エジプトで見つかった新種の古代肉食獣にアヌビスの名が冠される。

3400万年ほど前にアフリカに住んでおり、今は絶滅しているスカンクくらいのサイズの肉食獣に、エジプト神話の冥界神アヌビスの名を冠した学名がつけられた、というニュース。絶滅種なので今の地上で"アヌビス"には会えないが、古代には実在したと言える状況になったぞ。やったね神話ファン! 三千と よんひゃくまんねんまえから 愛してる!

Newly discovered Egyptian carnivore that hunted our ancestors 40 million years ago is named after an ancient god of the underworld
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-4425222/Newly-discovered-Egyptian-meat-eater-hunted-ancestors.html

なお学名は「Masrasector nananubis」となるようだ。

こちらにちょっと詳しい内容が載っていた。
http://blogs.plos.org/paleocomm/2017/04/19/author-interview-matt-borths-on-the-newly-named-fossil-mammal-masrasector-nananubis-and-the-possibility-that-he-accidentally-unleashed-an-ancient-evil-upon-paleontology/

アヌビス神はイヌの顔を持つ神なので、てっきりイヌの祖先なのかと思っていたのだが、生きていた頃の再現図は、なんかちょっとフクロオオカミっぽい寸胴…。しかも「Hyaenodonts(ヒエノドン)」というのは正確にはイヌの祖先というわけではなく、イヌやネコの祖先と同じところから大昔に分岐した、原始的な肉食獣のことのようだ。

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系統樹を見るとイヌやネコと共通の祖先から分岐して、今は絶滅してしまった枝に繋がるのが今回の「Masrasector nananubis」のようだ。発見場所はエジプトのファイユーム、ナイル川沿いで大きな湖のあるところ。ここは"アヌビス"の生きていた3,400万年前には温暖で、湿地帯の森のようになっていたという。


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ピラミッドやミイラ、像など人間の歴史期の遺跡で有名なエジプトだが、実は、化石もいっぱい出てきている。世界遺産のうちの一つは古代のクジラの祖先たちの骨が眠る谷だ。また国土の90パーセントが砂漠で、人に利用されていない手付かずの土地が広がっているため、古い地形が残っているということで地理学者や隕石ハンターにとっても未知の発見を狙える場所なのだそうだ。

なのに観光客を呼ぶのはナイル川沿いの遺跡のほうばっかりなんだよねぇ…
まぁねぇ化石よりはピラミッドとか神殿のほうが判りやすいし、交通の便もいいからねぇ…

いつか白砂漠でキャンプとかしてみたいんだけど、安心して行けるようになる日はまた来るのだろうか。

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