[遠征]夏の南海島巡り~ 青酎を飲もう & そして、海へ
青ヶ島の名産、あおちゅうです。
「ラベルは三種類くらいしかないけど種類はけっこう多い」と聞いていて、本当にそうなんですかって島の人に聞いたら、ここに連れてこられました…。 青酎工場。 写真にあるズラっと並んでる11本が、現時点で生産されている青酎全種類らしいです。多ッ!
つか、こんな工場があるって知らなかったんですよね。島に行くまで。
青酎工場は、郵便局から大凸部方向の上り坂をちょこっとだけ登って、居酒屋さんの前を右に曲がる。で、急な坂道を降りて行くと右手に見えるのが工場。
ただ青酎の製造シーズンは冬場だそうで、今は工場は稼動していないんだそう。今回は見学さしてもらうんで工場開けていただきました…スイマセン…
工場の横にあるのが、青ヶ島酒造合資会社さんの事務所。なお、青ヶ島に番地とかはありません。会社の場所が「青ヶ島 無番地」だった。スゲエ。この島に来てはじめて離島っぽさを味わってるなう。
では、さっそく青酎を試飲させていただきます。
…色ついてないので何がなんだか分かりませんが、11種類ぜんぶ味が違ってました。
種類を分類すると、以下のような感じ。
●普通の青酎
材料のうち、最初の発酵に使う麦の部分は本土産。もしくは材料の一部を本土からの輸入に頼っているもの。
●青酎「伝承」系
ちょっとだけお高い「伝承」系はすべての材料が島でとれたもの。こだわりの酒。
●サツモイモベース
いわゆる芋焼酎。島でとれたサツマイモを使っている。
●麦ベース
「恋が奥」と「青酎 麦」は、芋焼酎ではなく麦ベースの麦焼酎。焦がした麦の香りがよく、後味すっきり。
ただ、私は芋焼酎のほうが好き。
●天然酵母派
そのへんの山とかで集めてきた野性酵母を使う風味に個性のある酒。
●黒麴派
黒こうじのみに絞って発酵させる派。現在の村の主流。
この組み合わせによって、それぞれのラベルごとに風味の差が出ているみたいです。
つか島がちっちゃいんで、製造者そのへんで会えます(笑) 気に入ったラベルの製造者がいれば、酒造りのコツとか聞けますYO。
よく見かける芋印の「あおちゅう」でも、作った人によってコダワリがあり、発酵させるため3年ほどねかせたもの、ねかせている間に香りが飛んでしまうのを嫌って半分ほど作りたての一年目酒をブレンドしたもの、あまり香りがしないもの、麦を焦がした匂いのついているものとついていないもの… などなど、味は全部違いました。
ラベルによっても、その年のイモの出来具合によっても味が変わってくる。それが青酎の醍醐味かも。
ちなみに製造者のラベル名に女性が多いのは、かつて青酎は島のおかあさんたちが、ダンナさんに飲ませるために作っていた酒だったかららしいです。あれですね本土でいう梅酒とかのノリですね。地元で家庭用に製造していた「どぶろく」が原型にあるからこそ、一本ごとに風味も味も全然違う、そう考えると面白い酒なんじゃないでしょうか。
ただ、ラベルに名前が残っている方々の何人かは、高齢のためすでに他界されたり、もう酒を造っていなかったりするそうです。今は息子さんとかご家族の方がレシピを引き継いで作ってるらしい。また酒づくりは手作業のため、人手がたりなくて、イモ収穫シーズンは一家総出でてんやわんやだとか。島外からの手伝いも募集してるらしいっスよ!
いちおう八丈島の空港にも売ってましたが、全種類を飲み比べできるのは、たぶんこの工場だけ。
あとは、東京の赤坂にアンテナショップがあって、そこでも取り扱っているとか。
通販したいときは、「青ヶ島酒造合弁会社」さんに連絡すれば、1本からでも代引きで取り扱ってくるらしいです。
ちなみに事務所併設の工場の中はこんなかんじですた。
醸造容器に、つかってる人の名前が入ってる。
いきなりイモから発酵させるのは難しいので、まず麦を発酵させてからイモを入れるそう。ちなみにビールなんかと違い、麦は麦芽ではなくそのまま使うらしい。イモの洗浄と、しっぽなどを切り落とす下ごしらえは全て手作業だそうで、そんなのもあって生産数はそんなに多くないらしい。
なお島の内輪をウロウロしていると、そこらへんに材料のイモがすくすく育っているのが見られます。イモ畑…わが田舎にもあったなあ… 秋ごろに手伝いにいってバイト代は現物支給(掘ったイモ)だった、なにもかもみななつかしい…。
********
というわけで!
