マイナージャンル? タジキスタンの青銅器時代の遺跡の話を聞きに行ってきた

体調不良の人が出たせいで連続で休日出勤を食らったので、趣味エキスで元気になるためちょっとお出かけして普段あまり聞かない講演会に紛れ込んでみた。明らかに素人じゃない人が多くてアレなやつだったけど!

タジキスタンにおける最近の発掘調査 ー新発見の青銅器時代遺跡を中心としてー
http://www.aom-tokyo.com/event/190126%20Tajik.html

後援者は、サイドムロド・ボボムロエフ(Saidmurod Bobomulloev)氏
(タジキスタン国立古代博物館・館長)

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タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタンあたりは、昔から日本の大学が文化財保護の支援に入っている国々。とはいえ仏教関連やゾロアスター教関連のもっと新しい時代が多い中、今回は青銅器時代がメインということで「? 青銅器時代ってどんなんだっけ」くらいのノリの、全く分からないままだった。
だが参加者の大半がそんな感じで、「えっこの鳥の餌箱なに、初めて見る…」みたいな雰囲気だったので、本当にマイナーな時代なんだと思う。

今回発表された遺跡は、紀元前3000年紀中ば~2000年紀あたりということで、バクトリア・マルギアナ複合の時代とも少しズレている。めっちゃ隙間の時代の遺跡なんである。実際、後援者も「この時代の遺跡の発見は珍しい」と言っていた。そして、遺跡が見つからない理由が「ソ連時代にだいぶ壊されちゃったから」だとも…ああ… うん…。確かソ連時代にひっぺがされた寺院の壁画の修復プロジェクトとか日本がやってましたねそういえば…。

公園の中で写真をたくさん見せてもらった(撮影不可なので画像はない)が、非常に興味深かったのが、庶民のものと思われる小さなお墓で、ちょっとだけ土器が入っているような素掘りの穴なのに、輝石でできたアクセサリーがたくさんあるということ。特にラピスラズリがふんだんに使われたアクセサリーはなるほどと思った。

タジキスタンは、ラピスラズリの産地がすぐ近くなんだ。

遺跡の位置がここ

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アフガニスタンの、ラピスラズリの産地のある地方がここ

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ほぼ隣接していてる。輸送の手間がほとんどかからない。
同じ時代のエジプトの墓からラピスラズリが出たら、その墓は指導者クラスの墓とみなされるだろうに、産地の近くだと庶民らしき墓でも普通に使われているという違いが面白かった。

ラピスラズリ以外ではトルコ石やカーネリアンのものも多く、これはタジキスタン北部のパミール産だという。輝石の産地にアクセスしやすかったからこそ、普段使いできたのだろう。アクセサリーは多くそれ以外の副葬品が少ない、面白い組み合わせになっていた。

ほかに面白いものといえばロウソク。カラフルな着色をしたり模様を描いたりしたロウソクが副葬品にある。ランプを副葬品に入れる文化は多いが、ロウソクを入れるというのはちょっと珍しいなと思ったり。タジキスタンは高地が多く、昔も今も遊牧が盛んだが、ランプ用の油よりはロウソクのほうが簡単だったのだろうか。織物などが全然残ってなかったのはまぁ、しょうがないのかな。雨降るしね。エジプトだと乾燥してるから紀元前3000年でも生ものが出てくるけどね…。


あと、タジキスタンの国立博物館のホームページは日本の大学と協力して日本語ページもあるから見てね!! と言われたので、帰宅後に探してみた。確かに日本語。ひとむかし前の個人サイトの雰囲気が残っていて素朴な雰囲気w

http://www.afc.ryukoku.ac.jp/tj/tajikistan/index.html

地図見ても判るとおり、タジキスタンの遺跡は隣のアフガニスタンやウズベキスタンのすぐ近くで発見されていて、古代の文化的には隣近所の国と繋がっている。そのため、周辺国と協力して研究しないと全貌は見えてこないのだという。国境なんてつい最近のものだしね。

それと、ソ連時代に出された調査報告書などはほぼロシア語だそうで、過去の研究を探すならロシア語文献をあさらないといけないそうだ。この時点でハードルが高く、知名度が低いのもそのためではないかと思われる…。
日本人研究者の人には、ぜひ分かりやすい日本語の入門書とか出していただきたい…。

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