エチオピアの神話時代と歴史の境目。歴史の流れをまとめてみた

エチオピアの歴史を眺めていて、神話的な出来事と歴史的な出来事が混じっててよくわからんなぁと思ったので、ザックリと年表にまとめてみた。その結果、5世紀頃までの話はだいたい神話で、事実かどうかよくわからん。ということが判った。巨大石柱で有名なアクスム王国の建国も1世紀~3世紀頃と幅があり、はっきりしていないらしい。本によって書かれてることが違う理由はそこか…。
10世紀頃からは他の国の記録からも追えるようになるのでほぼ確実。

ビザンツとの繋がりが切れたあとも、意外とヨーロッパ諸国と関わってる部分がある事を発見した。

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紀元前975年 シバの女王の息子メネリク1世が初代皇帝となる(神話)

 *ソロモンの在位期間と合わないがそのへんは気にしないらしい
 *この時、聖櫃がエチオピアに運ばれタナ湖の島に安置されたことになっている

紀元前922年 イスラエルが南北に分裂

紀元前586年 エルサレムがバビロニアに攻め落とされる

紀元1世紀頃(推定) アクスム王国が建国される

332年 聖櫃がタナ湖からアクスムへ運ばれる
アクスム王朝のエザナ王がキリスト教に改宗

-------------- ここらへんまで、ほぼ神話 -----------------------

-------------- ここらへんからが確実 --------------------------

6世紀前半 キリスト教がエチオピア南方に広められる

6世紀後半 サーサーン朝ペルシアによってイエメンとの通商が難しくなる

7世紀半ば イスラーム勃興、ビザンティン勢力が紅海・インド洋に進出できなくなる

9世紀 アクスム王朝衰退

10世紀頃(推定) ザグウェ王朝が勃興

5代目にヨーロッパで「プレスター・ジョン」の名で呼ばれるキリスト教の王の元ネタと思われる王ラリベラが在位
ラリベラに教会が築かれる

13世紀 ザグウェ朝に反旗を翻した「復興ソロモン王朝」の誕生

14世紀 王権が揺らいでいた時期

王権の正当性と、シバの女王から続く万世一系の系譜を謳う「ケブラ・ナガスト」が編まれる
(元ネタになる書物はこれ以前の時代に既にあったとも言われる)
以降、シバの女王の流れを汲む「万世一系」の皇帝により統治されていることになる

15世紀 現在のエチオピア正教の宗教慣習の多くが導入される

1530-1532年 イスラーム軍によってアクスムが破壊される

1636-1637年 ゴンダールにはじめて固定式の王宮が築かれる

外国人の関わった建物でアフリカの大地に西洋式の城が建っているため「不思議の城」と呼ばれることもある
ポルトガルのカトリック宣教師追放

1769-1855年 有力者たちが争いあう戦国時代(士師時代)に突入

------------------ このへんから近代 -----------------------

1896年 アドワの戦いでイタリア軍を撃破

1935-1941年 イタリア統治時代 イギリスの介入で再独立

1959年 エチオピア正教会がエジプトのアレクサンドリア教会から独立

1974年 最後の皇帝 ハイレ・セラシエが退位

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【ワンポイント】

13世紀からの「ソロモン朝」は、1270-1540年の「ソロモン朝前期」と1540-1769年の「後期」に分けるのが通例らしい
後期の中でも、ゴンダールに首都を置いたファシラダス~ヨハンネス2世までが「ゴンダール期」

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