【悲報】関東は水曜日も雪の予報! というわけで皆、セト神に祈るんだ!
Q. エジプトの神様で豪雪に対抗できる神様はいますか?
A. います。嵐の神セトに祈りましょう。
*写真は大英博物館所蔵のライムストーンのステラ
というわけで、二週連続で週末を雪につぶされたというのに、関東は水曜日も雪らしいのです。
これでは し ん で し ま い ま す。
よろしい、ならばエジプト神に祈願だ。
個人的に松岡○三より頼りになりそうなセト神よ今こそ!
拝礼の仕方は簡単。スーパーで手ごろなビールかワインとレタス(チシャでもOK)を購入し、祭壇に供えるだけ! ★ 拝礼のポーズは写真のステラのとおり体の前面で両手を挙げればOK。さらに平身低頭したい場合は頭を地面に付けて土下座でOK。やったねリーマンの得意技だね。
先日、エジプトに雪が降ったときに「古代エジプト語にも雪という単語が実はあったんだよ」という話をしたようなしてないような気がしますが、その「雪」という単語が出てくるのが、新王国時代(第19王朝)のラメセス2世の時代に作られた、アブ・シンベル神殿の壁画の碑文。
ヒッタイトとの戦争後、講和してヒッタイトの王ハットゥシリシュの娘を妃として迎えるとき、山を越えてくる婚礼の一行の道中の安全を祈願する文言の中に、「異境の王セトよ、雪は降らせ給うな」という意味の言葉が入っています。
特別な呪文でもあるのかと思って探してみましたが、ラメセス2世はものすごく単刀直入にお願いしていました。
「雨、雪、嵐にするのはやめてください。」
「そして王の父セトはこれを聞き届けた。」
簡単ですね!
よしこれで。これでいきましょう。エジプトの国境からはだいぶ遠いですが、異境の王なので小アジアも東アジアもたぶん似たような扱いでしょう。というわけで水曜どうでしょう(セト神)。
**************
<おまけ>
綴りはこれ。srqと書かれているが、これはセム語系の借用語で、アッカド語では šalgu 、ヘブライ語では šeleḡ となるらしい。
他にも「嵐」などの単語が揃っている。
エジプト本土では雨はふらないが、シリアやパレスチナなど地中海沿岸の周辺地域では雨は普通に降るし、嵐も来るので単語として存在する。
古王国時代には悪魔的な扱いで、悪い単語に決定詞として使われることの多かったセト神、新王国時代には天候や戦闘における力強さなどを意味する単語に多く使われるようになり、だんだんと地位が向上していく。
参考:
Seth is Baal: Evidence from the Egyptian Script
https://www.academia.edu/239327/Seth_is_Baal_Evidence_from_the_Egyptian_Script
A. います。嵐の神セトに祈りましょう。
*写真は大英博物館所蔵のライムストーンのステラ
というわけで、二週連続で週末を雪につぶされたというのに、関東は水曜日も雪らしいのです。
これでは し ん で し ま い ま す。
よろしい、ならばエジプト神に祈願だ。
個人的に松岡○三より頼りになりそうなセト神よ今こそ!
拝礼の仕方は簡単。スーパーで手ごろなビールかワインとレタス(チシャでもOK)を購入し、祭壇に供えるだけ! ★ 拝礼のポーズは写真のステラのとおり体の前面で両手を挙げればOK。さらに平身低頭したい場合は頭を地面に付けて土下座でOK。やったねリーマンの得意技だね。
先日、エジプトに雪が降ったときに「古代エジプト語にも雪という単語が実はあったんだよ」という話をしたようなしてないような気がしますが、その「雪」という単語が出てくるのが、新王国時代(第19王朝)のラメセス2世の時代に作られた、アブ・シンベル神殿の壁画の碑文。
ヒッタイトとの戦争後、講和してヒッタイトの王ハットゥシリシュの娘を妃として迎えるとき、山を越えてくる婚礼の一行の道中の安全を祈願する文言の中に、「異境の王セトよ、雪は降らせ給うな」という意味の言葉が入っています。
特別な呪文でもあるのかと思って探してみましたが、ラメセス2世はものすごく単刀直入にお願いしていました。
「雨、雪、嵐にするのはやめてください。」
「そして王の父セトはこれを聞き届けた。」
簡単ですね!
よしこれで。これでいきましょう。エジプトの国境からはだいぶ遠いですが、異境の王なので小アジアも東アジアもたぶん似たような扱いでしょう。というわけで水曜どうでしょう(セト神)。
**************
<おまけ>
綴りはこれ。srqと書かれているが、これはセム語系の借用語で、アッカド語では šalgu 、ヘブライ語では šeleḡ となるらしい。
他にも「嵐」などの単語が揃っている。
エジプト本土では雨はふらないが、シリアやパレスチナなど地中海沿岸の周辺地域では雨は普通に降るし、嵐も来るので単語として存在する。
古王国時代には悪魔的な扱いで、悪い単語に決定詞として使われることの多かったセト神、新王国時代には天候や戦闘における力強さなどを意味する単語に多く使われるようになり、だんだんと地位が向上していく。
参考:
Seth is Baal: Evidence from the Egyptian Script
https://www.academia.edu/239327/Seth_is_Baal_Evidence_from_the_Egyptian_Script