大英博物館またもピンチ。モアイ像も「返して」要求

イギリスが世界に誇る大英博物館だが、その目玉展示物の多くが実は非合法に他国から持ち出されたもので、それゆえ「泥棒博物館」と揶揄されることがある。

今までにも大英博物館に遺物の返還要求を出してきた国は少なくない。

ロゼッタ・ストーンはエジプト。
パルテノン神殿のエルギン・マーブルはギリシャ。
ニムルドのレリーフはイラク。

そして今回は、チリのイースター島からも「モアイ像返して」と要求があがっているという。

モアイ像「返して!」大英博物館に島の当局者が返還求める
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181121/k10011718401000.html

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…まぁー、返さないでしょうね…。
返しちゃうと他の国も「うちのも返せや」と大炎上しますからね!!


こうした他国の品を収めている国の言い分としては、今までは、「返したとしても、元の所有国では保存・展示が出来ないだろう」「だから代わりに設備のととのっているウチの国で管理してあげているんだ」というものがあった。
しかしギリシャにしろエジプトにしろ、新しい博物館を建てるなど設備や人員の整備が進んできている中で、もはやその言い訳は通じなくなってきている。

たとえばギリシャでは、大英博物館からエルギン・マーブルを返還してもらうことを前提に、新しくアクロポリス博物館を建てているし、エジプトでも今、大エジプト博物館の建設が進んでいる。

そんな中、大英をはじめとする、かつての「列強国」の博物館が、目玉展示物をどういう理屈で防衛していくのかはとても気になるところだ。というか、大英博物館で返還要求の出されている品をぜんぶ返したら、あと目玉って何が残るんだっけ…? 有名どころはほとんど他国の品のような気がするんだけど…。


世界の一級品が一箇所で見られる、という利便性はわかるけど、やっぱ、当該国からすれば返してほしいと思うもんやろね。今後の対応をそっと物陰から注視していきたい。



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先進国の博物館に品があるからといって、必ずしもキチンと保管されて、公開され続けるわけではないという事例
イギリスさんもわりと、遺物の扱いてけとーなとこがある。


さらば、セケムカーの書記座像。イギリスで競売にかけられた一級品のエジプト・コレクション輸出される
https://55096962.seesaa.net/article/201605article_15.html

ファラオ・イン・ザ・ベースメント(地下室)。ファラオは二度甦る
https://55096962.seesaa.net/article/201806article_6.html

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