番外編(2) サンタ迎撃指令 ~サンティアゴのメリークリスマス.

パタゴニアは遠い。
チリ側から入るにしても、アルゼンチン側から入るにしても、いったん首都を経由して飛行機か長距離バスで南下する必要がある。
今回の私の経路はNY→サンティアゴ(チリ首都)→空路でチリ最南端のプンタ・アレーナス、という3ステップ。

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まぁ遠いっちゃ遠いんですが、ぶっちゃけ前回のイースター島と距離は大差ないので大したことはない。

そして二回目なのでチリ人のリズムは学習済みだ。
サンティアゴ市内の両替がシエスタだかなんだかで昼間開いてない上に休日はどこも閉まってるってことも前回で経験済みさ!!!!


サンティアゴに到着したのは午前中。前回の教訓を踏まえ、今回は空港で多めに両替していくことにする。レートは1ドル=590ペソくらい。まぁまぁというところ。

今回のお宿は旧市街の中流ホテル。
「地球の歩き方」などでは、旧市街はやや治安が悪いからと新市外の宿泊をオススメしているが、あんなもんはウソっぱちである。観光地は旧市街にしかないのだ。徒歩で移動できる旧市街に泊まったほうが断然楽だし宿代も安い。つーか新市街のプロビデンシアはここ数年、地下鉄で爆弾テロが何件か起きていて、逆に狙われるような気がする。

そのへんは在チリ日本大使館や外務省のチリ安全情報などで確認するといい。

で、ホテルの人は日本人が遠路はるばる来てることを分かってるらしく、昼に着いたにも関わらずアーリーチェックインさせてくれて、「掃除終わるまで1時間だけ待ってくれ」という。それなら昼飯食ってきますねと荷物を預けて町に出た。

12月、南米は真夏である。
北半球が冬至なら、南半球は夏至。日は頭上近くに照り輝き、肌にじっとりと暑さを感じる。通りの気温計をちらりと見ると…

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うんあれだ、きっとこれは幻覚に違いない。


こんなとこもあろうかと通気性のよい登山服できてるので、ダウン脱いだだけで対応は可能だがしかし、凄まじい温度差。そしてこの炎天下だというのに、通りには屋台が立ち並び、人々はナマモノを食べている。

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…この食い物は一体なんだろうか。
ゆでた豆(トウモロコシ?)っぽいものにアメ湯みたいなものをかけている。
スゲエと思ったのは市場近くの川沿いのセビッチェ売りで、この炎天下に、炎天下にですよ、タッパーに入れた保冷剤もなんもなしのセビッチェを売っているのですよ…!

見た目はうまそーだったけど、さすがに腹壊しそうで怖くて買えなかったです(´・ω・`)
いくら酢でシメてあるといってもなあ…。
同じく炎天下のエジプトさんでも路上でコシャリとか売ってるけど、それ以上のツワモノだと思った。



で、サンティアゴに来たら、まずはやっぱりココ。
サンタ・ルシアの丘。

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アンデスよ、私は帰って来た。

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冬で多少空気の澄んでいた前回に比べ、今回はやや靄がかっていて山の展望はあまりよくない。
奥の7000m級の山が見えないが、それでも手前の山だけで「ザ・ウォール」という感じ。町の片側は世界を隔てる壁のような高峰がずーっと続いている。


そして相変わらず、丘の最上部の展望台には野良犬が寝ている。
キミは二年前にも会った子かい?

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前回は素通りしてしまった丘の脇のちっこい公園に立つおいちゃん。鳩と会話している(笑
ちな鳩は銅像の一部ではなく、そのへんにいる土鳩である。

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誰だろうと思ってあとでググってみたら、この人らしい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Benjam%C3%ADn_Vicu%C3%B1a_Mackenna

あーなるほどだからペンと紙持ってるのねってカンジ。


ぶらぶら観光しつつ、アルマス広場へ。
でかいクリスマスツリーきたー! ちなみに気温は…お察しください。ヤシの木のそよぐ炎天下、時折涼しい風が吹きぬける真夏のクリスマス。日向を歩いていると脱水症状になりかける。
だが、も気温のわりには暑くなかった。日陰が多いし、ショッピングモールやアーケードの中は弱冷房かかってるので快適に過ごせる。日本の40度よりは少なくともはるかに過ごしやすいかと…まあ日本を基準にするとかなりハードルが下がるんですが。

