これが最近のギリシャ考古学のトレンド…「古代ギリシア 地中海への展開」
古代ギリシャを専門とする著者が、ギリシャを「地中海世界の一部」として書いた本。
従来の見方だとギリシャはギリシャ・ローマ、とセットにされていたり、ポリス時代に入る以前の時代から切り離されていきなり民主制の話とかから入ることが多かったと思うが、そうした見方は既に古く、最近のトレンドとしてはこうなってますよ、という話が色々でてくる本になっている。そのため、全般的な概要書にはなっていない。どちらかというと、既にある程度知ってる人向けの本である。
自分はどっちかというとエジプトびいきなので、特に意識しない場合はエジプト視点でギリシャ方面を眺めることになる。その視点から行くと、しょっぱなから、「マジかよ…」みたいな内容が結構出てくる。たとえば線文字Bがギリシャ語ではないと思いこんだ理由とか。地中海分断モデルの話とか。いやだって地図見ればキプロスがほぼ地中海南岸だって判るじゃん? とか、ギリシャ文明が単独で発生するわけないじゃんエジプトに傭兵として大量に入ってたじゃん? とか。わざわざ書かないといけないことなのか、的な。
エジプトのギリシャ人入植地をギリシャ専門の学者が研究してなかったらしいことも意外だった。逆に、エジプト学者はシナイ半島やキプロスのエジプト人居住地の研究もしていたはず…というか見た覚えある。ギリシャを現代でいうところの「ギリシャ」世界に限定して見てしまってたんだな、ということとか。
へたに文字資料が残っているから、文献研究として文字資料を優先してしまって、発掘によって得られた考古学の結果との突合せが不十分だったところもあるんだな、とか。
「地中海世界」の中でギリシャの話を書いているので当然エジプトと絡む部分も出てくるのだが、海の北から見るのと南から見るのとでだいぶ視界が違うということが判って面白かった。
ギリシャにしろエジプトにしろ、その時代、その地域「だけ」の視点では、決して見えてこないものがある。何故って人は移動するものだし、孤立無援の文化なんかありえないからだ。歴史に手を出すと、メインとなる時代や地域に隣接する部分まで勉強しないと面白くないのよね、結局ね。沼どころか海だぜ。海は広いなー。
なお、同じ著者がエジプトの発掘調査に参加した話を書いている別の本もある。この本の中にも出てくる「アコリス遺跡」についてはこちらに詳しくでてくる。
昔読んだ時になんか色々文句つけたりもしたけれど、本自体は面白くて勉強になるやつです。
それとシュリーマンの本で参考文献にされているのがこれ。
アガメムノンのマスクと言われているものにシュリーマンが手を加えていたかもしれない、という話はここに出てくる。
従来の見方だとギリシャはギリシャ・ローマ、とセットにされていたり、ポリス時代に入る以前の時代から切り離されていきなり民主制の話とかから入ることが多かったと思うが、そうした見方は既に古く、最近のトレンドとしてはこうなってますよ、という話が色々でてくる本になっている。そのため、全般的な概要書にはなっていない。どちらかというと、既にある程度知ってる人向けの本である。
自分はどっちかというとエジプトびいきなので、特に意識しない場合はエジプト視点でギリシャ方面を眺めることになる。その視点から行くと、しょっぱなから、「マジかよ…」みたいな内容が結構出てくる。たとえば線文字Bがギリシャ語ではないと思いこんだ理由とか。地中海分断モデルの話とか。いやだって地図見ればキプロスがほぼ地中海南岸だって判るじゃん? とか、ギリシャ文明が単独で発生するわけないじゃんエジプトに傭兵として大量に入ってたじゃん? とか。わざわざ書かないといけないことなのか、的な。
エジプトのギリシャ人入植地をギリシャ専門の学者が研究してなかったらしいことも意外だった。逆に、エジプト学者はシナイ半島やキプロスのエジプト人居住地の研究もしていたはず…というか見た覚えある。ギリシャを現代でいうところの「ギリシャ」世界に限定して見てしまってたんだな、ということとか。
へたに文字資料が残っているから、文献研究として文字資料を優先してしまって、発掘によって得られた考古学の結果との突合せが不十分だったところもあるんだな、とか。
「地中海世界」の中でギリシャの話を書いているので当然エジプトと絡む部分も出てくるのだが、海の北から見るのと南から見るのとでだいぶ視界が違うということが判って面白かった。
ギリシャにしろエジプトにしろ、その時代、その地域「だけ」の視点では、決して見えてこないものがある。何故って人は移動するものだし、孤立無援の文化なんかありえないからだ。歴史に手を出すと、メインとなる時代や地域に隣接する部分まで勉強しないと面白くないのよね、結局ね。沼どころか海だぜ。海は広いなー。
なお、同じ著者がエジプトの発掘調査に参加した話を書いている別の本もある。この本の中にも出てくる「アコリス遺跡」についてはこちらに詳しくでてくる。
昔読んだ時になんか色々文句つけたりもしたけれど、本自体は面白くて勉強になるやつです。
それとシュリーマンの本で参考文献にされているのがこれ。
アガメムノンのマスクと言われているものにシュリーマンが手を加えていたかもしれない、という話はここに出てくる。


