カイロの町で、ひとときの恋を。大人の女性一人旅映画「カイロ・タイム」
エジプトネタの映画が公開されるんですよ! ということで、この三連休で公開された「カイロ・タイム(カイロの時間)」。見に行ってきたぜいぇーい。
カイロ・タイム(公式)
http://www.cinematravellers.com/
プレ上映を見に行った人の評では「ストーリーは落ち着いてまったり、あまり起伏はない。町並みがキレイで雰囲気がよい」とのことだったけど、まさにそんな感じで。大人な雰囲気、そして静かで繊細な世界。
カイロの町並みの中でも特に美しい部分だけを切り取った一時間半。
エジプト!
のっけからウンム・クルスームの歌にやられ、カイロの雑多な町並み、車が無理くり交差点に突っ込んでくる感じ、砂埃、カイロっ子の大好きなホーンのやかましい音。何もかもが作り物じゃないリアルな「カイロ」で、見覚えのある通りも出てきてちょっぴり泣きそうになった。撮影は暴動の前だったんだろう。略奪にあってボッコボコになってた通りが、昔のままでそこにあって…。
住むには大変そうだし、決して滞在して快適なわけでもない。熱いし埃っぽいし、歩いてるとやたらと声をかけてくる人がいてメンドクサイ。タクシーはボッタくろうとするし、ごはんは店を選ばないと腹をこわすし、暑いし。
でもやっぱりエジプト好きなんだなあ。自分。なんだろうな、すごい久しぶりに見た地元の映像みたいな、そんな気持ちだった。
私が行った時のカイロは映画の雰囲気だったけど、いまは暴動の影響で、ピリピリしているんだろうな…とか考えると、悲しくなってしまった。
また行きたいけど、今はとても行ける状態じゃない。
いつか、映画の中の風景のような、穏やかなカイロが戻ってくることを願って。
***************************
公式あらすじ
うん、なんていうか、大手が配給しないニッチな映画のあらすじの妥当さは安定。
この映画は、このあらすじのとおり、「大人の女性の一人旅」、そして数日の夢。という感じ。
ただ、タレクとの関係は恋というほどではなく、なんとなく惹かれ合ったという感じか。安易にヒロインが脱ぐことはなく、ベッドシーンもなく、そこまではいかず、ただじっと見つめ合うだけだったのにはホッとした。おちついた雰囲気の物語だから、最後まで落ち着いた感じでシメてもらえたのが良かった。
(ただ、エジプトの感覚からいくと主人公の服は露出高杉だと思う。胸の谷間とか。)
だって現実で考えたら、出会ってまもない異国人と、しかも「キリスト教徒とは結婚できない」と言ってるムスリムの男性と、恋仲になることなんて出来るわけないじゃないのと。夫も家庭も仕事もあるのに、決して完璧で円満と言えないにしても、今もってるそれらを捨てるわけがないよねと。この流れで寝たら単なるビッチだもん。そこは「分別ある」大人の女性、のまま終わってくれてよかった。「惹かれてはいるけれど、彼とは二度と会えない」。一度きりの出会いと時間だからこその美しさ。
エジプト人タレクは理想の王子様として描かれているわけではない。
会話の端々に見え隠れする旧態然とした(じゅうたん工房の少女たちに対するような)考え方を持っているし、かつて愛していた女性とは、彼女がクリスチャンだから結婚できなかったとも言っている。価値観の違い、もしご近所にいて長年いっしょに過ごしていたら、主人公ジュリエットはきっと彼とはケンカ別れをしたと思う。
夫不在の旅先での限られた時間での出会いだったから、ロマンティックなままサヨナラができたんじゃないかなあ。
登場人物も、そういうところが分かってて冷静に「今」を楽しんでる感じだった。
そういう意味では、不倫モノではないし、あまり生々しい描写もなし、安心して情景の美しさに浸っていられる好きなタイプの映画でした。
ちなみに上映館はすごく少なくて、関東だと新宿の武蔵野映画館っていう3スクリーンしかないところだった。
初めて行ったよ…。
マイナーな映画館のはずなのに、意外と人がいて吃驚。けっこう年配の方が多かったかな、往年の映画ファンとか、そういう雰囲気。騒がしい若いカップルは全然いなくて、視聴環境も落ち着いていた。ま、たまには、こういうのもいいやね。
ちなみにシリーズもので、次回はべつの主人公でバチカンだそうです…。
カイロ・タイム(公式)
http://www.cinematravellers.com/
プレ上映を見に行った人の評では「ストーリーは落ち着いてまったり、あまり起伏はない。町並みがキレイで雰囲気がよい」とのことだったけど、まさにそんな感じで。大人な雰囲気、そして静かで繊細な世界。
カイロの町並みの中でも特に美しい部分だけを切り取った一時間半。
エジプト!
