シバの女王は「ビルキス」か「マケダ」か、伝説2通りを整理してみた。

シバの女王がソロモン王に謎かけをして知恵を試す、という伝説はわりと有名なやつかと思うが、女王の出身地と名前については、大きく分けると2通りの説があるようだ。


「ビルキス」という名前でイエメンの女王であるという説。

これは歴史的にありえる話というか、「シバ」「シェバ」という地名からしても、乳香の産地であることからも、おそらく妥当だろうと思われる。


「マケダ」という名前でエチオピアの女王であるという説。

これは歴史よりはエキゾチックな伝説として語られることが多いけれど、映画や小説など二次創作に用いられることが多い。シバの女王が帰国時にソロモン王の子種を宿しており、その息子が成長後に父の国から契約の箱もしくは約束の石板を国に持ち帰る、という続きの話が追加されている。


この2通りの系統を、主要な文献で大ざっぱにまとめてみるとことうなった。

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ユダヤ教/アラビア半島の伝承 → コーラン の流れと、いったんエジプトに入って コプト教(キリスト教) → エチオピア正教 の2系統、ということになる。
ヤツガシラの登場、および女王の足に毛が生えている、などの逸話があるのは前者の流れ。これがヨーロッパにも伝わる。
対して、約束の石板などを盗み出して持ち帰るエピソードがあるのは、後者の流れ。ちなみにエチオピアでは、現在もその石板が祭られていると信じられている。

女王の名前を「ビルキス」や「バルキス」とする流れのほうでは、パルミラの女王ゼノビアがイメージのモデルになっているのでは、とする説がある。
また「マケダ」とする流れのほうでは、たとえばヌビアの女王アマニトレなど、エジプト南方に実際に女王の支配された国があった古代の記憶が混じっているのではないかともされる。

いずれも、シバの女王は伝説上の人物で(もっともエチオピアの伝承では「シバ」という国名が出てこないが)、原型となるかもしれない人物も特定されてはいない。ただし地理的な意味でいうと、史実として存在した可能性のある「シバの国」はイエメン、ということ。

現代の伝説においては、この2系統がいいとこどりで混ぜ合わされているので、なぜかエチオピアにシバという国があり、女王マケダがソロモン王と知恵比べをしたりするので、余計に判りにくくなっているのだが。
アラビア語の伝承は、翻訳が少ないこともあってあまり細かく追いかけられなかった。そのへん言語得意な人いたら、どのあたりから「ビルキス」の名前が出てくるのかとか調べて補完してくださいヨロシク(他人任せ

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