パタゴニア チリ→アルゼンチン
パイネの塔に登った翌朝、ホテルの食堂で再会した昨日のツアーメンバーは筋肉痛でよろよろしていた。
「痛くない?」と聞かれたので「うん全然」と答えたら、Oh...みたいな反応されたでござる。いや、そんな無理して飛ばしてませんもの(´・ω・`)
今日はどこ行くのと聞かれたので、今日はもうカラファテに言っちゃうよと答えたら残念そうな顔をされた。うーんもうちょっとパイネにも居たかったんだけど、何しろ旅程に余裕がないの…。
つぎに向かう先は、国境を越えてアルゼンチン側にある「ロス・グラシアス国立公園」。
チリ側のパイネ国立公園からは約5時間の距離。
バスも走っているのだが、今回はホテルのトランスポートサービスを使うことにした。
そう、現地の旅行代理店に問い合わせるまで知らなかったが、ホテル・ラス・トーレスに泊まると、カラファテまでホテルの送迎サービスが使えるのだ。別料金だけど。
ちなみにオールインクルージブで契約すると契約の中に送迎まで込みになっている。そのぶんめっちゃ高いけどね!
送迎のお値段や時間は以下のページ参照。
http://www.lastorres.com/all-inclusive/all-inclusive.htm
到着は午後3時とかなので、昼食も込みである。メニューはパイネの塔へ行った時と同じ。サンドイッチのほか、今回はバッナーナがついてきた。
さて朝9時。
目的地が同じなほかの宿泊客とともにワンボックスカーに乗り込み、パイネをあとにする。この日も風はなく、あったかい穏やかなお天気。
国立公園を出てすぐ、カフェ兼お土産屋さんの前で車が止まる。トイレ休憩だという。
…ナタレスからパイネ国立公園に向かう途中で立ち寄ったところだ! これの隣がイミグレだったのか(笑
ちょっと遠目から、建物の左半分がチリ、右半分がアルゼンチン。
境目にゲートと荷物のX線チェックの機械があり、アルゼンチン側から来た人たちはチェックを受けていた。このときナマモノや動植物を持ち込むとチリの税関の人にボッシュートされるので注意しよう。
なおアルゼンチン側にはそんなチェックポイントはなかった。
アルゼンチン→チリは厳しいが、チリ→アルゼンチンは ほぼ ザル。なのに入国に時間がかかる。
しかしこの国境ゲート、常時オープン状態で見張り一人ついていやしねえ。
ヨーロッパの国境でも警官くらいはいたような…。四方が海で陸伝いの異国を知らない日本からすると、こんなんでいいの? と心配になるレベル。
出国はいたって簡単。入国時に書いた書類の2枚目を提出するだけ。あとはホテルからついてきた送迎の人が、横で何かペラペラ喋って補足してくれるので、黙ってパスポート出すだけでOK。楽だ…!
チリの出国はさくっと一瞬で終了。次はアルゼンチンのイミグレなのだが、じつはアルゼンチンの入国審査場所はここじゃないのだ。
再び車に乗り込み何もない、ほんとになーーんにもない草原をひたすら10分ほど走ると…
見えてきたのがこれ、これがアルゼンチンのイミグレ。
言われないと気がつかねぇ(´・ω・`) そしてここもやっぱし見張りとかいないので、たぶんそのままスルーしちゃっても誰も何も言わないと思うんだ…。(出国の時にはツッこまれそうだけど)
入り口に立ててある看板、この黄色い矢印のところに陸路でチリと行き来する人のためのイミグレがある場所らしい。一応は主要な道路沿いに立ってるよ、ということらしい。しかしウシュアイア周辺の島など、肝心なところがだいぶ抜けている気がする。
さてアルゼンチンの入国審査。
建物内に入ると長蛇の列。 ものすごく狭い単なるハコの中に、3つの窓口があって、そのうち外国人用に解放されているのは1つだけ。パソコン画面がいまどき見ないCRTなうえ、一番右端の窓口はなんと名簿手書きなんである。入るなり、「ちょ…」ってなった。
列は全く進まない。面白いほど進まない。
誰かが「チリから国境を越えたとき、入国審査のモタつきでアルゼンチンに来たことを実感する」と言っていたが、まさしくそのとおり。
ちなみに入国審査が進まない原因は、みんな窓口で自分の番が来てから、その場で入国書類を書いているからである。
入国書類の記載内容はチリの入国用紙とだいたい一緒。
が、用紙がスペイン語表記オンリーな上、そもそもその用紙がイミグレの中に置かれておらず、かつ、窓口に並ぶまでその紙が必要だということが何処にも案内されていないのだ。アルゼンチン人ばかじゃねーのかと小一時間。入り口に机と紙置いて、「これ書いてから窓口に並んでネ」って案内すればいいだけの話なのに、なんでそれが出来ないのだ…。ていうか普通そのくらい思いつくだろう…。
