架空の首なし族「ブレンミュアエ」の名前の元ネタは、実在する遊牧民族の可能性あり
ブレンミュアエとは、リビア砂漠やエジプトの東部砂漠に生息していたとされる首なし(胸に顔がある)種族のこと。なんでこんな種族が生まれたんだろうと疑問に思っていたのだが、どうやら、ヘロドトスが書いた「首なし族」の伝承と、実在するヌビアの部族とがごっちゃになった結果生まれてきたものだったようだ。
架空の首なし部族は Blemmyae(ラテン語)
実在する遊牧民の部族は Blemmyes(ギリシャ語)
なんか似てるなあ、じゃなくて、Blemmyes族の分布域と首なし族がいるとされた地域とがまさに一緒なのを見て「いや、そのまんまじゃねーかよ!w」ってなったことですよ…。
彼らは紀元前6世紀ごろには既に存在していたが、活動が活発化するのは3世紀頃から。実在する部族としてのブレンミュエスもしくはブレンミュスに関する記録は、実はけっこう存在する。たとえばエリュトゥラー海案内記には「エジプトは南からブレンミュエス族に攻められた」という記述が出てくる。また、紀元後450年にはカルガ・オアシスのヒビス神殿が彼らによって破壊されている。つまり、南のヌビア方面と、西のリビア砂漠の両方に活動圏をもっていたことになる。
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/29426/jbg066-06.pdf
エジプトはローマに支配されていた時代。この異邦の部族の噂が、ヘロドトスの「首なし族」の伝承とどこかでドッキングして、「首なし部族ブレンミュアエ」が誕生したのだと思われる。…つまり、首なし族のイメージと、実在する部族のイメージは別々に発生した、ということだ。名前の出所は判ったが、首なし族のイメージがどこから来たのかはよくわからないままだ。
なお、現在もヌビア東部に住むべジャ族は、このブレンミュエス族の子孫の可能性があるという。
架空の首なし部族は Blemmyae(ラテン語)
実在する遊牧民の部族は Blemmyes(ギリシャ語)
なんか似てるなあ、じゃなくて、Blemmyes族の分布域と首なし族がいるとされた地域とがまさに一緒なのを見て「いや、そのまんまじゃねーかよ!w」ってなったことですよ…。
彼らは紀元前6世紀ごろには既に存在していたが、活動が活発化するのは3世紀頃から。実在する部族としてのブレンミュエスもしくはブレンミュスに関する記録は、実はけっこう存在する。たとえばエリュトゥラー海案内記には「エジプトは南からブレンミュエス族に攻められた」という記述が出てくる。また、紀元後450年にはカルガ・オアシスのヒビス神殿が彼らによって破壊されている。つまり、南のヌビア方面と、西のリビア砂漠の両方に活動圏をもっていたことになる。
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/29426/jbg066-06.pdf
エジプトはローマに支配されていた時代。この異邦の部族の噂が、ヘロドトスの「首なし族」の伝承とどこかでドッキングして、「首なし部族ブレンミュアエ」が誕生したのだと思われる。…つまり、首なし族のイメージと、実在する部族のイメージは別々に発生した、ということだ。名前の出所は判ったが、首なし族のイメージがどこから来たのかはよくわからないままだ。
なお、現在もヌビア東部に住むべジャ族は、このブレンミュエス族の子孫の可能性があるという。