パタゴニア 消え往く氷河 マルティアルを登る
郊外の森を歩いただけではまだ終わらぬ。
町の背後にある山にも登らねばっ!
マルティアル氷河。
ロンリープラネットでトレッキングコースを物色していたときにたまたま見つけて、「ああ、ここなら半日かかんないくらいじゃん。丁度いいかも」と目をつけていた場所。山の半ばまではタクシーでいくのが基本だ。町の中心部からタクシー15分、お値段70ペソ(980円)くらい。ちなみにウシュアイアのタクシーは、メーターつき、もしくはメーターがなくても「xxホテルからマルティアルまでは幾ら」みたいに料金表が決まっているので、ボッたくられることはまずない。
ただしアルゼンチンの国の事情により、少額貨幣はほとんど流通していない(※コインを作る金がない…)ことから、基本的に細かい額は切り上げとなる。「68.45」のようなメーター表示の時は、70ペソ払うもんだと思うといい。これはタクシーに因らず他のお店やレストランでもそう。
さてホテルのカウンターでタクシーを呼んでもらおうとしたら、おじさんがもじもじしながら携帯の画面でグーグル翻訳を出してきた。なんぞ? と思ったら、スペイン語を打ち込んで英語に翻訳している。「今日はホリデーなので勤務してるタクシーが少ない。なかなか来ない。待ってもらえる?」
ああそうか、翻訳こんにゃくはもう発明されていたのか。スマホで翻訳の時代なんだ今。
などと思いつつ、いいよ、と言うと、おじさんは申し訳なさそうな顔をして電話に向かう。パタゴニアのホテルの従業員は、どこもほとんど英語が通じない。英語の話せるスタッフがいるか否かがホテルランクの条件になっている気がする。
待つこと一時間、タクシーが到着。そこから15分ほどタクシーで走ってリフト乗り場に到着。ここがエントランスなので、「Martial Glacier 連れてって」と言うとここまで連れてきてくれる。左側にはカフェとトイレ。ただし今日は営業していない。
ホリデーなのでリフトも動いていない。通常は朝10時くらいから営業しているそうだ。
ま、動いていてももちろん徒歩で登りますけどね?(ニコッ)
こちらがリフト横に掲げられた看板にあるコース概要地図。
赤い道はHard、青がMiddle、緑がEasyとレベル分けされているが、この山程度なら運動靴でもまぁなんとかなる。なんとかなるが、坂道の斜度はけっこうキツいので、トレッキングシューズがあったほうが絶対に楽だ。
ちなみに通行止めになっている左へ行く道の先には、かつて山小屋があったという。
真ん中の展望台から2つに分かれている赤い道のうち右側はどこにあるのか分からなかった。監視員などもいなくて、ぶっちゃけ道から外れても誰も何も言わないフリーダム山だが、そのぶん転げ落ちても誰も助けてくれないのは言わずもがな。
まずは、リフトのそばの道を徒歩で延々と登る。
なかなかの急斜面。だが関係ねえ、ここまで歩いてきた道に比べれば楽なほうさ!
