「ホビット」と呼ばれる小型ホモ属の進化に新たな観点/現生人類との交雑と小型化への道

ホビット、という愛称で呼ばれるホモ・フロレシエンシスは、インドネシアのフローレス島にかつて暮らしていた小型の人類。その背丈の小ささから、トールキンの有名ファンタジー「指環物語」にちなんでホビットと呼ばれるようになった。

わりと最近まで存在していた別種の人類で、ホモ・サピエンスとの共存期間はあったのか、あったとしたらどのくらいの長さなのか、ホモ・サピエンスが彼らを滅ぼしたり、追いやったりした事実はあるのか、などは議論の対象となっている。

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そんな「ホビット」について、新たな研究成果が出てきた。

 ・現在のフローレス島住人との遺伝子的な繋がりは見つからなかった

ただし、現代フローレス島の住人が、かつてフロレシエンシスが生きていた時代のホモ・サピエンスの直接の子孫でない可能性もあるため、全く交雑できなかったのかどうかは不明である。

 ・小柄なホモ・サピエンスであるピグミー族との繋がりも見つからなかった

これは、ピグミー族が低身長になった理由が、元々小型だった別のホモ属との交雑が原因ではなかった可能性を示唆している。
なお、ピグミー族と呼ばれている人々は世界各地に何種類かおり、それぞれ、低身長となる理由(元々小さく生まれる/子供時代の成長が少ない/思春期の成長が少ない 等)が異なることが判っている。つまり、一種類の小型の祖先から枝分かれしたのではなく、各地のピグミー族がそれぞれ独自に、異なる方法で小型化を獲得したことを意味している。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/073000204/

これらの研究が示すことは、以下のような不思議な内容になる。

 ・ホモ・フロレシエンシスが小型になったのは、元々小型だったのではなく島に移住した後の可能性がある。つまり、祖先はホモ・サピエンスと変わらない大きさだった可能性がある

 ・小型化は条件次第であり、ホモ・サピエンスも一部の集団で独自に小型化を獲得している。つまり、ある地域で発見された人間が、種族として平均的にそのサイズであったかどうかは分からない

というかよくよく考えたらホモ・サピエンスって同一種族の中で地域ごとの差めっちゃデカいですよね。特にアフリカの中にいる部族間の差が大きくて、身長だけでも2m越えだったり1mくらいだったりするっていう。個体の差なのか種族の差なのかって、見た目だけだと見分けがつきにくい気がする…。


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参考

ホモ・フロレシエンシスについての記事

フローレス原人を絶滅させたのは現生人類だった?
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/033100119/

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