旧石器捏造事件で消された遺跡のリスト(藤村新一の関わった遺跡)を探してきた。
日本の考古学史に残る大事件なのに、旧石器捏造事件は考古学史の本に載っていないのだという。
本当かぁ~? と思って本屋と図書館を巡ってみたら、マジだった。すごいんだよ、キレイさっぱり消えてるの(笑) 著名な考古学者の欄に芹沢長介とか普通に載ってるのに、捏造に関わった部分を消しちゃってるから、なぜか二十年くらい居なかったことになってる。
というのも、捏造発覚後、すみやかに該当箇所が消されて再版されているのだ。たとえば「旧石器考古学辞典」(旧石器文化談話会 編)なんかは、さすがに冒頭にちょろっと改訂版に当たって捏造事件があったことに触れているが、全く書かずに「この10年ほどの間に大きく変化した部分を改訂し…」みたいに濁している本もあった。図書館の旧石器関連の本は片っ端から2001年くらいに改訂されたやつで、藤村氏の存在も、3万年を遡る多くの旧石器も、かつて認められていた遺跡群も消されている。徹底してんなぁと苦笑するしかない。本当は、なかったことにするんじゃなく別項目を立ててそこに移動させるべきだったのに。
というわけで、消された捏造遺跡群のリストを探しに行ってきた。
見つけたのは、「捏造遺跡 その真相と原人の実体」(太田浩とアートブック編集)。これで完全なリストなのかどうかはめんどくさくて細かく検証はしていないが、見たことある名前がならんでいるので、たぶん全然違うリストではないと思う。
結果から言うと、藤村氏が関わった遺跡はすべてクロとされてしまった。
しかし、実際は本物もあったはずだと、批判の急先鋒である竹岡俊樹は著書に書いている。石器を見分ける能力がないから、クロとシロの区別がつかずにすべてクロにするしかなかったのだと。そうすることによって、直接捏造に関わった数人だけに責任を押し付けて早期決着を図った。
ここが重要なところなんである。
詐欺師の腕が巧みだったからではなく、同じ発掘現場にいて見抜けなかった人たとは何してたん? と。
(――ちなみに竹岡氏は著書で、自分が見ていれば自分なら分かったはずだという自負も見せている。たぶんそのへんお偉い先生がカチンときて結果的に検証に関わらせてもらえなかったんじゃないかという気がしている。事実だとしてもね…。)
つーか、このリスト見て改めて、いやいやさすがにこれだけ気がつかねー奴はいないっしょwww って思った。
これで「出てきたものはすべて真実(`・ω・´) 70万年前の地層からすごい石器で宝、ホモサピエンス的な知能を持った原人はいたに違いない」とか言うのは、火星の写真にピラミッドっぽいものが映ってるから「火星にはピラミッドがあるに違いない」とか言ってんのと全く同じレベルですよ奥さん。どうしてこんな超絶こっぱずかしい大事件を風化させられると思うの。子々孫々まで申し伝えかつ同じ過ちを繰り返さないようにしないとダメでしょ! じゃないと
また同じことやるよ?
