神話と神々の戦い:意外と長かったり短かったり。

エジプト神話で神々の争いといえば、ホルスとセトの戦い。
その戦いは80年続いた、とされており、人生一回分かよーなげぇなーと思っていたんだけど、ふとしたことから、

 「神様の戦いとして見たら短くね?」

という意見があり、そういやそうかもと思いはじめた。
確かに神様だと…80年は短いのか…?


というわけで、他の神話の宿命のライバル(?)の神様たちがどのくらい戦っているのかをちょっと確認してみた!


【戦いが短い神話】

・北欧神話

ヴァン神族vsアース神族でもそんなに長くない。グッルグェイグは何回も蘇ってるけど、とくに長いという記述なし。ラグナロクも準備期間が長かったわりに決着はあっさり風味。

・日本神話

アマテラスvsスサノオはわりとあっさり講話している。

・ギリシア神話

ゼウスと巨人族の戦いはそんなに長くない。宿命のライバルといっていいかも微妙といえば微妙だが。

・ケルト神話

ルーとバロールの戦いはそんなに長くない。


【戦いが長い神話】

・アステカ神話

テスカトリポカvsケツァルコアトルの戦いは何千年とかの単位で現在も終わっていないらしい。

・ウガリット、カナアンの神話

バアルとモトの戦い、最初の決着自体はそんなに時間がかかっていないように見えるが、交互に勝利と敗北を繰り返すらしいので終わらない戦い。



細かく戦ってた年月を書いてない場合が多いので正確には判断出来ないが、ざっと概要だけ辿ってみたところ、人間の常識的な範囲で戦ってる感じ。というか、見た範囲では、戦いが長い神話=戦いが終わらない神話なんだと思った。春・豊穣を象徴するバアルと、冬・不毛を象徴するモートの戦いは、そのまま季節の移り変わりを意味しているので終わらない。とか。

もう少し色々調べてみないと断言は出来ないけれど、王権の発生・正当性の裏付けに関わる戦いは終わってもらわないと困るので決着がアッサリしていて、暦の発生に関係している戦いは長くて終わらないんじゃなかろうか。

その意味では王権に関わる戦いのはずのホルスとセトの戦いは妙に長いが、この神話の元ネタは第二王朝の頃のリアルな王権争いだったという説もあるので、だとすると人間世界での戦争の年数がそのまま入っているとかなのかも。

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