この、仕事のやる気の無さというか捌く気の無さ、あるいは混雑を解消するあらゆる努力の放棄は、この先、アルゼンチン国内を移動するに当たって随所で目の当たりにすることとなる。うん、あれだ。南米って一括りにされるけど、国によって気質は全然違うんだ。
チリとペルーは時間に正確で、電車もバスも時間どおりにくる。
アルゼンチンやブラジルは時間には超ルーズでおおよそタイムスケジュールという概念が薄い。
入国審査の担当者はスペイン語しか話せないらしく、英語は単語ですら口にしない。
前のほうに並んでいたアメリカ人が、らちがあかなくなって「すまない、誰かスペイン語を通訳してくれないか?!」と騒ぎ出した。英語圏の旅行者が外国で苦労してるのを見るのは珍しい。こちらはホテルからの送迎の人がいつのまにか入国カードを書いてくれており、通訳もしてくれたので苦労しなかったが、そうでなかったら同じようにドツボにハマっていたかもしれない…。
そして列に並ぶこと1時間。ようやく解放され、再び車に乗り込むが、今度はちょっと走ったところで下ろされて大きめのバスに乗り換えさせられる。
どうやらチリとアルゼンチンの決まりごと上、国境を越えて働くことはNGらしいのだ。ここからは別のドライバーが案内します、とのこと。まあねチリとアルゼンチンは隣同士だけど仲悪いからね…。あとチリ側のほうが給料がいい(ドル換算にすると約二倍)ので、おそらく国境越えを許可するとアルゼンチンの労働者がごっそりチリに逃げてしまうとかもあるんだと思う。
ちなみに後で確認した、両国のイミグレの位置関係はこうなっていた。
ゲートはあったけど、実は厳密にはあそこ国境じゃなかったのだ。真の国境はなんもない草原の中だった(笑)
あそこで放牧してたら紛らわしいことになりそうだな…。
バスは、他の車から乗ってきたお客さんも乗せて、なーんもない平原をカラファテの町へ向けて走り出す。
地図を見るに、40号線を走っているらしい。
サンドイッチを食べ、音楽を聴き、居眠りし、… 寒くなってきたので目を差覚ますと、そこはもうカラファテの郊外。さっきまであんなに晴れていたのに、到着したときは雨になっていた。
町の真ん中のバスターミナルあたりで下ろしてくれるのかと思ったのに、送迎サービスはホテルまで送ってくれるという。楽ちんだ。まあカラファテの町は小さいし、バスターミナルは町のど真ん中にあるのでどっちでもよかったんだが。メインストリートさえ分かっていれば、道に迷うことはない町です。
ホテル到着時刻は15:30。出発したのが9時なので、6時間半ほどかかっている。うち1時間は入国審査の時間。
長距離バスを使っても時間はだいたいおなじだろう。
国境を越えたので、手持ちのあまりのチリペソをアルゼンチンペソに変えるために町に出るが、両替がどこなのか分からない。いや、看板はあるんだが、両替らしき建物が見当たらない…。
うろうろしていたら、看板の隣にあるBARの人がひょっこり出てきて、「両替え? うちだよ」という。Mjd。
そう、… 両替の看板の隣にあるどう見てもBARなお店が、堂々と両替をやっているのだ! いいのかこれ。ちなみにレートは、1ドル9.5ペソ。あぁうんそれアルゼンチン政府が定めた公定レートじゃなくて闇レートだよね(ニッコリ
なお初日は分からなかったが、アルゼンチン国内は、飲食店でも土産物屋でもホテルでも、ほぼどこでも両替可能だった。…闇レートで。
1ドルは、ブエノスアイレスで8.5ペソ。カラファテでは9.5ペソ。ウシュアイアが最高で12ペソ。
なので旅行する人は、焦って首都で大きい額を両替しないほうがいいかもしれない。
ちなみにアルゼンチンのドルペソには、「公定レート」と「闇レート」の二通りがあり、実質、後者が公用となっている。庶民は価値の暴落している自国通貨よりドルをありがたがり、なんとかしてドルを手に入れようと試みるからだ。また、いったんペソに変えたお金は、基本的にドルには戻してもらえない。これらの背景には、アルゼンチンが国債の借金地獄で二回ほどデフォルトしており、外貨獲得に躍起になっているという事情がある。
現在の主な借金元はアメリカ。
2014年には債権を購入したアメリカのファンドとすったもんだがあり(解説ページは色々あるので適当に探してみてね…)、なぜか日本の新聞にもその旨を訴える全面広告をうったことがある。ちまちまと借金を返すことは一応できるのだが、アメリカのファンドが「今すぐ耳そろえて返せや」と訴えたために、「それやったらウチの残金0になるんすけどwww」となって2014年に"実質二度目の"デフォルト、となった。それでも国は回っている。(遠い目