青酎も堪能したし、使命は果たしたぞ! さー帰りますよー。
帰る前に、もいっかい大凸部から島を眺めてみる。カナブンとエンカウントしたくなかったんで早起きして朝一番で行ってみた。ここまではるばるやってきた冒険者には、まさに文字どおり朝飯前だぜ。
↑うっすらーと八丈島見えてるんよね。360度見渡すと、島のあるあたりだけ雲のわき方がちょっと違う。ああ、海を渡る昔の人も、こうやって島とか探したのかな…
牛が飼われている「ジョウマン」方面。坂道の多い島の中で、ここだけは平たい。地図では「平の耕地」とまんまな名前がつけられていた。…ここの島マップ、ネーミングが直球すぎんよ。
そしてこっちが港方向。道が見えてるけど、港に下りる部分が崩れてしまっているので現在は通行止めで工事中。
島の外側を回っていくこの道が崩れているため、港に出られるのはトンネルを越えての道だけ。
そこが塞がると外界からの物資が届かなくなってしまうため…
まるで要塞のようにガッチガチに道が固められている。
しかもさらに増強工事中だ。崩れた道も、それ以上崩れないように斜面の補強工事中みたい。
この、立体交差になっているトンネルからの道の「上」に、船のチケット売り場がある。というのも、トンネル下にあったらしい、かつてのチケット売り場がこの状態だからである。
あー、うん。高波で破壊されたんだね…。
離島の自然は厳しいのだ。
この日は、島の人いわく「ベタ凪やな」とのことでしたが、それでも防波堤を越えて容赦なく飛沫が飛んでくる。
溶岩の上にチョクに作った要塞みたいな港。青い空、青い海。
視界の先は、果てしなき太平洋。
港はまだ絶賛拡張工事中で、すぐに深くなっているため潜水作業で土台を作っているとのこと。その工事の風景が、ガルガンティアっぽくてしばらく眺めてしまいました。クジライカ出たりしないかなーわくわく。
崖の上の道の崩れてるとこ。
うろうろしていたら、船を待っていた島の人たちが無言に動き始めたので振り返ってみていると、船が来ていた! さすが島民、船のくるタイミングが分かるのか。
それでは、短い滞在でしたが島に別れを告げて、また3時間かけて八丈島まで戻りますよ…。
滞在中は天気に恵まれ、イイ感じに青空でした。行きも帰りも波が低くて、船あんま揺れなくて助かった。
でも運が悪いと一週間くらい船が出ないこともあるそうで…。
行ってみた感想としては「意外と行き易い」「思ってたほど孤島じゃない」ですが、船の欠航率が高く帰れるかどうかが運任せなのだけが難点かも。あと島内が坂道多めなのがね。村から島の中心の丸山まで一時間半くらいは歩くことになり、帰りは急斜面を登ることになるので、徒歩で回る人はガンバレ。
そんなこんなで、今回の遠征もぶじしゅーりょー。
次回はあまりもの、「島で見つけたトリビア」編。
**********************
まとめ読みはこちら
「ラベルは三種類くらいしかないけど種類はけっこう多い」と聞いていて、本当にそうなんですかって島の人に聞いたら、ここに連れてこられました…。 青酎工場。 写真にあるズラっと並んでる11本が、現時点で生産されている青酎全種類らしいです。多ッ!
つか、こんな工場があるって知らなかったんですよね。島に行くまで。
青酎工場は、郵便局から大凸部方向の上り坂をちょこっとだけ登って、居酒屋さんの前を右に曲がる。で、急な坂道を降りて行くと右手に見えるのが工場。
ただ青酎の製造シーズンは冬場だそうで、今は工場は稼動していないんだそう。今回は見学さしてもらうんで工場開けていただきました…スイマセン…
工場の横にあるのが、青ヶ島酒造合資会社さんの事務所。なお、青ヶ島に番地とかはありません。会社の場所が「青ヶ島 無番地」だった。スゲエ。この島に来てはじめて離島っぽさを味わってるなう。
では、さっそく青酎を試飲させていただきます。
…色ついてないので何がなんだか分かりませんが、11種類ぜんぶ味が違ってました。
種類を分類すると、以下のような感じ。
●普通の青酎
材料のうち、最初の発酵に使う麦の部分は本土産。もしくは材料の一部を本土からの輸入に頼っているもの。
●青酎「伝承」系
ちょっとだけお高い「伝承」系はすべての材料が島でとれたもの。こだわりの酒。
●サツモイモベース
いわゆる芋焼酎。島でとれたサツマイモを使っている。
●麦ベース
「恋が奥」と「青酎 麦」は、芋焼酎ではなく麦ベースの麦焼酎。焦がした麦の香りがよく、後味すっきり。
ただ、私は芋焼酎のほうが好き。
●天然酵母派
そのへんの山とかで集めてきた野性酵母を使う風味に個性のある酒。
●黒麴派
黒こうじのみに絞って発酵させる派。現在の村の主流。
この組み合わせによって、それぞれのラベルごとに風味の差が出ているみたいです。
つか島がちっちゃいんで、製造者そのへんで会えます(笑) 気に入ったラベルの製造者がいれば、酒造りのコツとか聞けますYO。
よく見かける芋印の「あおちゅう」でも、作った人によってコダワリがあり、発酵させるため3年ほどねかせたもの、ねかせている間に香りが飛んでしまうのを嫌って半分ほど作りたての一年目酒をブレンドしたもの、あまり香りがしないもの、麦を焦がした匂いのついているものとついていないもの… などなど、味は全部違いました。
ラベルによっても、その年のイモの出来具合によっても味が変わってくる。それが青酎の醍醐味かも。
ちなみに製造者のラベル名に女性が多いのは、かつて青酎は島のおかあさんたちが、ダンナさんに飲ませるために作っていた酒だったかららしいです。あれですね本土でいう梅酒とかのノリですね。地元で家庭用に製造していた「どぶろく」が原型にあるからこそ、一本ごとに風味も味も全然違う、そう考えると面白い酒なんじゃないでしょうか。
ただ、ラベルに名前が残っている方々の何人かは、高齢のためすでに他界されたり、もう酒を造っていなかったりするそうです。今は息子さんとかご家族の方がレシピを引き継いで作ってるらしい。また酒づくりは手作業のため、人手がたりなくて、イモ収穫シーズンは一家総出でてんやわんやだとか。島外からの手伝いも募集してるらしいっスよ!
