やっと全巻揃った「ミス・メルヴィル」シリーズ、上流階級の画家のおばさまが暗殺で大活躍。
古本屋のワゴンに積み上げられていたのを発見、即保護。
探偵小説? と見せかけて、実は主人公がプロの暗★殺★者。そんなカンジの推理・ミステリーもの小説。
謎解きは、ディナーパーティーと殺しの後で!
このシリーズのユニークなところは、主人公が本物のアメリカ上流階級の出身、もと大富豪のお嬢様なのに暗殺者、ってところだろうか。
しかし父親が一族の財産と他人の金を持ち逃げしてしまい、母の金も尽きて彼女は困窮してしまう。しかも親戚の学校で就いていた美術教師の職は無くしてしまうし、家さえも失う危機に…。できることといったら絵を描くことだけ、お嬢様育ちの彼女は、今更普通の職にはつけない。
大家との交渉にも失敗し、意を決して"誇り高く"自殺しようとするのだが、そのとき彼女をプッツンさせる出来事がおき…、こともあろうに父親仕込みの素晴らしい射撃の腕前で、大家を射殺してしまった(笑)
その場に居合わせた本物の暗殺者によって組織にスカウトされた彼女は、生活のため、暗殺業に手を染めることとなる。
設定だけ見ると破天荒なのだが、これが意外とよく出来ている。まぁ毎回簡単に暗殺が成功してしまうのはどうかと思うけれど、もともと彼女が本物の名家の生まれで、社交界に知り合いも多く、立ち居振る舞いなども上品…となれば、ハイソなディナーパーティーに忍び込んで、要人に近づくことが出来てしまうのも頷ける。
和訳がまたよく出来ていて、主人公のスーザンの口調は「まあ、それはほんとうによろしかったですこと」みたいな感じで、さりげなくお嬢様っぽさを出してくれている。暗殺するときのアッサリした上品さもまた小気味良い。
これが日本の小説なら、主人公は若くて世間知らずな美少女なんかにされてしまうのだろうが、海外ものは容赦なく、彼女を、平凡で取るに足りない「中年女性」として描き出す。そう、目立たない、古めかしい中年女性だからこそ、人知れず暗殺が出来、だれも彼女を疑おうなどとは思わない。いかにもヒロイン、な頭のよい美女、利発で要領のいい若い娘は主人公の周りにいて、ばたばたと走り回ってはピンチに陥り、最後に落ち着いたミス・メルヴィルに締めてもらうことになっている。
そう、ミス・メルヴィルは、決して走り回らない。
静かにお上品に暮らし、人が良すぎると称され、"誇り高く"悪人に額に一発お見舞いして満足してアトリエに絵を描きに戻ってゆく。今は一族の財産も尽きて慎ましやかな生活のはずなのだけれど――それでも上流階級の雰囲気を漂わせているのは、さすがというところか。
このシリーズは、「勧善懲悪」の爽快ガンアクションものではない。
ていうかアクションはほとんどない。スーザン・メルヴィルはお嬢様育ちの中年女性なので走らないし、暗殺に行くときはイブニングドレスでタクシーに乗る。(なんと地下鉄にすら乗ったことがなかったらしい!)
物語には端々に謎が散りばめられていて、やがてそれは、大きな一つの流れとなっていく。
今回手に入れてきたのは、シリーズ中いちばん面白いと言われる「帰ってきたミス・メルヴィル」(二冊目)なのだけれど、この二冊目と、そのあとの三冊目は、その大きな流れに至る道がとても良く出来ていて、ほんとうに最後の最後まで読者はトリックに気づかないのだ。シリーズの中で二冊目だけどうしても見つからなかったのは、一番おもしろい巻だからなのだろう(笑)。
いやあ、まさか! まさかあそこで真犯人とか出てくるとかね!
事故死ではなく殺された疑いをかけられてる芸術家がほんとに殺されてるのは物語のパターンだし、大昔に死んだとされている謎の画家が実はxxなんだろ? ってのもありがちなので気がついたものの、それらはただのめくらましだったよ。実はxxさんの正体はxxで、xxだったんだよ・・・!
ミス・メルヴィルが素晴らしい射撃の腕を持つスゴ腕暗殺者だということは、普段はお嬢様で普通の女性な立ち居振る舞いなので、読者まで忘れさせられてしまう。
ピンチに陥ったあと、一瞬でプッツン切れる彼女のメンタルはすげえ。
ていうか、あまりに腕前が素晴らしいので打ち合いにもならんし怪我もしないっていうね(笑
真相が意外だったというより、主人公がとった行動に一瞬ぽかーんってなった。
あそこドラマとか実写で見てみたいわー。でもメルヴィルを演じられる日本人は、なかなかいなさそうなんだよな…。
もちろん人殺しは現実世界ではどんな理由があれ犯罪なんだけど、ぜんぜん犯罪者に見えないから不思議。
犯人は警察に引き渡しません、判明したら一発ドン。正確には、プロの殺し屋は一巻で引退してしまうのだけれど、そのあとも腕衰えず暗殺を繰り広げるミス・メルヴィルの、一風かわった「悪即斬」な推理小説。古本屋でしか手に入らないのが残念だけど、このテの軽快ミステリが好きな人ならきっと楽しめると思うんだ。
探偵小説? と見せかけて、実は主人公がプロの暗★殺★者。そんなカンジの推理・ミステリーもの小説。
謎解きは、ディナーパーティーと殺しの後で!