先に登り始めていた人たちを次々追い越して、リフト乗り場の終着点を通過したのは15分後。ちょっと飛ばしすぎなので速度を緩めることにする。
川を渡る。
そこから10分も立たずに真ん中の展望台まで到着。
ここから道が分岐していて、背後に森の中を突っ切ればリフト乗り場まで降りられるEasyコース。右側に進むとMiddleの展望台コース。正面はHardな登山コースだ。もちろん登山コースへ進む。
氷河はかなり溶けてしまっており、残雪がぽつぽつあるくらいだが、その雪がひっきりなしに溶け続けているため川はけっこうな勢いで流れ落ちている。
地面は岩だらけのため草は生えていないが、かわりに苔がいっぱい。踏むと「もふっ」とする。もふもふ感はクッションのようだ。
歩くこと15分ほどで一番上の展望台に到着、といっても看板も何もない。道が丘で途切れているだけだ。
振り返るとウシュアイアの町の風景が一望できる。この風景がマルティアル氷河の醍醐味。こうしてみると、氷河が山から削り出した土の上に町が出来ているのがよく分かる。
そして、木が生えているのは、見事に日当たりのよい側の斜面だけだ。
ここまでの所要時間は、入り口から1時間弱。だが、私はたぶんペースが速すぎるので、普通の人は1時間半くらいはみておいたほうがいいと思う。
ちなみに後から登ってきていた人たちはこのハードコースの斜度に力尽きて、みんな途中で引き返してしまったようだ。誰も来ない…。
丘の下を通るトレッキングルートの先は、雪で途切れている。
雪に足跡がついているので先まで行った人がいるようだが、雪の先には道はないし、ガチガチに凍った雪はへたに歩くと滑るので、自己責任で。ここで骨折しても誰も拾いに来てくれない。
道の終着点にある展望台は、標高1000mよりちょっと下くらいのところだ。山のてっぺんまでは道が通じていない。というか一番高いところはご覧のとおり雪を越えた先のただの岩の塊なんである。まあ登りたければ登っても誰も止めないと思うけど…自己責任なので・・・。
1000m上がると気温は地表面より6度ほど下がる。この日の町の気温は12度くらい。それでも風がなかったので暖かかったが、風が吹くとめちゃくちゃ寒くなると思われる。
誰もやってこないので、荷物から缶詰を取り出しおやつタイム。
じゃーん。
このシリーズは甘さ控えめで汁まで飲めて、食べきりサイズなので山の行動食にちょうどいいです。缶を持ってかえるのが面倒だけど! これはステマではなくガチマなのです。山はプリンかミカンが至高。今回はさすがにプリンは無理だったのでミカンの缶詰だ。うまいぞおおお
ほどよく腹が満ちたところでまったりと下山開始、ちょうど天気が急変し、背後から雲が迫り始めていた。
パタゴニアの天気は変わりやすい。朝はあんなに晴れていたというのに…
まだ雨は降りそうにない。
展望台まで戻ってきたので、ついでに右側へ行くMiddleのコースに入ってみる。25分と書かれているが、実際は10分ほどの距離。
道は相変わらずの斜度だが、確かにHardのコースよりは楽。
こちらのコースに上ると、リフト乗り場を真上から見下ろす感じになる。
こちらが青のコースの先にある展望台、とその先へ続く道。
道は、どこへつづくとの表記もなく、果てしなく延々と山の斜面を続いていく。いくつもの山を越えて、おそらく町の外まで続いている。トレッキングマップにも載っていないし、誰が何のために使うコースなのか分からない…。謎である。
展望台からの眺め。頭上を追い越した雲が、山の斜面の半分くらいまで陰で覆って町に迫りつある。
パタゴニアは、光と陰の大地。晴れといたかと思えば曇り、雨が降ったと思えば晴れる。通り一本向こうでは晴れていても、自分のいる場所は雨だったりする。
コースルートの分岐する真ん中の展望台まで戻り、そこからリフト乗り場裏に抜ける緑コースに入る。このコースは川沿いの木立の中を歩く。一部足元が泥沼になっていたが、ほぼ平坦。
コースはリフト終着点の目の前にある喫茶店の裏に出る。しかし窓は打ち付けられ、階段は外れており、既に廃業しているようだった。リフト始点のカフェは普段は営業しているようだったので、この山で補給できる場所(&トイレの使える場所)は入り口のみということだろう。
