アイルランドで新たにストーンサークルの痕跡が見つかる。

巨石の輪、といえばイギリスにあるストーンヘンジが有名だが、同じようなものはスコットランドにも、アイルランドにも大小様々に沢山ある。そして、それらはみな、鉄器が使われだす以前の、石器時代~青銅器時代の遺跡である。

そんなストーンサークルの一つが、つい最近、畑の中にわずかに残っていた痕跡から発見された。
畑の中なので、表面に使われていた石は残っていない。植生の違いに寄って、遺構がうっすらと浮かび上がってきたのをドローンから撮影して見つけた・・・ということのようだ。

https://www.livescience.com/63097-ireland-newgrange-henge-uncovered.html

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場所はニューグレンジの近く。
ニューグレンジには、5.000年前の有名な遺跡、日本でいう古墳のような大きな墳墓がある。ときどき、「あのエジプトのピラミッドより古い!」などとドヤ顔で語られる世界遺産である。(笑)

まだ発掘中とのことだが、ここが当時の人々の思想や生活規模を知る上で重要な地点なのは間違いない。エジプトのピラミッドもいまだにちょいちょい新しいのが発見されているが、ブリテン島やアイルランドのストーンサークルも、見つかっていないものが、まだ、存在するのかもしれない。


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参考までに、アイルランドで主要なストーンサークル・巨石遺跡のある場所の地図。
ストーンサークルは大小さまざまなもので130もあるらしい。

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アイルランドで最大と言われる有名なストーンサークルが「グレンジ・ストーン・サークル」。
使われている石の大きさや種類からしても、イギリスのストーンヘンジとはずいぶん雰囲気が違う。今回見つかったサークルもこういう感じだったのかも。

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ブリテン島やアイルランドに多数存在する石の遺跡をひたすら巡った面白い写真集がこちら。
遺跡の地図はここからスキャンした。

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なお、かつてはこの巨石を作った人々は「どこかへ消え」、ケルト人の入植者にとって変わられた、と考えられていたのだが、現在では、大陸からの大規模な人の移住は考古学的な知見からも人類学的な知見からも否定されており、かつてこの遺跡を作った人々=今そこに住んでる人たちの遠い祖先、である可能性が強まっている。

遺跡を作った人々は幻なんかじゃなくて、今もそこで羊飼ってるんだ…

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