ピラミッド建設(ガテン系)労働者は塩飴を舐めたか? 当たり前で大事なことは本に書いていないシリーズ。

ピラミッド建設はガテン系現場なので、現代の工事の人と同じく塩っ辛いものを食ってたはずなのだが、食事メニューの中に十分塩分の取れそうなものが見当たらない。パンとビールだけじゃ多分たりんだろ? 塩どうすんの?

…今日は昼飯時に思いついたそんな話。


いやさ、石切り出すだけならともかく、運搬するんでしょアレ。せいぜい15キロくらいしか担いでない山登りでも相当水と塩分恋しくなるのに、石ひっぱってってドロップして戻ってくるだけでもキツくない? 特に夏場とか。傾斜路の脇には水がめ常備で、喉渇いたら定期的に水飲むようにしないと熱射病でぶっ倒れるっしょ。んで塩飴でも舐めてないと動けないでしょ。

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ちなみに現代エジプトだと道端に素焼きの水がめと器を置いてあって、誰でも飲めるようにした公共の水のみ場みたいなのがある。かめの中の水は新鮮なこともあるけど、たまにボウフラ湧いてたりするので観光客はとても飲めない。が、かめの表面から水分が定期的に蒸発していくので、その効果で真夏でも意外と冷たかったりするらしい。

そういうの多分、古代にも置いてたんだと思うんだよね。水がめに水補給する係とかもいたと思うんだ。

で、問題は塩。おいらは山いくとき酒のツマミもってって塩分補充してるけど、古代エジプト人どうしてたんだろう。塩分補給のためにかめの側に岩塩でも置いてたのか、食事の支給に塩も入っててたのか。最近出た「ピラミッド・タウンを発掘する」でも、塩についての記述はなかったと思う。(念のためざっとめくってみたが、見当たらず) ネットで検索しても、ギザ台地の塩害の話ばかりで労働者たちの摂取塩分についての論文などは見つからなかった。

労働者みんなに配給するなら塩もそれなりの規模で流通ルートないとだめな気がするんだが、まさかミイラづくりに使うナトロンを持ってきたとは思えないが、製塩はどうしてたんだろう。岩塩よりは海の塩だよなぁ? 




本に書いてることだけが全てと思ってはいけない。書いてない当たり前のことだって沢山ある。
当たり前で大事なことほど、本には書いていないし、人間なので自分の興味ないことはほっとくし、そして地味で当たり前なことは意外と考慮から漏れやすい。だから、何か考えるときは、自分の中の常識もフル稼働させてほしいのね。自分がそこに居たとして、何が必要ですか? どんなことをしますか? っていう感じで。

人間は無意識にセンセーショナルな事実を求めたがるのだけれど、現実はもっと地味で緻密で、だからこそ分かれば面白い。


ちなみに、ちょろっとググってみたところでは成人男性の必要塩分は一日8gだそうだが、汗を大量にかくような重労働だと30-40gも必要になる、との記述があった。40g x 1万人 = 一日に400kg。 一ヶ月30日で 12t。 wow.... これは工業ベースで量産しないと無理ゲー…



どっかで古代エジプト人の塩の利用についての記述を見たような気がするから、たぶん誰かは研究してると思うんだよなぁ…。ていうかさすがにあるだろこのくらいの考察は…。

調べてみたらけっこう面白いんじゃねって思ったけど、その前に やすみください。(有給残日数34日)

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