パタゴニア チリ最南端プンタ・アレーナス→プエルト・ナタレス
サンティアゴで一泊して英気を養ったら、翌日はいよいよパタゴニアへ!
行き方は二通り。長距離バスでハブ町へ行くか、飛行機で一気に南下するか。
南米は総じてそうだが、特にチリの長距離バスは距離のわりに値段が安くて時間も正確、快適な旅が楽しめる。ただアルゼンチン側は国民性なのか交通網がかなりデタラメなのでバスがどうなってるかは分からない…。
バスは時間がかかるので、今回は一気にプンタ・アレーナスまで飛ぶよっ。
ちなみにプンタ・アレーナスはココ。
緯度的には「世界の果て」ウシュアイアとあんまり変わらない。なので多分寒い。滞在一瞬だったんでよく分からないけど…。チリは南北にほっそ長いので、北海道と沖縄以上の気温差があるのだ。
飛行場は小さく、この町に来た旅行者の目的は「町に留まりペンギンコロニーを見に行く」か、「トレッキングのハブ町になるプエルト・ナタレスに移動する」の二択しかないため実にわかりやすい。町に留まる組は徒歩orタクシー乗り場へ向かい、プエルト・ナタレスに行く組はバス乗り場に向かう。プエルト・ナタレスからプンタ・アレーナスへの長距離バスは沢山走っているので、あまり時間は気にしなくてもいいかもしれない。
ちなみにここから観光地なので、物価がガツンと上がる。
空港で買うペットボトル入り水は1500ペソ。
繰り返す。水は首都の2倍の1500ペソ(約250円)。
「??!!」ってなったわ…。バックパッカーさんとか、気楽に節約しようと思ってるだろうけど、パタゴニアの物価はヘタすると日本以上であることはゆめお忘れなきように。ちなみに地元民の行くっぽいちっこいスーパーでは1.5L入り850ペソだった。(´・ω・`)
郊外方向に空港を出てしばらく行くと、道路はこんな感じになる。
すがすがしいまでに なにもない
ザ・北海道。
目的地まで、こんな道が三時間も続くんである。運転手さんはずっと音楽かけながら鼻うたまじりに歌っていたが、そうでもしなければ居眠りしてしまうのだろう。ちなみに風はむっちゃ強かった。プンタ・アレーナスは海沿いなので、しばらくは海風がダイレクトに打ち付けてきて車体が揺れていたくらい。風景が変わり映えしないので、車に乗ったらあとはもう寝るしかない(笑
で寝てたら突然車が停車して、何事かと見てみたら羊が道路横切ってた。
第一ガウチョ発見。
馬の上から彼らは器用に羊の群れを操り、ドドドド…という地鳴りのような足音を響かせながら道路の向こうに去って行った。だがしかし家はどこにも見当たらない! (写真の奥の白いのは雪で、町ではない) この人たち一体どこに住んでんの? 牧場広すぎてスケール感が全く分からない。
何も無い草原の中には、ところどころ柵っぽいものがあり、牛や馬が点在している。だが飼い人の姿はどこにもなく、途中出会ったのはこの時のガウチョだけだった。車はほとんど走っていないので、ヒッチハイクはむりだと思います。あと道沿いにはカフェが1-2軒あったくらいで町らしき町もほとんど見かけなかったので、徒歩とかはやめたほうがいいかと…。
このフリーダム大自然なカンジは、トルコのカッパドキアにちょっと似ている。ただし、それよりもはるかにスケールは大きい。何しろ見渡す限りの地平線に町が無い。
そして車は走り続け、ようやくプエルト・ナタレスに到着。
位置はここ。パイネ国立公園にアプローチするときの入り口の町。「プエルト」は港という意味なので、町の名前としては「ナタレス」なのかもしれない。
ちょうどクリスマス休暇でお店などはほとんどが閉まっていて、町は閑散としている。動いているのは旅行者だけ。(笑 とりあえず腹が減ったので、車窓から一軒だけ空いてるのが見えたメインストリートのレストランに直行する。
メニューを見ると「ビーフステーキ」の文字があり、じゃあそれでと頼んで出てきたのがこちら。
…。
……。
えっとこれカツレツじゃないですかね? ていうかカツレツですよねこれ??