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こちらショッピングモール内のクリスマスツリー。
あぁうんまぁ普通の…っていうかこれ北半球のサンタだよね…? 真夏にこの服…。

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クリスマスグッズの店もあったりするけど、真夏にこれ超違和感。もうちょっとなんかこう、ローカライズしてやれよとか。汗の滲む暑さだというのに罰ゲームのごとく一人真冬の格好をさせられているチリサンタ、かわいそうなので倒すのは止めてあげました(笑 お供のトナカイもいないし。

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ちなみに写真には写ってないけど、店員さんの格好はこんなんです。

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ミニスカサンタどころじゃない、短パンにタンクトップのサンタである。まぁそりゃそうだよね暑いしさ。とりあえず帽子だけでも被ればクリスマス気分らしい。


歩き回っているうちに中央市場に到着。
入り口でツアー団体さんがたむろっている。中は海鮮市場…だったはずだが、なんか前回より店が減ってるかんじがした。代わりにレストランが増えてた? 

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ただし活気が失われたわけではない。生鮮市場のほうは前回よりも大盛況!
雰囲気的に、年末の黒門市場かアメ横である。前回はヒマをもてあまして「ウニ、ウニ!」とか言いながらちょっかいかけてきていたお店の人たちも、買い物客をさばくのに必死である。人ごみで前にも進めない。

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こういう人ごみにスリが出る、らしいのだが、まぁよっぽどスキがなきゃ大丈夫かと。つーか誰も私を日本人だと気づいてくれない(´・ω・`) 現地人だと思っているのかいきなりスペイン語で話しかけられたり、「チーノ?(中国人?)」言われたり。なんでだろう…。


橋を渡ってお向かいは生花と青果の市場。
花の市場にもクリスマスツリー。そして花輪としか言いようのないものが売られている。十字架型のものもあったので、教会とかにもっていくのだろうか。

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二階建ての青果市場も生鮮市場と同じく大盛況!
年末の買い込み状態。ちなみにココの二階は大衆食堂がいっぱいあってお安いです。前回のチリで食った焼きそばっぽい何かは、あの店だけのオリジナルではなく一般食らしい。どこの店もだいたいメニューは一緒。ここで海鮮ピラフのようなものを食べることにする。なおチリのごはんは概ねどこも味はいいのだが、見た目が残飯という欠点がある。盛り付け気にしないんだなチリ人。後日食べた、「だいぶ頑張ってる」ほうの盛り付けでもこんなカンジ。

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このセンスどうなんwww て思うけど、一応盛り付け頑張ってるのは認めようと思う。ちなみに緑色のはパクチー。チリの料理はセビッチェでもピラフでもソパでも、なんでもパクチーをふりかけてくれるので、パクチー嫌いな人は最初に「いれないで」と言っておいたほうがいいと思う。たぶんパセリみたいな扱いなんだろうな。


そして今回。
青果市場でようやく? トウモロコシを見ることが出来たよっ。

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トウモロコシと赤・緑のトウガラシ! これだーこれがアンデスだー、まさしくアンデスの食卓だー!
前回カボチャばっかりだったから、現代チリ人はあんまりトウモロコシ食べないのかと思ってたよ。よくよく考えたらトウモロコシは夏の作物じゃないか。日本が冬のとき南米は夏なんだ。前回は現地が冬だったからカボチャしかなかったんだ。

他にフルーツも。
南米の国々はアメリカなどにフルーツを輸出しているフルーツ生産大国でもあるので、ほぼ原価というか、めっちゃお安い。一山いくら状態。(100チリペソ=20円)。長期滞在する人は、こういうとこで買い物して自炊すればだいぶ食費を抑えられると思う。

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そんなこんなで、旧市街をぐるっと一周してホテルに帰着。
なおクリスマス前なせいか博物館系は全部しまってました(´・ω・`)。プレコロンビーノは建て替え終わって綺麗になってたから、もう一回いってみたかったんだけどねー仕方ない。

翌日はいよいよパタゴニアに向けて飛ぶので、この日は早めにお宿で床についたのであった。



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