番外編 マチュピチュで見た景色(1)

さて、途中ぶっとばしたマチュピチュの遺跡本体についてまとめてみる。
個人でぷらっと行ってみたいものを見てるだけなので、順路なんかは完全無視。

まず行って思ったのは、「意外と石の積み方が荒いなー」ということだ。
クスコの、有名な「12角の石」のあたりなんかもそうだったけど、インカの石積みって、石と石の接合面はキレイにするのに、石積みとしての表面は平らにしないんだよね。なんだかデコボコした感じになっている。

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でかい岩のスキマに小さいのを無理くりつっこんだような壁面。
このでかい岩を持ってくるのも大変だと思うが、ここは隙間が大きくて適当感がある。
用途に応じて、かけるコストを変えていたという気がする。

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ここの家も、蹴飛ばしたら石が崩れそうな感じ。
あまり手がかかっている感じではない。

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逆にキレイなのが、このへん。
王女の宮殿、と呼ばれている。

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こちらが王の別荘と呼ばれる建物。明らかに石組みの作りが違う。手間をかけてる感じだ。
技術はあるんだけど、手間かけるのメンドイから、一般の使用人が使うとこはテキトーで…。という思考が見え隠れする。

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採石場は、マチュピチュの遺跡の中にある。
石は近場から運んで労力を使わない。エジプトのピラミッド作るときと同じ。

もともと天然石の露出している山だったらしく、元からあった大きな岩なんかは動かさずに、そのまま使っている。地面に埋まった岩を削って階段にしている部分もあった。

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で、遺跡は、元の山の形をそのまま残してるんね。
無理に地面を削らずに、森を切り開いたあとの地面の上に、そのまま建物を建ててる感じ。
手間はかかってるけど、ほどよく手抜きしてるなーという印象。
あんま無理してない。

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無理してるというか、かなり高度な技術で気を使って作ったのは、水路だと思う。何しろ山の上だから。
雨がよく降り、霧もかかる山間なので畑の水は心配いらなかったと思われるが、人が暮らす上で必要な飲水、生活用水などは、どうしても必要。

マチュピチュの水源は、ここ一箇所しかない。
土の中には石の水路が埋められているというが、ちょっとミスって水漏れしたりしたら一大事。
今なお豊かな水が流れだしている、ということ自体、ここが都市の生命線と意識され、気を使って丁寧に作られた証拠だと思う。

今でも使える古代の遺産、という意味では、ローマの水道橋なんかと一緒やね。

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こうして見ていくと、「ああ、ここには本当に人が住んでいたんだな。」という実感とともに、「ここは人が手で作ったものなんだな。」という感覚が湧いてくる。人間だからね。完璧じゃないのよね。手ェ抜くところは手ェ抜くし、失敗もする。

それはエジプトの、美麗な「死者の書」を眺めていて、端っこにちょこっと書き損じを見つけてニヤリとするときの感覚。作った人が超人過ぎて非の打ちようのないモノを目の前にした時に感じる、取っ付きのなさではなく。


人大杉でもう感動するとかそういうのはなかったけど、勉強にはなりました。
やっぱ現地行ってみないとわかんない空気ってのはあるやね。


で、時間があまったので、二日目は昼飯後に再入場して芝生の上でまったり…
お 昼 寝 ♪

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あんま人のいない端っこの一角に陣取って、せわしないツアー客たちを横目に、岩陰でだーらだーら、時々リャマに囓られそうになりながら午後を過ごしましたとさ。

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