いやメニューにスペイン語と英語が表記してあって英語のほうしか見ていなかったんだ。まさか誤訳(?)されているとは…ステーキにしちゃ妙に安いなとは思ってたんだ! だけど…だけど! orz …あ、味は美味しかったですハイ。
この時の教訓から、中の人は「英訳を信じない」ということを覚えた。
そして肉料理頼むときに聞かれる「ライス? ポテタ? xxxxx?」が「付け合せを選べ」という意味だということも理解した。
人は過ちによって学ぶ生き物である…。
この時の教訓により、これ以降の行程では美味しいステーキを思う存分食すことが出来たが、それはまた別の物語。
さてごはんのあとは町の散策である。といってもお土産屋さんなどはぜんぶ閉まっており、町自体も1km四方くらいしかないため特にすることもない。海沿いを散歩することにしたのだが、この日はむっちゃくちゃ風が強かった。凄まじい風に身体ごと吹っ飛ばされそうになる。帽子は全く役に立たない。つばがひっくり返るくらいの風なのだ。
湖なのか海なのかははっきりしない。地図を見るとギリギリで海に繋がっているが、氷河から流れだす川が繋がっているので、一応このへんは淡水なのかも… とにかく波は海だからではなく風で発生している。この高波の中を優雅にカモや白鳥(?)が沖合いに浮かんでいて、お前らよくそんなとこで…と感心する。
孫悟空気分が味わえる謎のオブジェ。
勝手に「お釈迦様の手」と名づけておいた。近くには巨大なミロドン(かつてこのへんに住んでいたという、絶滅した巨大ナマケモノ)の像などもある。
ちなみに全行程の中、パタゴニア名物と言われる強風を食らったのは、この日と、次の日だけだった。
町をぐるりと回って、この日オープンしていたのはレストランが2-3軒とスーパー2軒だけ。
レストランは入り口に張り紙がしてあって短縮営業だという。お土産屋さんもウィンドウショッピングだけ。もちろん両替もインフォメーションもお休み。祝日前後にこの町にたどり着く人は注意したほうがいいかもしれない。
ちなみにチリ側パタゴニアのお土産屋さんでは、ヤマナ族が大人気である。
人形に…
毛糸のあみぐるみ(笑) おいちょっとこれ! やめて差し上げろ!! ww
日本のネットでネタ扱いなのはいいとして、本国でもこの扱いなのかよ。
特にすることもなかったので、早々に宿に引き上げる。
ヒマだったのでホテルの人がくれた観光案内パンフレットを見ていたら、「最初のパタゴニア旅行者」としてレディ・フローレンス・ディクシーなる女性探検家が紹介されていた。あとでググってみたところ、この人のことらしい。
Florence Dixie
http://en.wikipedia.org/wiki/Florence_Dixie#Travels_in_Patagonia
女性でこんなとこまで来たのかーすごいなー、なんて思いつつ、その日も早めに就寝。
翌日はパイネ国立公園へ移動して、いよいよパタゴニアトレッキングの始まり。
*****
なお今回は町をスルーしてしまったので見ていないが、プンタ・アレーナスには、誰かの寄贈だというマゼラン像がある。足元にパタゴニアの先住民たちの像があり、それらを踏みつけるようにしてマゼランが胸を張っているという、実に悪趣味かつ胸糞の悪くなるような像だ。いくら先住民がほとんど絶滅しているからといっても、ちょっと酷い。そんなもんいつまでも置いとくなよ…と言いたくもなる。
と同時に、いま町に住んでいる人たちは移住民であって、征服者側の人間に過ぎないのだな、とちょっと寂しくもなった。パタゴニアにいま住んでいる人たちは、ほんの数人の生粋の先住民の生き残りを除けば、すべて混血or移住者たちだ。なので顔立ちや姿は白人系が多く、どこの町に行っても、多少南米のモンゴロイド風な人がいるかなーくらいだった。
****
まとめ読みはこちら