このシリーズのユニークなところは、主人公が本物のアメリカ上流階級の出身、もと大富豪のお嬢様なのに暗殺者、ってところだろうか。
しかし父親が一族の財産と他人の金を持ち逃げしてしまい、母の金も尽きて彼女は困窮してしまう。しかも親戚の学校で就いていた美術教師の職は無くしてしまうし、家さえも失う危機に…。できることといったら絵を描くことだけ、お嬢様育ちの彼女は、今更普通の職にはつけない。
大家との交渉にも失敗し、意を決して"誇り高く"自殺しようとするのだが、そのとき彼女をプッツンさせる出来事がおき…、こともあろうに父親仕込みの素晴らしい射撃の腕前で、大家を射殺してしまった(笑)
その場に居合わせた本物の暗殺者によって組織にスカウトされた彼女は、生活のため、暗殺業に手を染めることとなる。
設定だけ見ると破天荒なのだが、これが意外とよく出来ている。まぁ毎回簡単に暗殺が成功してしまうのはどうかと思うけれど、もともと彼女が本物の名家の生まれで、社交界に知り合いも多く、立ち居振る舞いなども上品…となれば、ハイソなディナーパーティーに忍び込んで、要人に近づくことが出来てしまうのも頷ける。
和訳がまたよく出来ていて、主人公のスーザンの口調は「まあ、それはほんとうによろしかったですこと」みたいな感じで、さりげなくお嬢様っぽさを出してくれている。暗殺するときのアッサリした上品さもまた小気味良い。
これが日本の小説なら、主人公は若くて世間知らずな美少女なんかにされてしまうのだろうが、海外ものは容赦なく、彼女を、平凡で取るに足りない「中年女性」として描き出す。そう、目立たない、古めかしい中年女性だからこそ、人知れず暗殺が出来、だれも彼女を疑おうなどとは思わない。いかにもヒロイン、な頭のよい美女、利発で要領のいい若い娘は主人公の周りにいて、ばたばたと走り回ってはピンチに陥り、最後に落ち着いたミス・メルヴィルに締めてもらうことになっている。
そう、ミス・メルヴィルは、決して走り回らない。
静かにお上品に暮らし、人が良すぎると称され、"誇り高く"悪人に額に一発お見舞いして満足してアトリエに絵を描きに戻ってゆく。今は一族の財産も尽きて慎ましやかな生活のはずなのだけれど――それでも上流階級の雰囲気を漂わせているのは、さすがというところか。
このシリーズは、「勧善懲悪」の爽快ガンアクションものではない。
ていうかアクションはほとんどない。スーザン・メルヴィルはお嬢様育ちの中年女性なので走らないし、暗殺に行くときはイブニングドレスでタクシーに乗る。(なんと地下鉄にすら乗ったことがなかったらしい!)
物語には端々に謎が散りばめられていて、やがてそれは、大きな一つの流れとなっていく。
今回手に入れてきたのは、シリーズ中いちばん面白いと言われる「帰ってきたミス・メルヴィル」(二冊目)なのだけれど、この二冊目と、そのあとの三冊目は、その大きな流れに至る道がとても良く出来ていて、ほんとうに最後の最後まで読者はトリックに気づかないのだ。シリーズの中で二冊目だけどうしても見つからなかったのは、一番おもしろい巻だからなのだろう(笑)。
いやあ、まさか! まさかあそこで真犯人とか出てくるとかね!
事故死ではなく殺された疑いをかけられてる芸術家がほんとに殺されてるのは物語のパターンだし、大昔に死んだとされている謎の画家が実はxxなんだろ? ってのもありがちなので気がついたものの、それらはただのめくらましだったよ。実はxxさんの正体はxxで、xxだったんだよ・・・!
ミス・メルヴィルが素晴らしい射撃の腕を持つスゴ腕暗殺者だということは、普段はお嬢様で普通の女性な立ち居振る舞いなので、読者まで忘れさせられてしまう。
ピンチに陥ったあと、一瞬でプッツン切れる彼女のメンタルはすげえ。
ていうか、あまりに腕前が素晴らしいので打ち合いにもならんし怪我もしないっていうね(笑
真相が意外だったというより、主人公がとった行動に一瞬ぽかーんってなった。
あそこドラマとか実写で見てみたいわー。でもメルヴィルを演じられる日本人は、なかなかいなさそうなんだよな…。
もちろん人殺しは現実世界ではどんな理由があれ犯罪なんだけど、ぜんぜん犯罪者に見えないから不思議。
犯人は警察に引き渡しません、判明したら一発ドン。正確には、プロの殺し屋は一巻で引退してしまうのだけれど、そのあとも腕衰えず暗殺を繰り広げるミス・メルヴィルの、一風かわった「悪即斬」な推理小説。古本屋でしか手に入らないのが残念だけど、このテの軽快ミステリが好きな人ならきっと楽しめると思うんだ。


