エジプト「どどどどうしよう。ツタンカーメンの黄金のマスクのヒゲが外れちゃった…そうだ…!」→

いつものエジプトクオリティで、どじっ子属性が発動しちゃったゾ★

スタッフが展示室の作業中、誤って黄金のマスクにぶつかってヒゲが外れてた…という衝撃的なニュースが全世界を駆け巡ったのがつい先日。ツタンカーメンの黄金のマスクといえば、古代エジプト美術の中でも有名どころ、だいたい誰でも知ってるものです。よりによってそれの保管に問題発生とか意味分かりません。

でもヒゲが外れるのくらいは別にどーってことはないんです、いやほんとはダメだけど。ほんとはダメだけど、外れただけならまだここまでの騒ぎにはならなかった。問題は、そのあとパニクったカイロ考古学博物館職員のとった行動だったんです…。

全世界からツッコミの嵐となった行動とは、さて、次のうちのどれでしょう?


 1.  展示品をレプリカとすりかえた
 2. ヒゲを前後逆に差し込みなおした
 3. ヒゲを接着剤でくっつけた


正解は… 3 でしたー!  当たったかなー?


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※マジです。



ニュースソースの中には「ヒゲが折れた」と書かれているものもありますが、別に折れたわけじゃありません、外れただけです。マスクのヒゲの部分は着脱可能な作りで、本体に差し込んでいるので、外せます。ただ、外れちゃうくらい強くぶつかったの? ていうか体当たりでもしたの? って話ですが…。


ツタンカーメンのあごひげが外れた!黄金のマスクに接着剤の痕
http://www.afpbb.com/articles/-/3037561


首都カイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)に近いエジプト考古学博物館(Egyptian Museum)で23日にAFPの記者がマスクを見たところ、外れてしまったあごひげの部分を付け直そうとして接着剤を使いすぎた痕跡が見てとれた。ある匿名の博物館関係者によると昨年、照明を修理するために展示ケースからマスクを出そうとした際の不手際で、あごひげの部分が外れてしまったのだという。

 エジプト考古学博物館の館長は、文化財の保護担当者らによってマスクが破損したという情報を否定した。マムドゥーフ・ダマティ(Mamdouh al-Damati)考古相も、3000年前の遺品がいいかげんに扱われたことはないと明言したが、博物館員たちがなぜマスクを修復する必要があったのかについては説明しなかった。


ちなみにこの破損が発生したのは 2014年8月 です。そう、半年近く内緒にしてたんです。噂では去年からぽつぽつ流れてはいたのですが、2chの書き込みレベルだったので、「いやーさすがにそれはないっしょー」と言われていたんですが… が…。予想の斜め上展開でした。

ここに来て発表したのは、さすがに隠し仰せなくなったのか、腹を決めたのか、ってところですが、エジプトの考古学関連のニュースは考古省が許可しないと発表されないので、発掘シーズンに入ってポジティヴな発見のニュースが多数流れる時期を狙って流したのかもしれません。「接着剤は剥がせる。修復可能。」と同時に発表しているようなので、対応策の検討が終わってから発表したってことなのかも。まーなんだすげえ国だよエジプト。


BBCのニュース番組からキャプチャした、問題の接着剤箇所。
あー… うーん… はみ… 出してますね。

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集まった報道陣相手にてきぱきとシナリオを読み上げていく考古相。

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別の報道から。アゴの下に接着剤が力いっぱいはみ出しているのが見える(笑)
なんだこれイタズラでコップ壊した子供が接着剤でくっつけて誤魔化すレベル。でもくっつけたものはマグカップの取ってじゃなくて、黄金のマスクだからな!!!

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ちなみにこちらが、ありし日(?)の黄金のマスクです。
高画質なので画像大きめ。拡大してヒゲんとこ見比べてみると、「あー・・・・・」って感じだと思います。ていうかなんでこれでバレないと思ったんだエジプト人。

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他のソースをあさっていくと幾つか追加の情報が出てきます。
たとえばこことか見ると

http://www.history.com/news/beard-on-king-tuts-mask-snapped-off-glued-back-on


Then, three museum curators, speaking anonymously, confirmed to the Associated Press that an accident had occurred and said that they were ordered to immediately repair the mask overnight to ensure that one of the museum’s top draws would remain on display.


博物館スタッフが匿名で語った内容によると、事故が起きたことがバレそうになったのでトップの一人が「一晩で修復しろ。」と命じたという…なんかすごい話が…


In some respects, the cover-up proved more damaging than the original accident. The rush repair was made with a strong, fast-drying epoxy normally used for wood or metal, not for a fragile 3,300-year-old antiquity. One anonymous curator said that the glue was applied too liberally and that a spatula was used to scrape some of the dried epoxy from the mask, which ended up causing a scratch.


「修復」に使われたものは速乾性のエポキシ樹脂。要するに強力ボンドみたいなもん。
今回の会見では「ヒゲは落ちたけど黄金のマスク自体に損傷は無い!」と力説していますが、エポキシをぬりつけたときのヘラの跡が残ってしまった、という証言があるようです。つーかヒゲおちるくらいぶつかっといてノーダメージでしたっていう会見は信用できないです。そもそも誤魔化そうとして樹脂でくっつけた人たちの言うことですし。


ドイツの専門家 Christian Eckmann は、接着剤をはがせると述べている、とのことで、とりあえずドイツの技術者呼んで来て接着剤はがすところからでしょうか。なんとか元に戻りそうなのでほっとするところではありますが、そもそもまともな管理してれば遺物の外れたとこを接着剤でくっつけたりしない(しかも自国の一番の目玉を!)ですからね。



そしてさらなるツッコみどころは、この無茶苦茶な対応に対して、"古代エジプトの文化遺産を不適切な取り扱いや略奪から守る活動をしてきた文化財保護組織「文化遺産タスクフォース」"が、考古相を訴えるということ。文化財タスクフォースのモニカ・ハンナさんはエジプトの考古学者。つまり自国民に訴えられちゃってるわけです。もう何がなんだか分かりません。(笑)



ちなみに最近やらかしたものとしては

エジプト、階段ピラミッド修復失敗のニュース。
https://55096962.seesaa.net/article/201409article_8.html

階段ピラミッド修復失敗ニュースが色々とやばい。
https://55096962.seesaa.net/article/201409article_25.html

…という状況です。お分かりですね。エジプトさんの大本営を信じてはいけません。現在進行中の修復・保護プロジェクトがまともに進んでいるなんて思わないことです。何が起きてもおかしくない… だって エジプトだもの


これを「あーうんエジプトだしねー仕方ないよねー」と笑えるようになってこそエジラーなのですよ(?)。
次はどんなびっくりニュースが出てくるか、エジプトから目が離せませんね★ いやー楽しみだなあ、HAHAHA…







…次はカルナック神殿かルクソール神殿あたりで何かやらかしそうだな(ポソッ

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