のっけからウンム・クルスームの歌にやられ、カイロの雑多な町並み、車が無理くり交差点に突っ込んでくる感じ、砂埃、カイロっ子の大好きなホーンのやかましい音。何もかもが作り物じゃないリアルな「カイロ」で、見覚えのある通りも出てきてちょっぴり泣きそうになった。撮影は暴動の前だったんだろう。略奪にあってボッコボコになってた通りが、昔のままでそこにあって…。
住むには大変そうだし、決して滞在して快適なわけでもない。熱いし埃っぽいし、歩いてるとやたらと声をかけてくる人がいてメンドクサイ。タクシーはボッタくろうとするし、ごはんは店を選ばないと腹をこわすし、暑いし。
でもやっぱりエジプト好きなんだなあ。自分。なんだろうな、すごい久しぶりに見た地元の映像みたいな、そんな気持ちだった。
私が行った時のカイロは映画の雰囲気だったけど、いまは暴動の影響で、ピリピリしているんだろうな…とか考えると、悲しくなってしまった。
また行きたいけど、今はとても行ける状態じゃない。
いつか、映画の中の風景のような、穏やかなカイロが戻ってくることを願って。
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公式あらすじ
エジプトの首都カイロを舞台に、既婚の外国人女性と現地男性が織り成す恋をつづった大人のラブストーリー。女性誌の編集者ジュリエットは、パレスチナで働く国連職員の夫と落ち合って休暇を過ごすためカイロを訪れる。ところが夫の到着が遅れると連絡が入り、ジュリエットはたったひとり異国の地で夫を待つことに。不安を隠しきれない彼女は、かつて夫の警備を担当していたエジプト人タレクに街を案内してもらうが……。
うん、なんていうか、大手が配給しないニッチな映画のあらすじの妥当さは安定。
この映画は、このあらすじのとおり、「大人の女性の一人旅」、そして数日の夢。という感じ。
ただ、タレクとの関係は恋というほどではなく、なんとなく惹かれ合ったという感じか。安易にヒロインが脱ぐことはなく、ベッドシーンもなく、そこまではいかず、ただじっと見つめ合うだけだったのにはホッとした。おちついた雰囲気の物語だから、最後まで落ち着いた感じでシメてもらえたのが良かった。
(ただ、エジプトの感覚からいくと主人公の服は露出高杉だと思う。胸の谷間とか。)
だって現実で考えたら、出会ってまもない異国人と、しかも「キリスト教徒とは結婚できない」と言ってるムスリムの男性と、恋仲になることなんて出来るわけないじゃないのと。夫も家庭も仕事もあるのに、決して完璧で円満と言えないにしても、今もってるそれらを捨てるわけがないよねと。この流れで寝たら単なるビッチだもん。そこは「分別ある」大人の女性、のまま終わってくれてよかった。「惹かれてはいるけれど、彼とは二度と会えない」。一度きりの出会いと時間だからこその美しさ。
エジプト人タレクは理想の王子様として描かれているわけではない。
会話の端々に見え隠れする旧態然とした(じゅうたん工房の少女たちに対するような)考え方を持っているし、かつて愛していた女性とは、彼女がクリスチャンだから結婚できなかったとも言っている。価値観の違い、もしご近所にいて長年いっしょに過ごしていたら、主人公ジュリエットはきっと彼とはケンカ別れをしたと思う。
夫不在の旅先での限られた時間での出会いだったから、ロマンティックなままサヨナラができたんじゃないかなあ。
登場人物も、そういうところが分かってて冷静に「今」を楽しんでる感じだった。
そういう意味では、不倫モノではないし、あまり生々しい描写もなし、安心して情景の美しさに浸っていられる好きなタイプの映画でした。
ちなみに上映館はすごく少なくて、関東だと新宿の武蔵野映画館っていう3スクリーンしかないところだった。
初めて行ったよ…。
マイナーな映画館のはずなのに、意外と人がいて吃驚。けっこう年配の方が多かったかな、往年の映画ファンとか、そういう雰囲気。騒がしい若いカップルは全然いなくて、視聴環境も落ち着いていた。ま、たまには、こういうのもいいやね。
ちなみにシリーズもので、次回はべつの主人公でバチカンだそうです…。