山の遭難のほとんどは道迷い!→夏山遭難はそうでもない

今年もそろそろ山シーズン終了。

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秋の山はマイナールートにいくと落ち葉で道が隠れてて道迷いしやすいです。あと石が落ち葉で隠れてるのに気付かず、つまずいてコケるご高齢者とか、馴れてない人が下り坂で落ち葉で滑って落ちたりしますね…。
というわけで、

 山は季節によって危険ポイントが結構違う

というのを説明するために警視庁の出してる統計データを持ってきましたよドン。



こちらが平成29年の通年統計
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/H30yama_nenpou.pdf

こちらが平成30年の夏季(7-8月)統計
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/2018kaki_sanngaku.pdf


それぞれの事故原因を見てみるとこんなに違います。

通年
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夏季のみ
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そう、夏季は、道迷いというより体力が尽きることによる滑落・転倒が多いんですね…。

山は、関東なら、1000mちょいの山でも4月くらいまで、2000m弱なら5月くらいまでは残雪があります。2000m後半からの山は7月半ばからが登山シーズンで、その時期でもまだ残雪はある。
なので7-8月の夏季 = ほとんどの山で残雪がなくなっている登山のハイシーズン と考えてください。

逆に言うと、それ以外の季節は残雪があるのです。
道迷いが上位に来るシーズン = 残雪があり、一般人はあまり高い山に行かないシーズン

なので、夏季の遭難事故は、中低山しか行けないような人がハイシーズンだからと高山に挑み、体力不足で事故ることが多くなるのです。残雪のないシーズンは道が完全に見えているので、一般的な登山道で道に迷うこととほとんどないです。



事故原因はこのように季節で傾向が分かれますが、事故を起こしている年齢の傾向は通年でも夏季のみでも全く同じです。高齢者の事故が圧倒的に多い。当たり前ですが年をとると体力落ちますし、何かトラブったときのリカバリも効きません。また高齢の登山者はITデバイスも使い慣れていなかったりします。「GPSで地図を見られるようにすれば登山の事故は減らせるはず!」なんていう、そんな単純な話ではないのです。

では一体どうすれば、高齢者の事故を減らせるのか……。

これがとても難しい。自分はまだまだ若いつもりのじーちゃんばーちゃんに「高い山行くなや」って言っても、わしらまだ元気だしーとか言って行っちゃうでしょ。登山暦20年のベテランだから! とか昔とった杵柄で行っちゃうでしょ。。
もうね、70越えて山はさすがに誰か止めて欲しい。じゃないと、年々増え続ける高齢者の事故に、若い人たちが命がけで救助にいく悲惨な状況が続いてしまうんじゃないかと思うのですよ…。

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