時刻は11時過ぎ、この頃になってようやく他の観光客が続々とマルティアル氷河を訪れ初めていた。
ふもとから来たタクシーが、ピストンでひっきりなしに客を降ろしていく。何しろホリデーなので、町のお店はほとんど閉まっていていく場所がないのだ。
ふもとまでは歩いて戻るつもりだったが、曇ってきたので、町に戻るタクシーのうちの1台を捕まえて戻ることにした。
ここに限った話ではないが、アルゼンチンのタクシーの運転手さんは英語が単語ですらも全く通じない。「広場」とか「メインストリート」と言っても通じなかったので「サン・マルティン(通りの名前)」で何とかなった。反英だからなんですかねー、フォークランド…。
ちなみに町から通じるウネウネした車道、ショートカットは一切ない。
道の途中にあるショートカットっぽい道に入るとどっかのホテルの敷地に突っ込んでしまうので注意されたし…
町に戻ってきた。
ホリデーなので見事なゴーストタウンである。観光客しかいない。観光客だけが所在なさげにウロウロしている。お土産屋さんが1-2軒、レストランも1-2軒とカフェだけが営業している。あとはキオスクくらい…
ペンギンクルーズはショートコースだけは営業しているようだった。あと何故かシャマナ博物館。ほかの博物館系は全部おやすみ。そりゃ、やることのない観光客がマルティアル氷河に集中しても仕方がない(笑) だがその氷河の入り口のカフェはやってないんである。アルゼンチン人、商売というものを(ry) 金を稼ぎたければ(ry)
まあね日本でも正月は休む店多いですけども。奈良京都あたりの観光地の飲食店は、年末年始は逆にフル稼働するよなァ。
誇らしげに入り口に「We are open!」なんて張り紙をしてあるお店に長蛇の列。アルゼンチン人は、とことん行列を整理しない。
ウシュアイア港は今日も元気に稼動中。
おつとめごくろうさまです。
時間があったので、町の坂道をひたすら登っていちばん高いところまで行ってみた。ここが一番高いところで、ここから四方にむけて道が下り坂になっている。一番高いところには電波アンテナが立っていた。
午後は空港へ向かい、ブエノスアイレスへ。
…の、はずだったのだが。
例によって、飛行機は遅れていた。
というかチェックインの時点で「搭乗開始は19時半です。」と宣告された。ああ、うん… そんなことだろうと思った…。今回も原因は、前の便からの玉突きの遅れ。折り返しの便がまだ到着していないのだ。
そもそもこの飛行機自体、予約したときは15時半の出発だった。それがアルゼンチン航空のタイムスケジュール変更で17時45分発になり、そこからさらに2時間遅れ…。日が暮れる前に宿につくのは、もはやムリだ。
旅行者たちも諦めて、広々としたロビーで昼寝にかかっている。私は腹がすいたのでカフェでホットサンドとコーラを注文していた。両方あわせて100ペソ(1400円)、安くは無いが、町で行列に並んでランチを食うよりはるかにストレスフリーだ。
もぐもぐやっていると、食べ物の存在に気づいた人々がわらわらとカフェに集まってくる。することがないので、皆、食べるか寝るか、トランプでもやるしかない。外が明るいので騙されがちだが、この時、既に17時前である。
既に次の便の客がロビーに集まり始めている20時前になって、ようやく飛行機が飛んだ。
空から見るウシュアイアの背後の山々は、面白いくらいはっきりと植生限界が見えている。一定の高度より上には緑がない。
ブエノスアイレスまではおよそ3時間。機内食などは出ない。
時間が遅れまくったお詫びなどあるわけもなく、乗客たちの大半はすきっ腹を抱えたままのフライト。飛行機がつくやいなやカフェに人が殺到していたのも致し方なし。
ちなみに、ようやく到着したブエノスアイレス空港では、こちらもホリデーでタクシーが少ないため長蛇の列である。
先頭見えない(笑)
こんなこともあろうかとホテルへの送迎は事前に頼んでおいたが、それでもホテル到着は日付が変わったあとだった。
アルゼンチン航空の時刻表は信用してはいけない。
夕方便は深夜着になることがある。
この教訓を胸に刻み、久し振りの大都会で眠りについた。
まあ実は翌日、最後にもう一回やらかしてくれるんですけどね。
****
まとめ読みはこちら
町の背後にある山にも登らねばっ!
