インターネット黎明期、「Japanease Only」はおもてなしの言葉だった。

なんか今さら言うのもアレだなーって感じなんすけど。
1990年代後半あたり、「インターネットサーフィン」なんていう今となってはこっぱずかしい言葉が流行った時代からインターネットやってる人は覚えてると思います。

個人で開設した日本語サイトは、トップページに「このページは日本語です」という意味で「Japanease Only」と書くのがマナーだとされていた時期があった。



なんでかというと、当時のブラウザは言語の自動判別機能が弱かったからなんです。
今なら、検索で出てきたのがドイツ語や中国語やロシア語のサイトでも、URLをぽちっとクリックすれば、その言語に切り替わってきちんと見られますよね。

それが昔は手動切り替えだったんすよ。

メイン言語で日本語を選んだ状態で、ドイツ語とかのウムラウト入ってるページに飛ぶと盛大に文字化けを起こしてしまい、泣きながら言語を選んでました。ぱっと見で何語なんだかわかんない場合は、「えっこれキリル文字? まさかな…ロシアかな…あーギリシャ語かこれ…」みたいな感じで苦労してたんですよね。

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WWW(ワールドワイドウェブ)といえば英語基本、それ以外の言語は少数派だった時代、日本語などという辺境のマイナー言語で作ったウェブページの言語は、英語圏のブラウザでは文字化けして読めないと思われていたんです。

なので、TOPページの分かりやすいところに、文字化けしないアルファベットで「このページは日本語ですよ(読みたかったら日本語にエンコードしてください)」と、案内を書くのがマナーだと考えられました。その結果が、「Japanease Only」という、間違った英文だったんです。(´・ω・`)


本当に書きたかったことは、「このページは日本語のみで書かれています」(This website is written only in Japanese)でした。

しかし英語に疎かった多くの善良なサイトマスターたちが書いたのは、「このページは日本人専用です」(This website is Japanease only)という文章だったのです・・・。





まあ、今からすると笑い話なのですが、当時は翻訳サイトなんてものは無かったし、人と人の繋がりも非常に限られたものでした。

Googleなんてありません。Yahooはありましたが登録されたサイトを静的に見せるだけの、それも非常に数が少ないリンク集でした。というかそもそも検索エンジン自体がなく、知り合いいがいのサイトを発見するには、リンクからリンクへどんどん辿っていくしかない時代だったので、英文がおかしいサイトがあることに気づいていても、その情報が広まるのは非常にゆっくりで、何年もの間、「Japanease Only」の表現は広く使われ続けていたのです。

その当時から更新とまってるサイトはたぶん今でもそのままでしょうね(笑


インターネット黎明期にく使われていた「Japanease Only」は、何かの弾みに紛れ込んだ非日本語圏の人に文字のエンコード種類を伝えようとして心遣いのつもりで書いた「間違った英語」だった。


今日日なにかと人種差別だなんだと否定的なニュアンスで語られがちなこの言葉ですが、必ずしもすべてがそうじゃないんだぜ、ってことで。


ちなみにうちの本体サイトのTOPに残ってる↓コレも、「Japanease Only」の記載が流行った当時の名残です。
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べつに愛国主義とかで国旗つけてるわけじゃないです(笑) 日本語のサイトっすよーって意味です。これなら見れば分かるやろって感じで。


そういやあの頃は、Macユーザに配慮して機種依存文字を使うなとか、半角カタカナは文字化けするからダメだとか、ブラウザによって発色が異なるから色指定はセーフティカラーのみにしろとかいうのもありましたっけね…。今ではそんなの全く関係なくなっちゃいましたね。

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