砂漠の中;エジプト初期王朝の記憶

ナショジオニュースにこんなのが上がっていた。

狩猟の様子、エジプトで再発見の岩絵
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012113002&expand#title

古代の囚人、エジプトで再発見の岩絵
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012113003&expand#title

地名の「Nag el-Hamdulab」あたりで検索すれば、もっといろんな岩絵が出てくるんで、それは各自見てみてねってことで。

例)こんなんとか
http://www.archeolog-home.com/pages/content/nag-el-hamdulab-egypte-the-first-ever-ancient-egyptian-epigraphy.html

画像



◆基本事項◆

エジプトは北アフリカです。



エジプト文明っていうと、なんかこう黄金とかピラミッドとかファラオとか神殿とかのイメージが大きいと思いますが、エジプトはアフリカです。「岩絵? なんかアフリカっぽーい」「ラスコーの洞窟絵とか、むかし歴史の授業で習ったよねー」 うん、それで正解なんだ。人類は類人猿の時代はアフリカで暮らしてて、そこから旅立って世界中に散らばっていったんだ。だからアフリカの北の端であるエジプトに、類人猿チックな岩絵があるのは当然のこと。

サハラ砂漠は昔は緑があって動物も住んでたんで、人もそこに暮らしていた。
今は砂漠になってしまってるので、エジプトに人が住みだした初期のころの壁画は砂漠の只中にポツンと取り残されてしまうことになった。
というわけ。

人がやがて文明を築いていくにあたり、岩絵から神殿や墓所の壁画へと進化していく最初の状態が、この記事にある岩絵なんだ。


と、いう前提の説明をつけると、この記事がちょっとわかりやすくなるんじゃないかと思う。



ちなみに岩絵といえば前にNHK特集でやってたギルフ・ケビールなんかも今は有名。ギルフのほうは、エジプト初期王朝よりもうちょっと年代が古くて、砂漠がまだ緑だった頃の岩絵。見比べると、文化の繋がってる感じがよくわかります。


ざっくりとした流れとしては…


(1)ギルフ・ケビールの岩絵の時代(砂漠が緑)
(2)今回ニュースになっているナグ・エルハンドゥラブの岩絵の時代(砂漠化が進み川沿いに集住)
(3)マスタバの時代(上下エジプト統一、記念碑を作る文化が生まれる)
(4)ピラミッドの時代(ファラオの権力が頂点に、ヒエログリフによる石碑などの装飾)
(5)ピラミッド内部にも壁画が描かれるようになる

というわけで、ナグ・エルハンドゥラブの岩絵は、エジプト美術の進化の歴史の最初の部分のピースが再発見されたという位置づけになるのかな。
ちなみにエジプトは初期にはナイル上流と下流で別々の勢力が存在し、のちに上流の勢力がエジプト全域を支配して最初の統一王朝を作ったということになっています。なので、これらの岩絵は、その、最初の統一王朝を立てる上流の勢力に近い文化ということに。描かれている内容に第一王朝時代の遺物と似ている部分もあるので、無関係ではないんだろうな。

まだピラミッドもヒエログリフもない地味な時代だけど、文明が築かれていく最初の一歩ってなんかこう、ワクワクして私は好きだわー。


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千里の道も一歩から。
一朝一夕にピラミッドは築けない。というお話。

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