ギルガメッシュ叙事詩を改めて読み比べしたらバビロニア語版だけおかしい気がして来た
世界最古のBL小説、公式ホモと噂される「ギルガメシュ叙事詩」。時代と地域を越えて語り継がれてきたもののため、色んな言語のものがありる。原作はシュメール人。しかしおそらく要素を付け足して完成させたのはアッカド人+バビロニア人。
つまりバビロニア人は 世界最古の同人作家 と言っていいのではないかとかなんとか。
今日はそこらへん適当に追及してみようと思います。(キリッ
※シュメールとかバビロニアとかの違い(年代/場所)はこっちに纏めました
https://55096962.seesaa.net/article/201506article_12.html
ざくっというと、シュメール人が文明の基本築いたあとにやって来て、文明を引き継いで領域を拡大していったのがアッカド人とバビロニア人。この二つの民族の間ではあまり差異がなくて、言語も方言程度の違いのようだ。
分かりにくいかもしれないので、まずは
シュメール 紀元前2000年以前
バビロニア 紀元前2000年以降
というカンジで大別するといいかも。
んでバビロニアの中に、古バビロニア、中期バビロニア、新バビロニアがあって、新バビロニアでメソポタミア北部のアッシリアを併合するカンジっすかね。
*********
さて現在知られている「ギルガメシュ叙事詩」だが、実は元々のシュメール語の時点ではけっこう淡白なカンジだった。シュメール語の時点では、ギルガメシュものは以下の5つの作品として分裂している。
・ギルガメシュとアッカ
・ギルガメシュとフワワ
・ギルガメシュ、エンキドゥ、天牛
・ギルガメシュ、エンキドゥ、冥界
・ギルガメシュの死
このうち「ギルガメシュとフワワ」がフンババ退治の部分に、「ギルガメシュ、エンキドゥ、天牛」がその後のイシュタルの求婚シーンに、「ギルガメシュ、エンキドゥ、冥界」の一部がエンキドゥの死に使われ、再構成されたようです。だから、現在翻訳に使われてる「標準版」と言われるギルガメッシュ叙事詩は実は中期バビロニアのものを中心に、欠損部分に後期バビロニア版を足したもの。
元になってるシュメール語版の全訳はオックスフォードのやってるページでEnkidu とか入れてサーチすると出てくる。
http://etcsl.orinst.ox.ac.uk/
一部は邦訳本などでも読めるのだが、…まぁなんていうか、バビロニアの「標準版」と比べると、かなり淡白。
「ギルガメシュとフワワ」の訳は以下。エンキドゥは親友ではなく「奴隷」になっていて、ギルガメシュは「名を挙げるため」に森へ向かい、怪物を倒して栄光を手に入れましためでたしめでたしというカンジの物語になっている。
※ちなみにシュメール語版ではフンババは「フワワ」、ギルガメシュは「ビルガメシュ」になってます。
VerA
http://etcsl.orinst.ox.ac.uk/cgi-bin/etcsl.cgi?text=t.1.8.1.5&display=Crit&charenc=gcirc&lineid=t1815.p1#t1815.p1
VerB
http://etcsl.orinst.ox.ac.uk/cgi-bin/etcsl.cgi?text=t.1.8.1.5.1&display=Crit&charenc=gcirc&lineid=t18151.p1#t18151.p1
この物語だと、面白いは面白いけど今ほど多くの神話ファンをキュンキュンさせる内容ではないだろう。
それが、古バビロニア時代はシュメール語の物語をそのまま書き写してるだけだったのに…中期バビロニアに入ると今の状態に…。
そう、今のギルガメッシュ叙事詩が えらく萌え要素過多 になっているのは、古バビロニア~中期バビロニアのあたりでバビロニア人(アッカド人+バビロニア人)がせっせと創作・再編した結果なのだ。
バビロニア人の犯行GJだったのだ。
奴隷だったエンキドゥを主人公の親友に変え、さらに「愛する人」とか端々にちりばめ、ただ友達にするのではなく「戦ったあと友情が芽生えた」と少年ジャンプ的設定を付け加え、ギルガメシュの命令で死ぬのではなく、身代わりとなって死ぬというストーリーにしてしまった。
そして新バビロニアに入ると、エンキドゥとフンババが昔知り合いだった、という設定が付け加えられ、戦うシーンでフンババが悲しげにエンキドゥに語りかけたりしている… それが近年新たに発見されたこの粘土板で発見されたエピソード。
うん、なんていうかバビロニア、偉大だな。
現代に通じる色んな萌え要素を生み出した偉大なるバビロニア先輩に敬礼。これが神によってサークルが散らされる原因となったバベルの塔の正体であったのか_…。
というわけで、ストーリー前半部分で私のイチおしのシーンを一つ挙げてみたいと思う。
月本訳版から、ギルガメシュが夢でエンキドゥがやってくることを知り、その夢を母ニンスンが解くというシーン。
はいもう言葉はいりませんね。
お母様公認です。
************
尚、ギルガメシュ叙事詩の残っている断片には、メソポタミア圏の外のものもある。
ヒッタイト語版、フリ語版、エラム語版
このうちヒッタイト語版とフルリ語版は、ダイジェストにされているため内容は駆け足で淡白。萌え要素はほぼなくなっている。
エラム語版は内容がかなり異なっていてスピンオフっぽい雰囲気のようだ。