そんなわけで今のアルゼンチンは完全な「ドル強」の世界なんである。公定レートはすこぶる悪いので、旅行者はどうしても闇レートに流れがち。というかアルゼンチンに公定レートで両替する施設が果たしてあるのかどうかすら、今回は分からなかった。
アルゼンチンペソを手にしたところで、とりあえずニメス湖を目指しながら、物価調べも兼ねてメインストリートのお土産屋さんをのぞいていく。
まず目に付いたのが現職のローマ教皇、フランシスコのグッズ。 おいこれ絶対バチカンに許可とってないだろwww
レターペーパーにマグネット、下敷きなどに使われる教皇さん…
さらにはネックレスのディスプレイにも(エセイサ空港内)。これはあかんww
先住民グッズなども多数。しかしやはり私をひきつけるものは本屋、そう本屋である。山地図もいっぱいある。今回行かないけどフィッツロイのトレッキング地図とか広げてムッフーしていた。
面白いなと思ったのは、チリ側パタゴニアではアルゼンチン側パタゴニアのグッズは一切売っていないのに、アルゼンチン側パタゴニアではチリ側パタゴニアのグッズまで売っているというところ。具体的に言うとパイネの絵葉書とか。なんかこう、地味なところで二者の立場の違いとか見えた気がして面白かった。
ちなみに、ここの町の物価もやはり日本と同等もしくは若干の高め。
つか、お土産のチョコ詰め合わせが130ペソ(1820円)とかいうのは、ボッタくりにもほどがあると思った。でもお金稼がないと国が立ち行かないからね、仕方ないね。そのわりに勤労意欲を全く感じないのがアルゼンチンクオリティなんだけども。
というわけで物価チェックが終わったところで、町の郊外にあるニメス湖を見に行くことにする。
野生のフラミンゴに会うために。
*****
まとめ読みはこちら
「痛くない?」と聞かれたので「うん全然」と答えたら、Oh...みたいな反応されたでござる。いや、そんな無理して飛ばしてませんもの(´・ω・`)
今日はどこ行くのと聞かれたので、今日はもうカラファテに言っちゃうよと答えたら残念そうな顔をされた。うーんもうちょっとパイネにも居たかったんだけど、何しろ旅程に余裕がないの…。
つぎに向かう先は、国境を越えてアルゼンチン側にある「ロス・グラシアス国立公園」。
チリ側のパイネ国立公園からは約5時間の距離。
バスも走っているのだが、今回はホテルのトランスポートサービスを使うことにした。
そう、現地の旅行代理店に問い合わせるまで知らなかったが、ホテル・ラス・トーレスに泊まると、カラファテまでホテルの送迎サービスが使えるのだ。別料金だけど。
ちなみにオールインクルージブで契約すると契約の中に送迎まで込みになっている。そのぶんめっちゃ高いけどね!
送迎のお値段や時間は以下のページ参照。
http://www.lastorres.com/all-inclusive/all-inclusive.htm
到着は午後3時とかなので、昼食も込みである。メニューはパイネの塔へ行った時と同じ。サンドイッチのほか、今回はバッナーナがついてきた。
さて朝9時。
目的地が同じなほかの宿泊客とともにワンボックスカーに乗り込み、パイネをあとにする。この日も風はなく、あったかい穏やかなお天気。
国立公園を出てすぐ、カフェ兼お土産屋さんの前で車が止まる。トイレ休憩だという。
…ナタレスからパイネ国立公園に向かう途中で立ち寄ったところだ! これの隣がイミグレだったのか(笑
ちょっと遠目から、建物の左半分がチリ、右半分がアルゼンチン。
境目にゲートと荷物のX線チェックの機械があり、アルゼンチン側から来た人たちはチェックを受けていた。このときナマモノや動植物を持ち込むとチリの税関の人にボッシュートされるので注意しよう。
なおアルゼンチン側にはそんなチェックポイントはなかった。
アルゼンチン→チリは厳しいが、チリ→アルゼンチンは ほぼ ザル。なのに入国に時間がかかる。
しかしこの国境ゲート、常時オープン状態で見張り一人ついていやしねえ。
ヨーロッパの国境でも警官くらいはいたような…。四方が海で陸伝いの異国を知らない日本からすると、こんなんでいいの? と心配になるレベル。
出国はいたって簡単。入国時に書いた書類の2枚目を提出するだけ。あとはホテルからついてきた送迎の人が、横で何かペラペラ喋って補足してくれるので、黙ってパスポート出すだけでOK。楽だ…!