マルティアル氷河。
ロンリープラネットでトレッキングコースを物色していたときにたまたま見つけて、「ああ、ここなら半日かかんないくらいじゃん。丁度いいかも」と目をつけていた場所。山の半ばまではタクシーでいくのが基本だ。町の中心部からタクシー15分、お値段70ペソ(980円)くらい。ちなみにウシュアイアのタクシーは、メーターつき、もしくはメーターがなくても「xxホテルからマルティアルまでは幾ら」みたいに料金表が決まっているので、ボッたくられることはまずない。
ただしアルゼンチンの国の事情により、少額貨幣はほとんど流通していない(※コインを作る金がない…)ことから、基本的に細かい額は切り上げとなる。「68.45」のようなメーター表示の時は、70ペソ払うもんだと思うといい。これはタクシーに因らず他のお店やレストランでもそう。
さてホテルのカウンターでタクシーを呼んでもらおうとしたら、おじさんがもじもじしながら携帯の画面でグーグル翻訳を出してきた。なんぞ? と思ったら、スペイン語を打ち込んで英語に翻訳している。「今日はホリデーなので勤務してるタクシーが少ない。なかなか来ない。待ってもらえる?」
ああそうか、翻訳こんにゃくはもう発明されていたのか。スマホで翻訳の時代なんだ今。
などと思いつつ、いいよ、と言うと、おじさんは申し訳なさそうな顔をして電話に向かう。パタゴニアのホテルの従業員は、どこもほとんど英語が通じない。英語の話せるスタッフがいるか否かがホテルランクの条件になっている気がする。
待つこと一時間、タクシーが到着。そこから15分ほどタクシーで走ってリフト乗り場に到着。ここがエントランスなので、「Martial Glacier 連れてって」と言うとここまで連れてきてくれる。左側にはカフェとトイレ。ただし今日は営業していない。
ホリデーなのでリフトも動いていない。通常は朝10時くらいから営業しているそうだ。
ま、動いていてももちろん徒歩で登りますけどね?(ニコッ)
こちらがリフト横に掲げられた看板にあるコース概要地図。
赤い道はHard、青がMiddle、緑がEasyとレベル分けされているが、この山程度なら運動靴でもまぁなんとかなる。なんとかなるが、坂道の斜度はけっこうキツいので、トレッキングシューズがあったほうが絶対に楽だ。
ちなみに通行止めになっている左へ行く道の先には、かつて山小屋があったという。
真ん中の展望台から2つに分かれている赤い道のうち右側はどこにあるのか分からなかった。監視員などもいなくて、ぶっちゃけ道から外れても誰も何も言わないフリーダム山だが、そのぶん転げ落ちても誰も助けてくれないのは言わずもがな。
まずは、リフトのそばの道を徒歩で延々と登る。
なかなかの急斜面。だが関係ねえ、ここまで歩いてきた道に比べれば楽なほうさ!