行き方は二通り。長距離バスでハブ町へ行くか、飛行機で一気に南下するか。
南米は総じてそうだが、特にチリの長距離バスは距離のわりに値段が安くて時間も正確、快適な旅が楽しめる。ただアルゼンチン側は国民性なのか交通網がかなりデタラメなのでバスがどうなってるかは分からない…。
バスは時間がかかるので、今回は一気にプンタ・アレーナスまで飛ぶよっ。
ちなみにプンタ・アレーナスはココ。
緯度的には「世界の果て」ウシュアイアとあんまり変わらない。なので多分寒い。滞在一瞬だったんでよく分からないけど…。チリは南北にほっそ長いので、北海道と沖縄以上の気温差があるのだ。
飛行場は小さく、この町に来た旅行者の目的は「町に留まりペンギンコロニーを見に行く」か、「トレッキングのハブ町になるプエルト・ナタレスに移動する」の二択しかないため実にわかりやすい。町に留まる組は徒歩orタクシー乗り場へ向かい、プエルト・ナタレスに行く組はバス乗り場に向かう。プエルト・ナタレスからプンタ・アレーナスへの長距離バスは沢山走っているので、あまり時間は気にしなくてもいいかもしれない。
ちなみにここから観光地なので、物価がガツンと上がる。
空港で買うペットボトル入り水は1500ペソ。
繰り返す。水は首都の2倍の1500ペソ(約250円)。
「??!!」ってなったわ…。バックパッカーさんとか、気楽に節約しようと思ってるだろうけど、パタゴニアの物価はヘタすると日本以上であることはゆめお忘れなきように。ちなみに地元民の行くっぽいちっこいスーパーでは1.5L入り850ペソだった。(´・ω・`)
郊外方向に空港を出てしばらく行くと、道路はこんな感じになる。
すがすがしいまでに なにもない
ザ・北海道。
目的地まで、こんな道が三時間も続くんである。運転手さんはずっと音楽かけながら鼻うたまじりに歌っていたが、そうでもしなければ居眠りしてしまうのだろう。ちなみに風はむっちゃ強かった。プンタ・アレーナスは海沿いなので、しばらくは海風がダイレクトに打ち付けてきて車体が揺れていたくらい。風景が変わり映えしないので、車に乗ったらあとはもう寝るしかない(笑
で寝てたら突然車が停車して、何事かと見てみたら羊が道路横切ってた。
第一ガウチョ発見。
馬の上から彼らは器用に羊の群れを操り、ドドドド…という地鳴りのような足音を響かせながら道路の向こうに去って行った。だがしかし家はどこにも見当たらない! (写真の奥の白いのは雪で、町ではない) この人たち一体どこに住んでんの? 牧場広すぎてスケール感が全く分からない。
何も無い草原の中には、ところどころ柵っぽいものがあり、牛や馬が点在している。だが飼い人の姿はどこにもなく、途中出会ったのはこの時のガウチョだけだった。車はほとんど走っていないので、ヒッチハイクはむりだと思います。あと道沿いにはカフェが1-2軒あったくらいで町らしき町もほとんど見かけなかったので、徒歩とかはやめたほうがいいかと…。
このフリーダム大自然なカンジは、トルコのカッパドキアにちょっと似ている。ただし、それよりもはるかにスケールは大きい。何しろ見渡す限りの地平線に町が無い。
そして車は走り続け、ようやくプエルト・ナタレスに到着。
位置はここ。パイネ国立公園にアプローチするときの入り口の町。「プエルト」は港という意味なので、町の名前としては「ナタレス」なのかもしれない。
ちょうどクリスマス休暇でお店などはほとんどが閉まっていて、町は閑散としている。動いているのは旅行者だけ。(笑 とりあえず腹が減ったので、車窓から一軒だけ空いてるのが見えたメインストリートのレストランに直行する。
メニューを見ると「ビーフステーキ」の文字があり、じゃあそれでと頼んで出てきたのがこちら。
…。
……。
えっとこれカツレツじゃないですかね? ていうかカツレツですよねこれ??