いちおう八丈島の空港にも売ってましたが、全種類を飲み比べできるのは、たぶんこの工場だけ。
あとは、東京の赤坂にアンテナショップがあって、そこでも取り扱っているとか。
通販したいときは、「青ヶ島酒造合弁会社」さんに連絡すれば、1本からでも代引きで取り扱ってくるらしいです。
ちなみに事務所併設の工場の中はこんなかんじですた。
醸造容器に、つかってる人の名前が入ってる。
いきなりイモから発酵させるのは難しいので、まず麦を発酵させてからイモを入れるそう。ちなみにビールなんかと違い、麦は麦芽ではなくそのまま使うらしい。イモの洗浄と、しっぽなどを切り落とす下ごしらえは全て手作業だそうで、そんなのもあって生産数はそんなに多くないらしい。
なお島の内輪をウロウロしていると、そこらへんに材料のイモがすくすく育っているのが見られます。イモ畑…わが田舎にもあったなあ… 秋ごろに手伝いにいってバイト代は現物支給(掘ったイモ)だった、なにもかもみななつかしい…。
********
というわけで!
青酎も堪能したし、使命は果たしたぞ! さー帰りますよー。
帰る前に、もいっかい大凸部から島を眺めてみる。カナブンとエンカウントしたくなかったんで早起きして朝一番で行ってみた。ここまではるばるやってきた冒険者には、まさに文字どおり朝飯前だぜ。
↑うっすらーと八丈島見えてるんよね。360度見渡すと、島のあるあたりだけ雲のわき方がちょっと違う。ああ、海を渡る昔の人も、こうやって島とか探したのかな…
牛が飼われている「ジョウマン」方面。坂道の多い島の中で、ここだけは平たい。地図では「平の耕地」とまんまな名前がつけられていた。…ここの島マップ、ネーミングが直球すぎんよ。
そしてこっちが港方向。道が見えてるけど、港に下りる部分が崩れてしまっているので現在は通行止めで工事中。
島の外側を回っていくこの道が崩れているため、港に出られるのはトンネルを越えての道だけ。
そこが塞がると外界からの物資が届かなくなってしまうため…
まるで要塞のようにガッチガチに道が固められている。
しかもさらに増強工事中だ。崩れた道も、それ以上崩れないように斜面の補強工事中みたい。
この、立体交差になっているトンネルからの道の「上」に、船のチケット売り場がある。というのも、トンネル下にあったらしい、かつてのチケット売り場がこの状態だからである。
あー、うん。高波で破壊されたんだね…。
離島の自然は厳しいのだ。
この日は、島の人いわく「ベタ凪やな」とのことでしたが、それでも防波堤を越えて容赦なく飛沫が飛んでくる。
溶岩の上にチョクに作った要塞みたいな港。青い空、青い海。
視界の先は、果てしなき太平洋。
港はまだ絶賛拡張工事中で、すぐに深くなっているため潜水作業で土台を作っているとのこと。その工事の風景が、ガルガンティアっぽくてしばらく眺めてしまいました。クジライカ出たりしないかなーわくわく。
崖の上の道の崩れてるとこ。
うろうろしていたら、船を待っていた島の人たちが無言に動き始めたので振り返ってみていると、船が来ていた! さすが島民、船のくるタイミングが分かるのか。
それでは、短い滞在でしたが島に別れを告げて、また3時間かけて八丈島まで戻りますよ…。
滞在中は天気に恵まれ、イイ感じに青空でした。行きも帰りも波が低くて、船あんま揺れなくて助かった。
でも運が悪いと一週間くらい船が出ないこともあるそうで…。
行ってみた感想としては「意外と行き易い」「思ってたほど孤島じゃない」ですが、船の欠航率が高く帰れるかどうかが運任せなのだけが難点かも。あと島内が坂道多めなのがね。村から島の中心の丸山まで一時間半くらいは歩くことになり、帰りは急斜面を登ることになるので、徒歩で回る人はガンバレ。
そんなこんなで、今回の遠征もぶじしゅーりょー。
次回はあまりもの、「島で見つけたトリビア」編。
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まとめ読みはこちら