先に登り始めていた人たちを次々追い越して、リフト乗り場の終着点を通過したのは15分後。ちょっと飛ばしすぎなので速度を緩めることにする。
川を渡る。
そこから10分も立たずに真ん中の展望台まで到着。
ここから道が分岐していて、背後に森の中を突っ切ればリフト乗り場まで降りられるEasyコース。右側に進むとMiddleの展望台コース。正面はHardな登山コースだ。もちろん登山コースへ進む。
氷河はかなり溶けてしまっており、残雪がぽつぽつあるくらいだが、その雪がひっきりなしに溶け続けているため川はけっこうな勢いで流れ落ちている。
地面は岩だらけのため草は生えていないが、かわりに苔がいっぱい。踏むと「もふっ」とする。もふもふ感はクッションのようだ。
歩くこと15分ほどで一番上の展望台に到着、といっても看板も何もない。道が丘で途切れているだけだ。
振り返るとウシュアイアの町の風景が一望できる。この風景がマルティアル氷河の醍醐味。こうしてみると、氷河が山から削り出した土の上に町が出来ているのがよく分かる。
そして、木が生えているのは、見事に日当たりのよい側の斜面だけだ。
ここまでの所要時間は、入り口から1時間弱。だが、私はたぶんペースが速すぎるので、普通の人は1時間半くらいはみておいたほうがいいと思う。
ちなみに後から登ってきていた人たちはこのハードコースの斜度に力尽きて、みんな途中で引き返してしまったようだ。誰も来ない…。
丘の下を通るトレッキングルートの先は、雪で途切れている。
雪に足跡がついているので先まで行った人がいるようだが、雪の先には道はないし、ガチガチに凍った雪はへたに歩くと滑るので、自己責任で。ここで骨折しても誰も拾いに来てくれない。
道の終着点にある展望台は、標高1000mよりちょっと下くらいのところだ。山のてっぺんまでは道が通じていない。というか一番高いところはご覧のとおり雪を越えた先のただの岩の塊なんである。まあ登りたければ登っても誰も止めないと思うけど…自己責任なので・・・。
1000m上がると気温は地表面より6度ほど下がる。この日の町の気温は12度くらい。それでも風がなかったので暖かかったが、風が吹くとめちゃくちゃ寒くなると思われる。
誰もやってこないので、荷物から缶詰を取り出しおやつタイム。
じゃーん。
このシリーズは甘さ控えめで汁まで飲めて、食べきりサイズなので山の行動食にちょうどいいです。缶を持ってかえるのが面倒だけど! これはステマではなくガチマなのです。山はプリンかミカンが至高。今回はさすがにプリンは無理だったのでミカンの缶詰だ。うまいぞおおお
ほどよく腹が満ちたところでまったりと下山開始、ちょうど天気が急変し、背後から雲が迫り始めていた。
パタゴニアの天気は変わりやすい。朝はあんなに晴れていたというのに…
まだ雨は降りそうにない。
展望台まで戻ってきたので、ついでに右側へ行くMiddleのコースに入ってみる。25分と書かれているが、実際は10分ほどの距離。
道は相変わらずの斜度だが、確かにHardのコースよりは楽。
こちらのコースに上ると、リフト乗り場を真上から見下ろす感じになる。
こちらが青のコースの先にある展望台、とその先へ続く道。
道は、どこへつづくとの表記もなく、果てしなく延々と山の斜面を続いていく。いくつもの山を越えて、おそらく町の外まで続いている。トレッキングマップにも載っていないし、誰が何のために使うコースなのか分からない…。謎である。
展望台からの眺め。頭上を追い越した雲が、山の斜面の半分くらいまで陰で覆って町に迫りつある。
パタゴニアは、光と陰の大地。晴れといたかと思えば曇り、雨が降ったと思えば晴れる。通り一本向こうでは晴れていても、自分のいる場所は雨だったりする。
コースルートの分岐する真ん中の展望台まで戻り、そこからリフト乗り場裏に抜ける緑コースに入る。このコースは川沿いの木立の中を歩く。一部足元が泥沼になっていたが、ほぼ平坦。
コースはリフト終着点の目の前にある喫茶店の裏に出る。しかし窓は打ち付けられ、階段は外れており、既に廃業しているようだった。リフト始点のカフェは普段は営業しているようだったので、この山で補給できる場所(&トイレの使える場所)は入り口のみということだろう。