いやメニューにスペイン語と英語が表記してあって英語のほうしか見ていなかったんだ。まさか誤訳(?)されているとは…ステーキにしちゃ妙に安いなとは思ってたんだ! だけど…だけど! orz …あ、味は美味しかったですハイ。
この時の教訓から、中の人は「英訳を信じない」ということを覚えた。
そして肉料理頼むときに聞かれる「ライス? ポテタ? xxxxx?」が「付け合せを選べ」という意味だということも理解した。
人は過ちによって学ぶ生き物である…。
この時の教訓により、これ以降の行程では美味しいステーキを思う存分食すことが出来たが、それはまた別の物語。
さてごはんのあとは町の散策である。といってもお土産屋さんなどはぜんぶ閉まっており、町自体も1km四方くらいしかないため特にすることもない。海沿いを散歩することにしたのだが、この日はむっちゃくちゃ風が強かった。凄まじい風に身体ごと吹っ飛ばされそうになる。帽子は全く役に立たない。つばがひっくり返るくらいの風なのだ。
湖なのか海なのかははっきりしない。地図を見るとギリギリで海に繋がっているが、氷河から流れだす川が繋がっているので、一応このへんは淡水なのかも… とにかく波は海だからではなく風で発生している。この高波の中を優雅にカモや白鳥(?)が沖合いに浮かんでいて、お前らよくそんなとこで…と感心する。
孫悟空気分が味わえる謎のオブジェ。
勝手に「お釈迦様の手」と名づけておいた。近くには巨大なミロドン(かつてこのへんに住んでいたという、絶滅した巨大ナマケモノ)の像などもある。
ちなみに全行程の中、パタゴニア名物と言われる強風を食らったのは、この日と、次の日だけだった。
町をぐるりと回って、この日オープンしていたのはレストランが2-3軒とスーパー2軒だけ。
レストランは入り口に張り紙がしてあって短縮営業だという。お土産屋さんもウィンドウショッピングだけ。もちろん両替もインフォメーションもお休み。祝日前後にこの町にたどり着く人は注意したほうがいいかもしれない。
ちなみにチリ側パタゴニアのお土産屋さんでは、ヤマナ族が大人気である。
人形に…
毛糸のあみぐるみ(笑) おいちょっとこれ! やめて差し上げろ!! ww
日本のネットでネタ扱いなのはいいとして、本国でもこの扱いなのかよ。
特にすることもなかったので、早々に宿に引き上げる。
ヒマだったのでホテルの人がくれた観光案内パンフレットを見ていたら、「最初のパタゴニア旅行者」としてレディ・フローレンス・ディクシーなる女性探検家が紹介されていた。あとでググってみたところ、この人のことらしい。
Florence Dixie
http://en.wikipedia.org/wiki/Florence_Dixie#Travels_in_Patagonia
女性でこんなとこまで来たのかーすごいなー、なんて思いつつ、その日も早めに就寝。
翌日はパイネ国立公園へ移動して、いよいよパタゴニアトレッキングの始まり。
*****
なお今回は町をスルーしてしまったので見ていないが、プンタ・アレーナスには、誰かの寄贈だというマゼラン像がある。足元にパタゴニアの先住民たちの像があり、それらを踏みつけるようにしてマゼランが胸を張っているという、実に悪趣味かつ胸糞の悪くなるような像だ。いくら先住民がほとんど絶滅しているからといっても、ちょっと酷い。そんなもんいつまでも置いとくなよ…と言いたくもなる。
と同時に、いま町に住んでいる人たちは移住民であって、征服者側の人間に過ぎないのだな、とちょっと寂しくもなった。パタゴニアにいま住んでいる人たちは、ほんの数人の生粋の先住民の生き残りを除けば、すべて混血or移住者たちだ。なので顔立ちや姿は白人系が多く、どこの町に行っても、多少南米のモンゴロイド風な人がいるかなーくらいだった。
****
まとめ読みはこちら