チリの出国はさくっと一瞬で終了。次はアルゼンチンのイミグレなのだが、じつはアルゼンチンの入国審査場所はここじゃないのだ。
再び車に乗り込み何もない、ほんとになーーんにもない草原をひたすら10分ほど走ると…
見えてきたのがこれ、これがアルゼンチンのイミグレ。
言われないと気がつかねぇ(´・ω・`) そしてここもやっぱし見張りとかいないので、たぶんそのままスルーしちゃっても誰も何も言わないと思うんだ…。(出国の時にはツッこまれそうだけど)
入り口に立ててある看板、この黄色い矢印のところに陸路でチリと行き来する人のためのイミグレがある場所らしい。一応は主要な道路沿いに立ってるよ、ということらしい。しかしウシュアイア周辺の島など、肝心なところがだいぶ抜けている気がする。
さてアルゼンチンの入国審査。
建物内に入ると長蛇の列。 ものすごく狭い単なるハコの中に、3つの窓口があって、そのうち外国人用に解放されているのは1つだけ。パソコン画面がいまどき見ないCRTなうえ、一番右端の窓口はなんと名簿手書きなんである。入るなり、「ちょ…」ってなった。
列は全く進まない。面白いほど進まない。
誰かが「チリから国境を越えたとき、入国審査のモタつきでアルゼンチンに来たことを実感する」と言っていたが、まさしくそのとおり。
ちなみに入国審査が進まない原因は、みんな窓口で自分の番が来てから、その場で入国書類を書いているからである。
入国書類の記載内容はチリの入国用紙とだいたい一緒。
が、用紙がスペイン語表記オンリーな上、そもそもその用紙がイミグレの中に置かれておらず、かつ、窓口に並ぶまでその紙が必要だということが何処にも案内されていないのだ。アルゼンチン人ばかじゃねーのかと小一時間。入り口に机と紙置いて、「これ書いてから窓口に並んでネ」って案内すればいいだけの話なのに、なんでそれが出来ないのだ…。ていうか普通そのくらい思いつくだろう…。
この、仕事のやる気の無さというか捌く気の無さ、あるいは混雑を解消するあらゆる努力の放棄は、この先、アルゼンチン国内を移動するに当たって随所で目の当たりにすることとなる。うん、あれだ。南米って一括りにされるけど、国によって気質は全然違うんだ。
チリとペルーは時間に正確で、電車もバスも時間どおりにくる。
アルゼンチンやブラジルは時間には超ルーズでおおよそタイムスケジュールという概念が薄い。
入国審査の担当者はスペイン語しか話せないらしく、英語は単語ですら口にしない。
前のほうに並んでいたアメリカ人が、らちがあかなくなって「すまない、誰かスペイン語を通訳してくれないか?!」と騒ぎ出した。英語圏の旅行者が外国で苦労してるのを見るのは珍しい。こちらはホテルからの送迎の人がいつのまにか入国カードを書いてくれており、通訳もしてくれたので苦労しなかったが、そうでなかったら同じようにドツボにハマっていたかもしれない…。
そして列に並ぶこと1時間。ようやく解放され、再び車に乗り込むが、今度はちょっと走ったところで下ろされて大きめのバスに乗り換えさせられる。
どうやらチリとアルゼンチンの決まりごと上、国境を越えて働くことはNGらしいのだ。ここからは別のドライバーが案内します、とのこと。まあねチリとアルゼンチンは隣同士だけど仲悪いからね…。あとチリ側のほうが給料がいい(ドル換算にすると約二倍)ので、おそらく国境越えを許可するとアルゼンチンの労働者がごっそりチリに逃げてしまうとかもあるんだと思う。
ちなみに後で確認した、両国のイミグレの位置関係はこうなっていた。
ゲートはあったけど、実は厳密にはあそこ国境じゃなかったのだ。真の国境はなんもない草原の中だった(笑)
あそこで放牧してたら紛らわしいことになりそうだな…。
バスは、他の車から乗ってきたお客さんも乗せて、なーんもない平原をカラファテの町へ向けて走り出す。
地図を見るに、40号線を走っているらしい。
サンドイッチを食べ、音楽を聴き、居眠りし、… 寒くなってきたので目を差覚ますと、そこはもうカラファテの郊外。さっきまであんなに晴れていたのに、到着したときは雨になっていた。