時刻は11時過ぎ、この頃になってようやく他の観光客が続々とマルティアル氷河を訪れ初めていた。
ふもとから来たタクシーが、ピストンでひっきりなしに客を降ろしていく。何しろホリデーなので、町のお店はほとんど閉まっていていく場所がないのだ。
ふもとまでは歩いて戻るつもりだったが、曇ってきたので、町に戻るタクシーのうちの1台を捕まえて戻ることにした。
ここに限った話ではないが、アルゼンチンのタクシーの運転手さんは英語が単語ですらも全く通じない。「広場」とか「メインストリート」と言っても通じなかったので「サン・マルティン(通りの名前)」で何とかなった。反英だからなんですかねー、フォークランド…。
ちなみに町から通じるウネウネした車道、ショートカットは一切ない。
道の途中にあるショートカットっぽい道に入るとどっかのホテルの敷地に突っ込んでしまうので注意されたし…
町に戻ってきた。
ホリデーなので見事なゴーストタウンである。観光客しかいない。観光客だけが所在なさげにウロウロしている。お土産屋さんが1-2軒、レストランも1-2軒とカフェだけが営業している。あとはキオスクくらい…
ペンギンクルーズはショートコースだけは営業しているようだった。あと何故かシャマナ博物館。ほかの博物館系は全部おやすみ。そりゃ、やることのない観光客がマルティアル氷河に集中しても仕方がない(笑) だがその氷河の入り口のカフェはやってないんである。アルゼンチン人、商売というものを(ry) 金を稼ぎたければ(ry)
まあね日本でも正月は休む店多いですけども。奈良京都あたりの観光地の飲食店は、年末年始は逆にフル稼働するよなァ。
誇らしげに入り口に「We are open!」なんて張り紙をしてあるお店に長蛇の列。アルゼンチン人は、とことん行列を整理しない。
ウシュアイア港は今日も元気に稼動中。
おつとめごくろうさまです。
時間があったので、町の坂道をひたすら登っていちばん高いところまで行ってみた。ここが一番高いところで、ここから四方にむけて道が下り坂になっている。一番高いところには電波アンテナが立っていた。
午後は空港へ向かい、ブエノスアイレスへ。
…の、はずだったのだが。
例によって、飛行機は遅れていた。
というかチェックインの時点で「搭乗開始は19時半です。」と宣告された。ああ、うん… そんなことだろうと思った…。今回も原因は、前の便からの玉突きの遅れ。折り返しの便がまだ到着していないのだ。
そもそもこの飛行機自体、予約したときは15時半の出発だった。それがアルゼンチン航空のタイムスケジュール変更で17時45分発になり、そこからさらに2時間遅れ…。日が暮れる前に宿につくのは、もはやムリだ。
旅行者たちも諦めて、広々としたロビーで昼寝にかかっている。私は腹がすいたのでカフェでホットサンドとコーラを注文していた。両方あわせて100ペソ(1400円)、安くは無いが、町で行列に並んでランチを食うよりはるかにストレスフリーだ。
もぐもぐやっていると、食べ物の存在に気づいた人々がわらわらとカフェに集まってくる。することがないので、皆、食べるか寝るか、トランプでもやるしかない。外が明るいので騙されがちだが、この時、既に17時前である。
既に次の便の客がロビーに集まり始めている20時前になって、ようやく飛行機が飛んだ。
空から見るウシュアイアの背後の山々は、面白いくらいはっきりと植生限界が見えている。一定の高度より上には緑がない。
ブエノスアイレスまではおよそ3時間。機内食などは出ない。
時間が遅れまくったお詫びなどあるわけもなく、乗客たちの大半はすきっ腹を抱えたままのフライト。飛行機がつくやいなやカフェに人が殺到していたのも致し方なし。
ちなみに、ようやく到着したブエノスアイレス空港では、こちらもホリデーでタクシーが少ないため長蛇の列である。
先頭見えない(笑)
こんなこともあろうかとホテルへの送迎は事前に頼んでおいたが、それでもホテル到着は日付が変わったあとだった。
アルゼンチン航空の時刻表は信用してはいけない。
夕方便は深夜着になることがある。
この教訓を胸に刻み、久し振りの大都会で眠りについた。
まあ実は翌日、最後にもう一回やらかしてくれるんですけどね。
****
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