つまり、おかしいのは ほぼバビロニア語版だけ。
もう一度言いますが、バビロニア先輩は偉大な先人であった。
つまりバビロニア人は 世界最古の同人作家 と言っていいのではないかとかなんとか。
今日はそこらへん適当に追及してみようと思います。(キリッ
※シュメールとかバビロニアとかの違い(年代/場所)はこっちに纏めました
https://55096962.seesaa.net/article/201506article_12.html
ざくっというと、シュメール人が文明の基本築いたあとにやって来て、文明を引き継いで領域を拡大していったのがアッカド人とバビロニア人。この二つの民族の間ではあまり差異がなくて、言語も方言程度の違いのようだ。
分かりにくいかもしれないので、まずは
シュメール 紀元前2000年以前
バビロニア 紀元前2000年以降
というカンジで大別するといいかも。
んでバビロニアの中に、古バビロニア、中期バビロニア、新バビロニアがあって、新バビロニアでメソポタミア北部のアッシリアを併合するカンジっすかね。
*********
さて現在知られている「ギルガメシュ叙事詩」だが、実は元々のシュメール語の時点ではけっこう淡白なカンジだった。シュメール語の時点では、ギルガメシュものは以下の5つの作品として分裂している。
・ギルガメシュとアッカ
・ギルガメシュとフワワ
・ギルガメシュ、エンキドゥ、天牛
・ギルガメシュ、エンキドゥ、冥界
・ギルガメシュの死
このうち「ギルガメシュとフワワ」がフンババ退治の部分に、「ギルガメシュ、エンキドゥ、天牛」がその後のイシュタルの求婚シーンに、「ギルガメシュ、エンキドゥ、冥界」の一部がエンキドゥの死に使われ、再構成されたようです。だから、現在翻訳に使われてる「標準版」と言われるギルガメッシュ叙事詩は実は中期バビロニアのものを中心に、欠損部分に後期バビロニア版を足したもの。
元になってるシュメール語版の全訳はオックスフォードのやってるページでEnkidu とか入れてサーチすると出てくる。
http://etcsl.orinst.ox.ac.uk/
一部は邦訳本などでも読めるのだが、…まぁなんていうか、バビロニアの「標準版」と比べると、かなり淡白。
「ギルガメシュとフワワ」の訳は以下。エンキドゥは親友ではなく「奴隷」になっていて、ギルガメシュは「名を挙げるため」に森へ向かい、怪物を倒して栄光を手に入れましためでたしめでたしというカンジの物語になっている。
※ちなみにシュメール語版ではフンババは「フワワ」、ギルガメシュは「ビルガメシュ」になってます。
VerA
http://etcsl.orinst.ox.ac.uk/cgi-bin/etcsl.cgi?text=t.1.8.1.5&display=Crit&charenc=gcirc&lineid=t1815.p1#t1815.p1
VerB
http://etcsl.orinst.ox.ac.uk/cgi-bin/etcsl.cgi?text=t.1.8.1.5.1&display=Crit&charenc=gcirc&lineid=t18151.p1#t18151.p1
この物語だと、面白いは面白いけど今ほど多くの神話ファンをキュンキュンさせる内容ではないだろう。
それが、古バビロニア時代はシュメール語の物語をそのまま書き写してるだけだったのに…中期バビロニアに入ると今の状態に…。
そう、今のギルガメッシュ叙事詩が えらく萌え要素過多 になっているのは、古バビロニア~中期バビロニアのあたりでバビロニア人(アッカド人+バビロニア人)がせっせと創作・再編した結果なのだ。
バビロニア人
奴隷だったエンキドゥを主人公の親友に変え、さらに「愛する人」とか端々にちりばめ、ただ友達にするのではなく「戦ったあと友情が芽生えた」と少年ジャンプ的設定を付け加え、ギルガメシュの命令で死ぬのではなく、身代わりとなって死ぬというストーリーにしてしまった。
そして新バビロニアに入ると、エンキドゥとフンババが昔知り合いだった、という設定が付け加えられ、戦うシーンでフンババが悲しげにエンキドゥに語りかけたりしている… それが近年新たに発見されたこの粘土板で発見されたエピソード。
うん、なんていうかバビロニア、偉大だな。
現代に通じる色んな萌え要素を生み出した偉大なるバビロニア先輩に敬礼。これが神によってサークルが散らされる原因となったバベルの塔の正体であったのか_…。
というわけで、ストーリー前半部分で私のイチおしのシーンを一つ挙げてみたいと思う。
月本訳版から、ギルガメシュが夢でエンキドゥがやってくることを知り、その夢を母ニンスンが解くというシーン。
はいもう言葉はいりませんね。
お母様公認です。
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尚、ギルガメシュ叙事詩の残っている断片には、メソポタミア圏の外のものもある。
ヒッタイト語版、フリ語版、エラム語版
このうちヒッタイト語版とフルリ語版は、ダイジェストにされているため内容は駆け足で淡白。萌え要素はほぼなくなっている。
エラム語版は内容がかなり異なっていてスピンオフっぽい雰囲気のようだ。
つまり、おかしいのは ほぼバビロニア語版だけ。
もう一度言いますが、バビロニア先輩は偉大な先人であった。