クロとすべきだったのは、この遺跡に関わった考古学者全員じゃなかったのかって思うよね。
関東で起きたことだから関西は関係ない、とか、日本の古代史だから他の地域の考古学やってる人は関係ない、とかじゃないと思うよこれ。
あと、旧石器の本はシリアとかで発掘してた、西アジア考古学の先生も著者に名前並んでましたね…。
型式の理論について本出せるんだから、見てれば鑑定できてましたよね? 出来ないのに本なんて出せないですもんね。
本から消すんじゃだめなんだよ。これは清算の済んでいない大きな借金なんだ。絶対に忘れるな、肝に銘じろ。
******
捏造発覚前の情報が唯一残ってたのがこの本だった。「日本の古代遺跡15 宮城」昭和59年版。(藤村氏の関わった捏造遺跡は東北に多い。)
聖岳人も載ってたりして、ああ、この時代はほんとに捏造が露ほども疑われずに信じられていたんだなぁ…と苦い気持ちになる。
自国の考古学者がこのザマなのに、果たして他国まで石器を堀りにいくことは正しいのだろうか。それとも他国で掘ってる先生たちはマトモだというのか。少なくとも、専門家でありながら自然石と本物の石器の見分けがつかないのは痛いどころの話ではないよなぁ。調べてるうちにだんだん不安になってきた。ねぇどうなんすか…現場の人…。
本当かぁ~? と思って本屋と図書館を巡ってみたら、マジだった。すごいんだよ、キレイさっぱり消えてるの(笑) 著名な考古学者の欄に芹沢長介とか普通に載ってるのに、捏造に関わった部分を消しちゃってるから、なぜか二十年くらい居なかったことになってる。
というのも、捏造発覚後、すみやかに該当箇所が消されて再版されているのだ。たとえば「旧石器考古学辞典」(旧石器文化談話会 編)なんかは、さすがに冒頭にちょろっと改訂版に当たって捏造事件があったことに触れているが、全く書かずに「この10年ほどの間に大きく変化した部分を改訂し…」みたいに濁している本もあった。図書館の旧石器関連の本は片っ端から2001年くらいに改訂されたやつで、藤村氏の存在も、3万年を遡る多くの旧石器も、かつて認められていた遺跡群も消されている。徹底してんなぁと苦笑するしかない。本当は、なかったことにするんじゃなく別項目を立ててそこに移動させるべきだったのに。
というわけで、消された捏造遺跡群のリストを探しに行ってきた。
見つけたのは、「捏造遺跡 その真相と原人の実体」(太田浩とアートブック編集)。これで完全なリストなのかどうかは
結果から言うと、藤村氏が関わった遺跡はすべてクロとされてしまった。
しかし、実際は本物もあったはずだと、批判の急先鋒である竹岡俊樹は著書に書いている。石器を見分ける能力がないから、クロとシロの区別がつかずにすべてクロにするしかなかったのだと。そうすることによって、直接捏造に関わった数人だけに責任を押し付けて早期決着を図った。
ここが重要なところなんである。
詐欺師の腕が巧みだったからではなく、同じ発掘現場にいて見抜けなかった人たとは何してたん? と。
(――ちなみに竹岡氏は著書で、自分が見ていれば自分なら分かったはずだという自負も見せている。たぶんそのへんお偉い先生がカチンときて結果的に検証に関わらせてもらえなかったんじゃないかという気がしている。事実だとしてもね…。)
つーか、このリスト見て改めて、いやいやさすがにこれだけ気がつかねー奴はいないっしょwww って思った。
これで「出てきたものはすべて真実(`・ω・´) 70万年前の地層からすごい石器で宝、ホモサピエンス的な知能を持った原人はいたに違いない」とか言うのは、火星の写真にピラミッドっぽいものが映ってるから「火星にはピラミッドがあるに違いない」とか言ってんのと全く同じレベルですよ奥さん。どうしてこんな超絶こっぱずかしい大事件を風化させられると思うの。子々孫々まで申し伝えかつ同じ過ちを繰り返さないようにしないとダメでしょ! じゃないと
また同じことやるよ?
クロとすべきだったのは、この遺跡に関わった考古学者全員じゃなかったのかって思うよね。
関東で起きたことだから関西は関係ない、とか、日本の古代史だから他の地域の考古学やってる人は関係ない、とかじゃないと思うよこれ。
あと、旧石器の本はシリアとかで発掘してた、西アジア考古学の先生も著者に名前並んでましたね…。
型式の理論について本出せるんだから、見てれば鑑定できてましたよね? 出来ないのに本なんて出せないですもんね。
本から消すんじゃだめなんだよ。これは清算の済んでいない大きな借金なんだ。絶対に忘れるな、肝に銘じろ。
******
捏造発覚前の情報が唯一残ってたのがこの本だった。「日本の古代遺跡15 宮城」昭和59年版。(藤村氏の関わった捏造遺跡は東北に多い。)
聖岳人も載ってたりして、ああ、この時代はほんとに捏造が露ほども疑われずに信じられていたんだなぁ…と苦い気持ちになる。
自国の考古学者がこのザマなのに、果たして他国まで石器を堀りにいくことは正しいのだろうか。それとも他国で掘ってる先生たちはマトモだというのか。少なくとも、専門家でありながら自然石と本物の石器の見分けがつかないのは痛いどころの話ではないよなぁ。調べてるうちにだんだん不安になってきた。ねぇどうなんすか…現場の人…。