超展開サムライファンタジー「47RONIN」 忠臣蔵好きじゃない私は逆に楽しめたぜ!

この映画は、ハリウッドで忠臣蔵を撮影してみたという映画。47人の赤穂浪士がモチーフだから「47 RONIN」というタイトル。しかもキアヌ・リーブス主演。なんという無駄な大物起用。

公式
http://47ronin.jp/

だがしかし、これを「ラスト・サムライ」のようなマジメ(?)なサムライ映画だと思ってはいけない。
日本では年末恒例でややマンネリ化した「忠臣蔵」イメージを払拭すべく大胆な解釈とハリウッド風の脚色を加え、文化に根ざしたお約束に疎い外国人にもわかりやすく、かつ共感が得られるよう高度に商品化された映像作品として仕上がっている。

平たくいうと、サムライ映画として見たら序盤の5分で撃沈するから気をつけるんだぞ! 的なカンジ。


<ネタバレ> * 知りたい人はドラッグしましょう。
この映画で学んだこと

・出島にはオーガと戦わされる闇闘技場がある
・天狗の試練に打ち勝つとサムライソードが貰える
・侍の仕事は里を荒らすベヒーモスを退治すること


サムライすげえ
そして美しき国日本最高


ツッコミどころは山ほどある。山ほどあるけど、なんかもう途中から すべてどうでもよくなった。 
これはアリだわ。めっちゃカネかけてあまりにもマジメにやってるから、むしろアリだわ。許した(笑)


そして前もって「サムライファンタジー」だって皆さんざん言ってるのに、映画館はご高齢者で満員御礼。見事なまでにご高齢者ばかり! えっちょ、あの… コレ… 確かに忠臣蔵モチーフの映画なんですけど、でも忠臣蔵じゃないですよ!!! と、心のなかで激しくツッコむ俺。座席の前後左右みごとに60歳以上。美しくクリスマスイルミネーションに彩られたカップルだらけの映画館でこの映画のスクリーンだけは結婚して40年くらい経ってそうな熟年カップルばかりであるという一種異様な空間。

そして映画開始10分。

平和な時代の赤穂浪士たちが主君と一緒に狩りに出かける。
あーイノシシ狩りかな? イノシシでけーなハハハ。ちょっと誇張しすぎなんちゃ…う… ん… 

ェエエエエ??!!

この瞬間の周囲の 「「「ざわっ」」」 てのでお茶吹いた。なんという一体感。こんな感覚はハリウッド版ドラゴンボールZいらいだ。ダメなほうの一体感だけど。周囲のおじいちゃんおばあちゃんのリアクションがいちいち面白くて笑いをこらえるのに必死。どんな映画だ。


そう、これはサムライファンタジー。
サムライ風味の騎士道物語と思えば、しっくりくる。

城主のひとり娘の姫君が普通に国を相続してるのとかも、封建時代の騎士の家系ならありえるからなー。試練を乗り越えたらサムライソードが手に入るとか、主君主催で獣狩り大会があるとか、えらい将軍様が来たら御前試合やるとか、騎士文学のお約束シーンが散りばめられているんだよな。

舞台は、日本にして日本にあらず。武士道ルールにしたがって生きてる騎士たちが存在する「なんちゃって日本」だと思えばこそ、竹林樹海やアンダーグラウンド出島の存在も納得出来ようというもの。

要するに、金のかかった騎士文学と忠臣蔵のパロディ・融合作品なんよね。



エンタテイメントとしては及第点だし、娯楽ファンタジー映画としては実によく出来てる。
忠臣蔵と思わなければアリ。キアヌより大石役の真田さんの主人公オーラがハンパなくて、ちゃんと「忠臣蔵」「大石内蔵助の物語」になっているのが良かったなー。日本の俳優さんがハリウッドのトップレベルの俳優を食える日が来るとは思わなんだ。キアヌは相変わらずのイケメンだし和服も似合うんだけど、「忠義」とか「武士の誇り」とかいうセリフはやっぱり真田さんだよね!


あとこの映画、最後まで笑えます。
エンドクレジットの役者名に「TENGU LOAD」って役名があったのがツボに入り。
さらに日本語吹き替え版で見に行ってたので、吹き替えのスタッフロールが役者さんご本人様で二度お茶吹いた。
そして終わった後の周囲のご高齢者たちのツッコミ祭りが(笑)  見渡す限りのご高齢者カップルが(笑) 平均年齢高すぎィ!


ちなみに、上映が終わったあとの隣の杖をついたおじいちゃんのツッコミポイントは

 切腹シーンが長い

でした。そこなのかよ。ドラゴンとかじゃなくてそこなのかよ。

映画で笑って周囲のおじーちゃんおばーちゃんの良リアクションに笑って、笑ってこらえるのに腹筋が限界値を突破するかと思った。忠臣蔵でこれほどまでに笑うことが出来ようとは思わなかった、そんな映画でした。まじめに次の日腹筋が痛かったです。(笑いをこらえすぎた)


世の中えてして、笑わせようとしてやってるギャグよりは、大真面目にツッコミどころ満載なことやってるほうが笑えるよね。いやー楽しかったわー。

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