ダハシュールのマスタバ墓から見つかった副葬品(短剣)

古本屋で古いエジプト展のカタログを漁ってきた。
第十ニ王朝(中王朝時代)のイタ王女のミイラといっしょに見つかった短剣。イタはアメンエムハト2世の娘さん。

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この王女様は、そのむかし「エジプトに現存する最も古い王族ミイラは何時の時代の誰なんだろう」というのを調べていた時に少しだけ触れたことがある。そのときはミイラそのもののデータは見つからなかったのだけど(たぶん状態が悪いか、もう捨てられてるんだろうなあ…)、副葬品がずいぶんいい状態で残っているのは、ちょっとびっくり。

ちなみに中王国時代は、まだエジプトに鉄器は入ってきていないので、刃の部分の材質は青銅。
現実的に考えると、発見時はサビサビだったと思うんですが。きれいに修復してあります。


パパンのアメンエムハトさんはピラミッドを作っていたけど、周囲に作られた王族の女性たちの墓はマスタバだったようなので、残念ながらイタ王女は「ピラミッドから発見されたミイラ」ではないです。

ピラミッドリスト
http://www.moonover.jp/bekkan/mania/pira.htm

ただ、他にたくさんピラミッドから遺体が発見されているケースはあります。
http://www.moonover.jp/bekkan/chorono/first_page.htm



古代エジプトの歴史の中で見ると、私はこのあたりの時代の芸術センスが一番好きなんよね。
新王国までいっちゃうと、なんかゴテゴテして成金趣味っぽくなる…。

古代エジプトって十把一絡げにされるけどね、日本だって平安と江戸は全然違うじゃないですか。エジプトも初期の頃と全盛期だと違うんですよ! 素朴な良さは初期王朝あたり、技術的な頂点は二十三王朝あたり、とか、時代によって見どころが違うと思うんですよね(キリッ

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