途中にちょくちょく謎記述が出てくるぞ…。「シルクロードの古代都市」
それほど詳しいわけではないジャンルの本を手にとるときは、とりあえずパラ見した全体の雰囲気だけでなんとなく読み始めてみたりするのだが、細かく読んでいくと何だか良く分からない根拠不明の記述にぶつかって困惑することもある。
今回はこれに引っ掛かった…。
序盤のアムダリヤ川とその周辺の遺跡の説明の部分からまず引っ掛かった。「マルギアナとバクトリアには北メソポタミアを源郷とする民族が住んでいた」。マルギアナやバクトリアは、メソポタミアからだーーーいぶ遠い。間にイラン高原もある。調べてみるとどうやらそういう説はあるにはあるらしいのだが、定説ではないし、「よくわからない」というのが正解のようだ。むしろインドの文明や中央アジアとの繋がりのほうが強そうだし、本文中で引用するにしても「…という説もあるが不明である」くらいの書き方がいいのではないかと思った。
これ系のひっかかる箇所はほかに幾つもあり、以降も、「○○はxxと述べている。」のxxの部分が「それって主要な説じゃないし、これ引用するなら並行で別の人の説も書かないとだめじゃない?」みたいなのが続く。
というかロシアの考古学資料ってあんまり信用しちゃいけないやつじゃないかな…
他の遺跡でも、再調査したら全然違ってたとかよく聞くし…。
あと明らかにこれは違うだろう、という箇所も多くて、たとえばシュメル語のテキストでタムムズ神(タンムズのことだろう)がラクダの乳を飲んだ、と記されている、などという部分。まずシュメル語だとタンムーズではなくドゥムジだろうし、シュメル語が使われていた時代にはまだラクダが家畜化されていない。さらに彼は牧畜の神なので乳は飲むのではなく家畜の乳の出をよくする、という神のはずだ。
グリフィンの起源がエジプトにあり、エジプト語で「絶滅させる」という意味だ、などの記述も正直どこから出てきたかわからない。スフィンクスを起源とする説を採用して「生ける像」という意味だ、と主張するのなら、適切ではないにしろ出所の見当はつくのだが…。
というわけで、あちこち「腑に落ちない」という本であった。
全ての箇所について吟味するだけの知識はないが、明らかに怪しい部分があるのは確かなため、全体の評価も下ってしまう。どうやら書いているのは有名な人らしいが、肩書きや経歴は関係なく本の中身だけで判断するならば、あまり人にお勧めできる本ではないと言える。
今回はこれに引っ掛かった…。
序盤のアムダリヤ川とその周辺の遺跡の説明の部分からまず引っ掛かった。「マルギアナとバクトリアには北メソポタミアを源郷とする民族が住んでいた」。マルギアナやバクトリアは、メソポタミアからだーーーいぶ遠い。間にイラン高原もある。調べてみるとどうやらそういう説はあるにはあるらしいのだが、定説ではないし、「よくわからない」というのが正解のようだ。むしろインドの文明や中央アジアとの繋がりのほうが強そうだし、本文中で引用するにしても「…という説もあるが不明である」くらいの書き方がいいのではないかと思った。
これ系のひっかかる箇所はほかに幾つもあり、以降も、「○○はxxと述べている。」のxxの部分が「それって主要な説じゃないし、これ引用するなら並行で別の人の説も書かないとだめじゃない?」みたいなのが続く。
というかロシアの考古学資料ってあんまり信用しちゃいけないやつじゃないかな…
他の遺跡でも、再調査したら全然違ってたとかよく聞くし…。
あと明らかにこれは違うだろう、という箇所も多くて、たとえばシュメル語のテキストでタムムズ神(タンムズのことだろう)がラクダの乳を飲んだ、と記されている、などという部分。まずシュメル語だとタンムーズではなくドゥムジだろうし、シュメル語が使われていた時代にはまだラクダが家畜化されていない。さらに彼は牧畜の神なので乳は飲むのではなく家畜の乳の出をよくする、という神のはずだ。
グリフィンの起源がエジプトにあり、エジプト語で「絶滅させる」という意味だ、などの記述も正直どこから出てきたかわからない。スフィンクスを起源とする説を採用して「生ける像」という意味だ、と主張するのなら、適切ではないにしろ出所の見当はつくのだが…。
というわけで、あちこち「腑に落ちない」という本であった。
全ての箇所について吟味するだけの知識はないが、明らかに怪しい部分があるのは確かなため、全体の評価も下ってしまう。どうやら書いているのは有名な人らしいが、肩書きや経歴は関係なく本の中身だけで判断するならば、あまり人にお勧めできる本ではないと言える。