町の真ん中のバスターミナルあたりで下ろしてくれるのかと思ったのに、送迎サービスはホテルまで送ってくれるという。楽ちんだ。まあカラファテの町は小さいし、バスターミナルは町のど真ん中にあるのでどっちでもよかったんだが。メインストリートさえ分かっていれば、道に迷うことはない町です。
ホテル到着時刻は15:30。出発したのが9時なので、6時間半ほどかかっている。うち1時間は入国審査の時間。
長距離バスを使っても時間はだいたいおなじだろう。
国境を越えたので、手持ちのあまりのチリペソをアルゼンチンペソに変えるために町に出るが、両替がどこなのか分からない。いや、看板はあるんだが、両替らしき建物が見当たらない…。
うろうろしていたら、看板の隣にあるBARの人がひょっこり出てきて、「両替え? うちだよ」という。Mjd。
そう、… 両替の看板の隣にあるどう見てもBARなお店が、堂々と両替をやっているのだ! いいのかこれ。ちなみにレートは、1ドル9.5ペソ。あぁうんそれアルゼンチン政府が定めた公定レートじゃなくて闇レートだよね(ニッコリ
なお初日は分からなかったが、アルゼンチン国内は、飲食店でも土産物屋でもホテルでも、ほぼどこでも両替可能だった。…闇レートで。
1ドルは、ブエノスアイレスで8.5ペソ。カラファテでは9.5ペソ。ウシュアイアが最高で12ペソ。
なので旅行する人は、焦って首都で大きい額を両替しないほうがいいかもしれない。
ちなみにアルゼンチンのドルペソには、「公定レート」と「闇レート」の二通りがあり、実質、後者が公用となっている。庶民は価値の暴落している自国通貨よりドルをありがたがり、なんとかしてドルを手に入れようと試みるからだ。また、いったんペソに変えたお金は、基本的にドルには戻してもらえない。これらの背景には、アルゼンチンが国債の借金地獄で二回ほどデフォルトしており、外貨獲得に躍起になっているという事情がある。
現在の主な借金元はアメリカ。
2014年には債権を購入したアメリカのファンドとすったもんだがあり(解説ページは色々あるので適当に探してみてね…)、なぜか日本の新聞にもその旨を訴える全面広告をうったことがある。ちまちまと借金を返すことは一応できるのだが、アメリカのファンドが「今すぐ耳そろえて返せや」と訴えたために、「それやったらウチの残金0になるんすけどwww」となって2014年に"実質二度目の"デフォルト、となった。それでも国は回っている。(遠い目
そんなわけで今のアルゼンチンは完全な「ドル強」の世界なんである。公定レートはすこぶる悪いので、旅行者はどうしても闇レートに流れがち。というかアルゼンチンに公定レートで両替する施設が果たしてあるのかどうかすら、今回は分からなかった。
アルゼンチンペソを手にしたところで、とりあえずニメス湖を目指しながら、物価調べも兼ねてメインストリートのお土産屋さんをのぞいていく。
まず目に付いたのが現職のローマ教皇、フランシスコのグッズ。 おいこれ絶対バチカンに許可とってないだろwww
レターペーパーにマグネット、下敷きなどに使われる教皇さん…
さらにはネックレスのディスプレイにも(エセイサ空港内)。これはあかんww
先住民グッズなども多数。しかしやはり私をひきつけるものは本屋、そう本屋である。山地図もいっぱいある。今回行かないけどフィッツロイのトレッキング地図とか広げてムッフーしていた。
面白いなと思ったのは、チリ側パタゴニアではアルゼンチン側パタゴニアのグッズは一切売っていないのに、アルゼンチン側パタゴニアではチリ側パタゴニアのグッズまで売っているというところ。具体的に言うとパイネの絵葉書とか。なんかこう、地味なところで二者の立場の違いとか見えた気がして面白かった。
ちなみに、ここの町の物価もやはり日本と同等もしくは若干の高め。
つか、お土産のチョコ詰め合わせが130ペソ(1820円)とかいうのは、ボッタくりにもほどがあると思った。でもお金稼がないと国が立ち行かないからね、仕方ないね。そのわりに勤労意欲を全く感じないのがアルゼンチンクオリティなんだけども。
というわけで物価チェックが終わったところで、町の郊外にあるニメス湖を見に行くことにする。
野生のフラミンゴに会うために。
*****
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