてなかなか笑える。(最近の会社はどこもExcel使ってるだろうが…昭和的な出納帳の意味で)
差し引き赤字になった場合は、本当に赤インクでその量を書いてあったりする。古代人も「赤字」という言葉を使ったのかどうか…。とても気になる非常に気になる。
このパピルス文書を見る限り、支給品の出納はわりと適当だったようで、納入が遅れているのはザラ。
個人への給与支給らしき内容も書かれているが、給料が遅れたら暴動になると思うんだがそのへんは大丈夫だったのか。エジプト人伝統の「計算ミス」も健在で、見ていて心配になってくる(笑
ジェドカラー・イセシ王が即位したのがだいたい紀元前2400年頃で、残っているのはその前後何十年かの記録とされているから、今から4500年近く前のものなのだが、そんな時代に現代の経理職や人事職みたいなことをチマチマやってた人がいるのだ。文書が残ってるのもすごいが、書いてある内容も生々しくて面白い。
やることがイイ加減なイメージの強いエジプトさんだが、計算ミスとか納品遅れとかは確かにいい加減なのだが、4500年も前に簿記が成立していて、実際に運用されていたっていうのは、凄いよね。