エジプト/ファイユームで見つかった中王国時代の墓

最近、エジプト人の考古学者による発見が報じられることが多くなったなぁと思います。
エジプトさん過去に外国人に頼って発掘頼んでたら色々勝手に持ち出されちゃったという痛い経験があるので、将来は国内の学者だけで全部回せるようにしたい、という意向があるらしい。

というわけでこれもエジプトの学者さんの仕事。ファイユーム湖の南で、中王国時代の墓が見つかったよという話。

Middle Kingdom Burial Shaft Discovered by Egyptian Archaeologists in Fayoum
http://luxortimesmagazine.blogspot.com/2018/12/middle-kingdom-burial-shaft-discovered.html

ファイユーム湖は、エジプトの真ん中あたりにある大きな湖で、かつては年一回のナイルの氾濫の時に水位があがって湖がでかくなっていたのだが、今は氾濫が起きないので湖はずっと小さいまま。氾濫原だった場所にも人が住んでいる。記事に添付されている地図の、緑色の部分は、かつて氾濫が起きると水に沈んでいた湿地帯だ。

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で、墓の見つかった場所は El Khelua なので、地図で見ると、緑色の範囲の外側にある。つまり古代にも水につかることは無かったはずの高台だ。中王国時代の墓地だが、のちにビザンツ時代にはキリスト教徒の住みかとしても利用されているというが、これは王家の谷の庶民墓などと同じ。なのであまり状態は良くないようだが、いくつかのミイラと埋葬された品が残っていたようだ。

面白いのが赤い陶器と赤いカノポス壷の蓋。残念ながら完品では残っていないようなのだが、赤いカノポス壷って珍しいなーと。赤は基本的に古代エジプトでは不吉な色なので、副葬品で出てくることはあまり無いかなと思うのだが。ただ、写真を拡大してみると青色が混じっているようにも見えるので、もしかしたら元は青だったものが変色して赤になったのかもしれない。その場合、どういう着色の仕方をしていたのかは気になるところだ。今度調べてみようと思う。

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